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グラット氏

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2017.01.16
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カテゴリ: 今日の買い物



ジャンク箱はいっぱいあるが、墓場屋と変わらすの品揃え。うーん、今日は坊主かな。と思ってたらキャノンの135mmが転がってた。ふーむ、確かこれカメラ塚のどっかに埋もれていたよな。とレンズをチェックしてたんだが、「むむむ、これは!」。思わずリールを巻き上げる土佐の大佐なのだ。

「FLレンズでしょ。珍しくも何ともないじゃん」

むふふふ、違うんだよーん。ではレンズをじっくり観察しましょう。左から今回釣り上げたレンズ、FLレンズ、FDレンズ(長さが揃えられなかった)。



FDとFLは全然違うよね。んで、今回のレンズ。FLによく似ているけど、バーが1本多いのに気が付くでしょ。じつはこのバーが肝なんだよね。そしてもう一度1枚目の画像に戻ると明らかに「何かおかしい」ことに気づく。そう良く見ると絞りリングが2つあるのだ。

ニコンがFで華々しくSLR時代の覇者となりつつあるとき、RF時代の好敵手キャノンも早急に対応モデルを送り出す必要があったのだ。しかし、P,7とレンジファインダーモデルのヒットを出しており、対ニコンで圧倒的に販売台数が勝っていたこともあり「まだまだRF時代は続く」と鷹揚に構えていた節がある。

そしてFと同じ年、キャノンからもトップモデルであるCanonflexRが送り出された。しかしFとRはレンジファインダー時代のcontax対Leicaくらい異なっていたのだ。

有名なのがバヨネット対スピゴット、これがキャノン最大の失敗なのは歴史の教科書にも書かれている史実だが、初代にはそれ以上にスットコドッコイで突っ込み処があるのだ。

巻き上げもニコンがトップレバーなのに対しキャノンはボトムトリガー式を採用。RFではトリガーからトップレバーにしたのに何故かSLRで先祖帰りしてしまう。この底部トリガーのおかげで三脚穴が隅っこに追いやられている。一眼レフの特権「接写」の際、足場が極めて不安定になるのだ。ダメだ。更に致命的なのが「モータードライブ」が付けられないのだ。これではFに対抗できない。今では信じられないが当時はニコンが自動化で一歩も二歩も先んじていたのだ。

そして三つ目の違いが自動絞り機構。これパッと見では分かりにくいのだが、ニコンをはじめ多くのカメラメーカーが自動絞りをボディで制御しているのに対し、キャノンはレンズで制御していたのだ。後のEFレンズ登場時にキャノンが宣言した「レンズ制御はより近いところで」という思想は既にこの時代に芽生えていた。

具体的に言うと絞りを制御するスプリングがレンズ側にあるのだ。巻き上げに連動して右のバーが動きレンズ内の絞りを動かすスプリングをチャージ。左のバーはシャッターに連動して、スプリングを開放するスイッチなのだ。考え方は「絞り羽根に近い場所に駆動機構を置くほうがよりタイムラグが少ない」というもの。キャノンはこれを「スーパーキャノマチックシステム」と高らかに名づけたのだ。



ここまで読んでいくと、このシステムは既に大きな問題を抱えていたのが分かる。常にユーザーはシャッターチャージとレンズ交換を合わせておく必要があるのだ。結局、このシステムは5年で破綻し、自動絞りをボディで制御するFLレンズへ変更を余儀なくされる。更にFL時代はFに対抗するトップモデルが存在せずキャノン信者にとって暗黒時代へと突入するのだ。

さて、レンズにある二つの絞りリングに戻ろう。ひとつは自動絞り用、もう一つは手動絞り用であった。そう、スーパーキャノマチックシステムではニコンFのような絞り込みレバーを搭載できなかったのだ。

当然このレンズをFL時代以降のボディに使用しても自動絞りは作動しないし、FL以降のレンズをキャノンフレックスRで使用しても自動絞りは動かない。いやはや、ニコンやコンタックスがレンズは資産という考え方なのに対し、キャノンのドラスティックさが伝わってくる。






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最終更新日  2017.01.18 22:09:16
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