11章


20体を超えても入手できないので町から少し離れたところに探査に出かけることにした。
町より北上していくと切り立った山脈が見えてきた。
山脈方向の道は街道となっていた。
いくらほど進んだだろうか?道のりはあまり危険ではなくスライムや小型のねずみなどのモンスターしか現れなかった。
山脈のふもとの付近を探査していると山の南側に位置するところにあからさまに怪しい神殿のようなものを見つけた。
「ここ…あからさまに何かありそうだわ」
莉那が言った。
「入ってみよ」
僕は唾をゴクリの飲み込むと後に続いた。

神殿の中は一定間隔に燭台が備え付けてあり明かりに困ることは無かった。
RPGでは王道な動く骸骨や甲冑は出てこないようで安心して歩いていると
何かに足をつかまれた
「ふぇっ」
僕は情けない声を上げる
足元を見ると骨のように痩せこけた色の白い手・・・いや骨だ。
あわてて腰から刀を抜いて手を切り払うが体と手で別々に動き出した。
莉那は驚いて腰を抜かしているようだ。
絶体絶命
僕は莉那をかばいながら骸骨野朗に切りかかった。
しかし刀はむなしく弾かれた。
骸骨野朗が手を振り上げたと思った瞬間骸骨野朗がガラガラと音を立てて崩れ落ちた。
「ふぅ、危なかったわ」
これも王道である。骨やゾンビには回復魔法でダメージを与えられるって奴だ。莉那もそれを心得ていたらしく間一髪で詠唱を終えたのであった。
骸骨野朗は消えてなくなっていたがその残骸のあるべきところに
銀色の硬貨が散らばっていた。
それを莉那と分けると皮袋に入れ奥に進んだ。
それ以降も骸骨野朗は出てきたが莉那の回復魔法によって奮闘むなしく崩れ落ち床に銀貨をぶちまけ消えていくのであった。



奴等の知能はあまり高くないらしく気づかれずに木造の建物につくことができた。表口にはミノタウロスが二体槍を携えて待ち構えているので
裏口を探してみる。
案の定裏口を見つけた俺は零を手ごろな機につなぐと頭をなでてやりてこっそりと中に入った。
中は場にそぐわぬ西洋風のダブルベットやソファー、クローゼットなど明らかにココらへんのものではない、
そしてあえて言うとどこかの城のお姫様の部屋のような印象を受けた。
ベットの上をよく見るとふかふかの掛け布団の下に安らかな寝息を立てている少女いた。
と、そのとき
見張りのミノタウロスの一人が見回りに来たらしくドアをあけ入ってきた。
俺を見つけたミノタウロスは槍をこちらに向けてつっこんできた。
俺はなんとか杖で受け流すと杖の頭でミノタウロスの後頭部を叩いたが痛がるそぶりもなく槍を振り回してきた。
すると
「やめなさいッ!」
と、多少上ずった感じの少女の声が聞こえた。
ミノタウロスはうろたえた感じで手を止めた。



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