PR
Calendar
Comments
止まった時間が突然途切れて
また始まった今の状況が多分いけないんだと
不満を残して納得した
扉を閉める
気持ちを代弁しているように
やりきれない擦れた音だった
埃の被った棚の下も
蜘蛛の巣が張った壁の隅もいつも使っているテーブルの上も
賞味期限はずっと昔
考えられないような配色のパッケージに
眉を寄せればそこに書かれているのは
「賞味期限1987.3」
時間なんて見えないもの
追いかけていたって
見送ったってダメなんだ
今を感じられなければ
きっといつでも感じられない
時間なんて見えないもの
10年前に何をしてた?
食べられない食べ物を
見つけてはそのままに
扉を閉める
いつか
変動式の賞味期限表示が開発されて
「賞味期限過ぎ1987.3+19.4」
なんて
表示するようになってくれればいいのに
僕は今よりもずっと賞味期限が好きになる