ザ・ゲーム(二章)


この方向で間違いないだろうか?一向に町は見えてこない。
僕は遠くに目を凝らした。緑の半透明の生物と黄色い半透明の生物が見える。この間のスライムの色違いか?少し近づいてみる。やっぱりそうだ。
あのにんにくを連想させる形。弾み方。要領はつかんだ。先手必勝だ。
黄色い方に切りかかる。一撃。緑の方が飛び込んできた。何とか刀ではじき返す。そしてもう一振り。楽勝だった。ようは中心の核を切ればいいのだ。
その核を拾い上げる。黄色い方にはコインが五枚。緑の方には錠剤が3つほど入っていた。色が関係あるようだ。この先にも応用できるだろうか?
それらをポケットに詰め込み先に進む。
それから少したつと町が見えてきた。空也が住んでいた町にどこか似ていてどこか違う。そこに足を踏み入れた。
中には空也の住んでいた町のように賑わっていた。だがみんな無表情だ。
どこか機械的。そう住民たちはプログラムなのだ。その中で一人目立つ人がいた。そいつは人間的だ。
そうだ。このゲームに参加してるのは僕だけじゃないはずだ。
期待感からか僕は小走りでその人に近づいた。
その人の手には天使の羽を象った杖が握られていた。そして魔法使いのローブのようなものを着ている。向こうもこちらに気づいたようだ。
「あなたもこのゲームに参加してるんですか?」
僕が聞いた。
「ってことは君もこのゲームに巻き込まれてしまった・・・のかな?」
透き通った声だ。とても綺麗な声。女の人だ。とても美しい人。
「あ、はいっ。」
僕は顔が赤くなるのを感じた。
「あたしは莉那。白金莉那(しろかねりな)よ。あなたは?」
「僕は風霧空也です。ぁ、ぁのよろしくおねがいしましゅ」
噛んだ。
「ぁはwよろしくね」
そういって莉那は手を差し出した。テレながらも僕は手を握った。
とてもやわらかかった。
僕はこれまでのことを少し話した。小包のこと。この世界のこと。
莉那は話してくれた。自分が癒しの魔法を使えるってことを。
「あたしは・・・ずっと逃げて来たわ。癒しの呪文では不利だもの。」
納得した。そして思いついた。
「一緒に行きません?僕が攻撃役で莉那さんが補助してくれれば・・・」
僕はとても旅が楽しくなると思った。
「莉那でいいわ。そうね・・・一緒に行けば空也くんもあたしも安全だわ。」
納得してくれた。僕は思い出した。
「あ、あのお店ってこの町にありますか?」
僕が聞いた。
「あるわよ。そこの角を左にまがったところよ」
凛とした声で莉那が言った。
僕は莉那には宿屋で待っていてもらうことにして道具屋に向かった。
道具屋にはいろいろなものが売っていた。怪鳥の羽。獣の牙や爪。もちろん錠剤や薬草など、そして武具。
僕は武具をみていた。
その中で僕はひとつの篭手に目が釘付けになった。
表面に施されたされた龍の彫刻そして龍の爪をかどった先端部分。
刀と共鳴しているような気がした。値段を見た。
『処分品 6ペリカ』
僕の所持金は丁度6ペリカ。
迷った末にそれを買った。昔から装備していたように手になじむ。
刀も喜んでいるようだ。紙切れ一枚になったポケットは妙に軽く感じた。
莉那が待っている宿屋に行く。
莉那が御代を払っておいてくれたみたいだ。
二人部屋。莉那と二人?
僕はドキドキして部屋にはいった。莉那はローブを脱いで、着替え終わっていた。・・・制服?
それは赤いチェックのスカートにクリーム色のブレザーとても似合っていた。


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