ザ・ゲーム(3章)


「そんなにジロジロ見ないでw恥ずかしいw」
莉那はそういった。僕は無意識に見つめていたのだ。
顔がさーっと熱くなるのを感じた。
「ぁ、あのごめんなさい」
自然と謝ってしまった。
「ううん。それに・・・敬語はやめてよw仲間なんだからww」
彼女の笑顔はとても美しくて・・・って。
なにいってんだ僕は。
外は少しずつ赤く染まってきていた。
「この世界の1日って現実世界の1時間なんだよ。だから明日の朝・・・現実では1時間しかたってないんだけどね。朝になったら強制的にもどされるわ。」
彼女がいった。
そうか。そうだよな。おかしいと思った。もうとっくに1時間はたってるはずだもんな。僕は心の中で納得した。
「だから明日のPM8時になったらまたここに飛ばされるの。その点は覚悟しておいたほうがいいわ。」
僕は彼女の言葉をぼーっと聞いていた。
外はもう月が昇り星がきらめいていた。
普段の僕ならこの世界と現実世界両方で寝られるんだ!ラッキー!と思っていただろう。しかしいざそうなってみると生活のリズムが崩れるような気がした。そんなことを考えているうちに僕はいつの間にかまどろみの世界に引き込まれるように床に就いた。

僕は気づくと家のベットに寝ていた。
時計を見る。PM9時。ジャスト1時間だ。
そして向こうの世界で起こったことの余韻につかった。
変な生き物のこと。時間のこと。莉那のこと。
ふと小包に入ってた冊子に目をやった。
その見開き一ページには地図が描かれていた。最初は真っ白だったのに。
僕が歩いた道には赤い線が引かれている。
次のページには僕の所持金や所有物が表記されていた。
その次にはモンスター図鑑だろうか?あの変な生き物と生き物の説明が書いてあった。
いままでのことが夢じゃないことがわかった。
莉那のことも。いつもの20倍は疲れてることに気づいた。
ぼくはその場で倒れこむように寝てしまった。


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