不動産収入 0
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女子大生を中心に、若い女性の間で、専業主婦を夢見る人が増えているそうです。理由は人それぞれでしょうが「キャリアウーマンは趣味の世界が持てず、本当に豊かな生活は送れなさそうだから」という言葉に、ある程度集約されているような気がしました。バリバリ働いて結果的に「負け犬」になるよりも、高級住宅地に住み、昼はレストランでランチを楽しみ、フラワーアレンジメントなどの趣味を楽しむような、セレブな主婦生活に憧れるようです。その新聞記事を読んで、法律事務所での法律相談事例を思い出しました。依頼人:専業主婦で子供ふたり、夫:医者どちらかと言えば、夫の浮気などが原因で、妻が離婚したいと訴える原告側に立つケースが多かったですが、このケースは、夫が離婚を希望しているのに、妻は絶対に離婚したくない、いわば被告側でした。出会いは、医者が集まる、お見合いパーティー。そのパーティーの帰りにはホテルへ。その後結婚にいたりました。子供ふたりに恵まれたのはいいけれど、いつしか関係はぎくしゃくし、夫から離婚を切り出されました。この場合、たいていは夫側に別の女性がいるのですが、そういうことは一切隠し通そうとします。そして妻に対し「家事はしない」「家は散らかり放題」「子供に対して虐待する」などなどを離婚理由に挙げ、離婚を迫ってきます。実はほぼ同じようなケース、私の知っている案件だけで、4件ありました。結果としては、1人目・・最初は妻は「夫をまだ愛しているから」と離婚を断固拒否する姿勢でしたが、さすがにありもしないことを言って妻だけを責める夫の人間性に嫌気がさし、離婚を同意。2人目・・夫は離婚を迫る上に、妻が結婚中に立て替えてあげた700万円は贈与だと言い張って返さないというので、妻は、離婚はしたくないが、そのお金だけは返せという反訴を起こし、係争中。3人目・・度重なる夫の離婚請求訴訟に対し、最初の訴訟は、夫敗訴確定。妻は何の落ち度もないからと半ば悠然と構えていたら、次の訴訟で、地裁は夫敗訴としたものの、高裁で逆転判決(ずっと別居しており、破綻主義をとったため)。なんと最高裁で、離婚確定。妻はあくまでも離婚拒否の立場だったため、離婚給付(慰謝料など)一切なし。4人目・・最初のパーティーの帰りに関係を持ち、すぐ妊娠してしまったための結婚だったので、最初から夫にほとんど甲斐性はなく、それでも妻は頑張ったが、弁護士が離婚を説得。どの事例もそうですが、弁護士は、どちらかと言えば、離婚を説得する立場でした。「そんな夫とずっと一緒にいて幸せ? 向こうが離婚をしたがっている今なら、たくさんお金がとれるから、離婚に同意しなさい」と。でもなかなか妻が同意しなかったのは、せっかく手に入れた「医者の奥様」というステータスに、しがみついていたかったのではないか、と思いました。私も約9年、専業主婦していましたし、専業主婦願望には、何も異論はありません。物騒な時代なので、子育てに専念したいという女性が増えているとしたら、むしろ歓迎という風潮もあるかもしれません。でも新聞でも警鐘を鳴らしていましたが、安易な選択をすると、その後の現実は決して甘くはないことを、頭の片隅にでも、わかっておいていただけたらと思います。最後にひとこと。上の事例はすべて男性が悪者みたいですが、決してそれが言いたいのではなく、どっちもどっちなのです。先生が「あんな奥さんなら夫が離婚したがる気持ちもわかるね」と言ったことも、たくさんありました。
2005/05/13
昨日のWライセンスの話で、昨年まで勤めていた法律事務所での、ある法律相談のことを思い出しました。その事務所では、メールや電話相談は一切受け付けず、正式に依頼する前の、対面式有料相談を基本にしていました。有料相談は1時間2万円と、比較的高い設定でしたが、多い日は一日2~3人の方がみえました。ほとんどの方は、有料相談のみで終わり、正式に依頼に至るケースは、そのうち1割程度だったと思います。その中に、月に3回も4回も有料相談にみえる方がいました。専業主婦のようなのに、それだけの相談料を払えるということは、相当裕福なご家庭なのだろうと思っていました。その方が帰られたある日、先生が言いました。「あの人のご主人、わりと有名な先生なんだよ」。聞けば、そのだんな様、本業以外に難関資格をいくつもお持ちで、その勉強法を紹介した本まで書かれている方。実は私も読んだことがあり、いたく感動したのですが、何とその奥様だったのです。相談内容を見てまた驚きました。その先生は、自分の秘書2名、その他別の女性の計3人と関係を持ち、自宅にもほとんど帰ってきていないということでした。自宅では「オレは神様だ。何をしても許される」と言っているとか・・・。大げさではなく、頭を思い切り殴られたような衝撃を受けました。私は幼い頃から、人間の裏側の汚い部分をいろいろと見てきたつもりでしたが、まさか偉い先生が、そんなことをするなんて、、、。でもきっとどこにでも転がっている話なのでしょう。他にもたくさん、普通では考えられない事例がありました。事実は小説より奇なり。法律事務所は、おぞましい人間模様が、数多く渦巻く場所でした。
2005/04/22
昨年末まで勤めていた、法律事務所の事件簿です。すべての事件は自分の目の届く範囲内で、という先生の趣旨で、弁護士ひとりと事務員ひとり、最少人数の事務所でした。抱えている事件の件数は、だいたい30前後だったでしょうか。(有料法律相談のみは別途1日2件ほどありました)ほとんどが離婚など家事事件でしたが、ひとつだけ特別に注目していた事件がありました。依頼者(原告):ある資産家の次女(50歳前後)・・A子相手方(被告):実の姉(長女)と、その夫 ・・・・B子とC夫簡単にいいますと、次女(A子)の知らない間に、自分の両親と長女の夫(C夫)が養子縁組をしていて、それをA子は事後報告で知らされたのですが、A子の言い分としては、その当時、両親はすでに重度の痴呆状態であり、養子縁組自体が無効だというのです。そして両親の遺した遺言も、故意に書かされたものとして、遺言無効訴訟も併合して争われました。夫婦であるB子とC夫が結託していたことは疑いないのですが、他の身内も加わって、かなり大きな訴訟で、先生も力を入れていました。ただ問題なのは、いずれも公正証書だったため、これを無効とする判決は厳しいのではないか、先生は当初、そう考えていました。でも判例を調べた結果、最近では逆転無効判決も多く出ていることがわかり、最後まで望みを捨てませんでしたし、私も無効判決を信じていました。しかし結論は・・残念ながら敗訴。原告の主張は認められず、すぐに控訴したのでした。その事件では、養子縁組届や遺言公正証書はもちろん、医師のカルテや筆跡鑑定など、たくさんの証拠書類を見ることができ、とても勉強になりました。しかしその後の行方は残念ながらわかりません。私も母と父の亡き後、身内の争いごとはそれなりに経験してきましたが、姉妹で争ったことは一度もありません。離婚訴訟なら、夫と妻はそもそもは赤の他人ですので、どんなに争っても割り切れるように思いますが、血のつながった兄弟の争いごとを生む遺産相続は、本当に醜く、そういう恐れのある場合は、そうなる前に、しっかりとした手続きをしておく必要があると痛感します。
2005/03/29
昨年末まで勤めていた法律事務所での話です。依頼者:妻(子あり)依頼内容:夫が家を出て、別の女性と同棲中。離婚を前提に話し合いたい。簡単にいえばよくある話です。夫には弁護士はついておらず、こういう場合、まず夫あてに内容証明郵便を出して、「あなたの奥さんの代理人になったので、今後の話合いは当職を通じて・・」などという文面を出していました。この程度なら弁護士事務所であれば日常茶飯事の事件なので、文面もほとんど決まり文句であり、一応内容は事前に依頼人にFAXなりで送って確認しますが、「先生にお任せします」という方が大多数でした。しかしこの方の場合は自宅にFAXがなかったこともあり、先生としてはよくある話だったし、本人に確認しなくても大丈夫だろうと、依頼から1週間後には相手方に送りました。そして翌日、事後報告という形をとったのです。ところが!すぐに依頼人から折り返し電話がかかってきました。「どうしてもう送ったのですか!そんな話は聞いていません!勝手に送られては困ります!!」さすがの先生も慌てました。すぐに管轄の郵便局に電話し、配達をストップしてもらうよう頼むことにしました。でも都内なので、翌日には配達は可能。すでに一度配達に行き「不在票」を入れてきたという返事でした。ただしまだ配達前であることは事実です。しかし郵便局側としては預った以上、しかも一度配達に行き、不在票まで入れてきた以上、どんな事情があろうともその郵便物の所有権はすでに宛名の人なので、それを回収することはできないと突っぱねられました。そんなすったもんだの末、結論を言えば、妻が夫に「ごめんなさい。弁護士が勝手に内容証明を送ってしまったようだけど、私にそんなつもりはないから、開封しないでね」などなどと話をしたらしく、一件落着?で終わりました。結局、別居してもちゃんと生活費を送ってくれるなら、離婚はせずこのままでよい、という妻の結論だったのです。もちろんその後委任契約は解除されました。先生としては反省材料だったようです。これまでは一歩踏み込んで仕事をすることは、依頼人に感謝されることが多かったのです。そもそもこの依頼人と先生の間に、どんな範囲の委任契約がなされたのかは私にはわかりませんが、先生としては当然範囲内だと思って、しかも1週間後という迅速な対応は感謝されるべきと思ってしたことが、依頼人にとっては「頼んでいない」ということであり、認識に違いがあったとしか思えません。「こんなことは初めてだ」としきりに言っていましたが、依頼者との連絡を密にすること、そして依頼された範囲をしっかり認識することの重要性を再確認した一件でした。少し話は飛びますが、どんな仕事でも、自分ではよかれと思ってしたプラスアルファのサービスが、相手には余計なことと感じることは、意外と多いのかもしれません。
2005/03/10
そもそも、民法第772条に「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する」という条文がありますが、これは「推定」されるにすぎません。つまりDNA鑑定によって明らかに親子関係が否定されれば、たとえ出生の日から1年以上経っていても、その推定は覆るのではないか・・・。私にとっては未知の世界でしたが、過去の判例などを自分なりに調べた結果、そんなふうにも考えました。ところで、初めて東京家裁の申立の窓口に行ったときは驚きました。番号札を引かされ、銀行と同様、タイミングによってはかなり待たされます。「待ち人数 20人」なんてことも、ざらにありました。明らかに個人で来ている人がほとんどで、調停や審判の申立をする人がいかに多いかという現実に、最初のころはとてもショックを受けました。さて申立から帰ると、まず先生に聞かれました。「受理してもらえた?」。やはり出生の日から1年以上経過していることを先生は心配していましたが、無事受理されたことを伝えました。まあ受付の人は、個人ならともかく代理人弁護士からの申立なので、それほど深く突っ込まないものですが。そして約2週間後、家裁より期日の連絡があり、その日、先生は意を決して出かけていきました。長くなりますので、結論を言えば、数回にわたる調停の結果、嫡出否認の申立は認められました。民間のDNA鑑定は信用性が低いため、正式な鑑定を受けるよう裁判所に言われ、相手方(この場合は妻と長男ですが、実質は妻)も応じたため、鑑定は無事終了、同じく「親子関係なし」との鑑定結果を得たためでした。そしてその後、離婚調停へと進みましたが、奥さんも離婚に異議がないため、争点は4歳の長女の親権でした。依頼人の男性としては、長女が母親に虐待される恐れもあるので(多少そういう気配があったようです)、長女は自分の手で育てたいという意思を持っていたからです。残念ながら、私は年末で事務所を辞めてしまったため、結論はわかりません。しかしお父さんがいなくなってしまった長男の今後を思うと、胸が痛みます。どうしてそこまでするのか、というsakuraさんのコメント、ありがとうございます。問題が難しすぎて、私がコメントできる立場にありません。しかも他のケースを全く知らないので、今回のケースでしか考えることができません。ただ言えることは、その依頼人の男性も相当悩み苦しんだ上の結論だったと思うのです。彼は普通の会社員で、私が見た限りでは、誠実そうな男性でした。しかし妻に裏切られ、挙句の果てに妻が不倫相手との子供まで産み、自分の子ではないのに籍に入れられ、今後養育しなければならない立場に立たされたとき、妻に対する憎しみが、罪のない子供に及んでしまっても、不思議ではないような気がします。嫡出否認が認められたときの先生は、本当に安堵していました。そして言いました。「民事の場合は法律の規定うんぬんよりも、当事者同士が認めていれば、それで裁判所も動いてくれるんだね」。事務所を辞めて2ヶ月以上が経ち、だいぶ気持ちにゆとりが戻ったせいか、こうしていろいろ学んだ事件について、振り返ることができるようになりました。一日中予備校の自習室にこもり、特に書くことがない日は、差し障りのない範囲で(設定も多少変えています)、少しずつ思い起こし、私の貴重な財産として、書き残してみようと思います。
2005/03/04
昨年まで勤めていた法律事務所での話です。その先生は弁護士として30年間、民事事件(主に家事事件)に携わっている、ベテラン弁護士で、仕事の面では、私の職業人生上、最高の勉強をさせていただきました。昨年の夏ごろ、ある30代男性が相談に見えました。おととしにも一度、奥さんの不貞(不倫)のことで相談に来たことのある人で、二度目の相談です。私はその相談に立ち合わせてもらうことはありえませんでしたが、先生の相談メモ(カルテとも呼んでいた)や、相談者が持ってきた資料は自由に目にすることができます。後日正式な依頼人となったその男性の相談とは、「4歳の長女は自分の子供に間違いないが、昨年生まれた長男は、たぶん自分の子供ではない!」というものでした。奥さんの不貞を知ったのは、2年ほど前。相手は妻子ある男性なのですが、奥さんは夫が夜勤の日に、その男性を自宅に連れ込んでいたのです。不審に思っていた依頼人の男性は、夜中に家に戻ってその男性を見つけ、その場で不貞を認めさせ、何度か交渉の末に数百万円の慰謝料を払わせることで決着しました。そこまでは弁護士抜きで進めたそうですが、生まれてきた子が自分の子供ではないのではという疑問が次第に大きくなり、今回の依頼となったのでした。しかもその依頼人は、民間の簡易なDNA鑑定で、自分とその子が親子である可能性は「0%」という証明書まで持っていたのです。ところがその子が生まれたのは約1年半前。それで先生は頭を抱えてしまいました。それは民法777条に「嫡出否認の訴は、夫が子の出生を知った時から1年以内にこれを提起しなければならない」という規定があるからです。さすがに長年家事事件を扱ってきた先生も嫡出否認は珍しいケースのようで、六法やさまざまな資料をめくっては、対策を講じていました。しかし結局一か八か、嫡出否認の申立(調停)を起こすことを決め、私は東京家裁に申立てに向かいました。昨年の初秋のことです。
2005/03/03
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