浜松らんちう飼育日記
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浜松らんちう飼育日記(2010.2.4-3)初期の選別方法について今日までの3日間で、我が家の産卵(採卵)、孵化、餌付けの方法について、その概要を書いてきました。餌付けから2週間も経つと、初期の選別が始まります。例年、3月は1回目、2回目の選別が集中し、非常に忙しい月となります。したがって、その時期に、このブログ上で、選別について纏まった話を書く余裕は無いと思います。したがって、時期的に少し早いですが、今日は、我が家の初期の選別等について書いてみたいと思います。1.1回目の選別(1) 1回目の選別は、餌付け開始後12日目~17日目あたりに、 産卵日から数えると、17日目~22日目あたりに行います。 (2) この頃の稚魚(青子)のサイズは概ね1.5cm~2.5cm程度に 育っています。このサイズになると、体の形状、尾開きの状態、 泳ぎなどをはっきりと見て取ることができるようになります。 餌付け開始後12日目以前では、尾芯などの細かいところが 分かりにくいことがあります。17日目あたりを越えると、数が 多すぎて、稚魚が大きくなれません。したがって、理想を言うと 15日目あたりが一番良いように思いますが、上記の期間で あれば、問題は無いと思います。(2) 選別は暖かい風の無い日を選び、屋外で行います。3月とは 言え、屋外ですので、水温が直ぐに下がってしまいます。又、 風が吹く日は洗面器の中の青仔の姿が揺れてよく見えません ので、風の弱い日を選びます。この時期だけは温室があれば 良いなあと思います。(3) 選別の手順及び要点は次の通りです。 1) 青仔を洗面器に掬い取ります。掬い取った青仔は洗面器の まま、近くの水温管理のしてある池にエアーを入れて浮かべて おきます。 2) 青仔のいた池の掃除、水換えを行います。水温は、この時期 であれば20℃程度なので、その水温に調整しておきます。尚、 水量は選別時に洗面器で掬って使いますので、通常よりやや 多めにしておきます。 3) 選別は1mぐらいの高さのある棚の上で行います。立ち姿勢で 行いますので腰が疲れません。選別に使う道具は洗面器45cm が2枚、40cmが2枚、20cmが2枚、選別網10cmが1本、 5cmが1本、2.5~3cmが1、2本です。後は、数を記載しておく ためのメモも用意します。 4) 作業の手順は概ね下記の通りです。 イ.池に浮かしてある青仔の入った洗面器から、青仔を適量(1000 ~2000尾程度)45cmの洗面器に移し、選別棚に運びます。この 洗面器の選別が終わったら、再び池から次の1000~2000の 青仔を掬い、選別作業を繰り返します。 ロ.5cmもしくは10cm網で、選別前の青仔を15尾程度掬い、20cm の洗面器に移し選別を行います。20cmの洗面器2面を交互に使う と水面の揺れが速く治まり作業が捗ります。 ハ.合格魚は40cm洗面器へ、不良魚は45cm洗面器へと移します。 選別ポイントは下記で、別途述べます。 二.40cmの洗面器に入れてある合格魚の数が約200~300に なったら水換えした池に運び、洗面器のままエアーを入れて、 浮かべておきます。別の40cmの洗面器に新水を汲み、次の合格魚 用に使います。尚、浮かしたままとなる合格魚の入った洗面器は、 次回の合格魚が来た際、池に放します。この間に水温が同じに なっています。 ホ.全ての選別を終えるまで、上記の作業を繰り返します。この1回目 の選別時には、7000~10000の青仔がいますので、作業時間は 3時間~4時間程度掛かります。尚、合格魚は通常は1000~2000、 質が高いときは2000~3000程度拾います。この選別では、20~ 30%の数を拾えれば合格、それ以下では不合格と考えています。 5) 選別のポイント イ.下記の欠点を持たない魚を合格魚として拾います。下記の欠点を ひとつでも持つ魚は不良魚として跳ねます。尚、我が家では、良い ものを拾い出すという方法で選別を行います、人によっては悪い ものを撥ねるという方式で行っている人もいます。同じように、 思われる方がおられると思いますが、前者のほうが厳しい選別に なります。 ・ 上から見て、体が左右に曲がっているもの ・ 尾開きが不十分なもの(どの程度が良いのか判断基準をここで 述べるのは難しい、身近なベテランに聞くのが手っ取り早い) ・ 尾芯が綺麗でないもの(つまみ、芯太)、三つ尾は撥ねます。 我が家では綺麗な4つ尾のみを合格とします。 ・ 真っ直ぐに泳げないもの、洗面器の淵ばかり泳いだり、底を這う ように泳ぐものは撥ねます。上下に頭を大きく振って泳ぐものも 不良魚です。 ・ 先天的な欠陥を持ったもの、たとえば、背びれがあるもの、鮒尾、 目が上を向いたカエル目などがこれに当たります。これらの先天的 な欠陥を持った魚が同じ腹から多量に出る場合は、その腹の仔 全てを流すのが、後々のことを考えると得策です。我が家では、 系統維持のために、先天的遺伝は必ず排除するようにしています。2.2回目の選別(1) 2回目の選別は、1回目の選別の1週間後に行います。この時期の 青仔は数を減らすと日増しに大きく成長しますので、我が家では3~4 日後に2回目の選別を行うことがあります。この時期は餌を増やす のでは無く、1池あたりの飼育数を減らすことにより、魚を成長させて いきます。青仔、黒仔を大きく育てるひとつのポイントです。(2) 選別の手順や容量は、1回目とほぼ同じです。ただ、青仔のサイズが 大きくなっていきますので、選別用の洗面器や選別網のサイズを一回り づつ大きくしていきます。(3) 2回目の選別では概ね約50%の尾数が合格魚として拾えるはずです。 質が高くてそれ以上の数が拾える場合には、池を分けてやります。(4) 選別ポイントは、1回目と基本的には同じです。1回目に見えなかった 欠点もしくは出なかった欠点が、成長に伴い新たに見えてきます。3.3回目の選別(1) この3回目の選別も、通常は、2回目の選別の1週間後に行います。 この選別を行う頃には、餌付けを開始した日から約1ヶ月が経過して います。もうこの頃には鱗が生え、黒仔と呼ぶ段階に入ってきます。(1) 選別のポイントは、基本的に、前回までと同じです。ただこの頃から 背から腰にかけてのラインが丸みを帯びて来ますので、そのラインの 流れに違和感のあるものは不良魚として撥ねます。背腰のラインに 凸凹があるもの、筒と尾の付け根の間に凹みのあるもの(止め、Rなど) 等が典型的なものです。この頃になると、体が大きくなり、尾付けの狂い なども分かりますが、真っ直ぐに泳いでおれば、急いで撥ねる必要は ありません。選別の基本は体形のバランスが良く、泳ぎが綺麗で、尾形 の良いものを優先的に残していけばよいと思います。(1) 3回目の選別で拾える(このあたりからは拾うといったほうがいいかも しれません)数は2回目の約50%です。1回目、2回目の選別が的確 に行えておれば、これ以上の数が拾えますが、良い魚を作ろうと思えば、 数を減らさなければなりません。したがって、合格ラインにいる魚で あってもより良いものに絞り込んでいくという考え方がこの回あたりから 必要となります。4.4回目の選別(1) この4回目の選別で、らんちうとしての基本形が出来上がります。 したがって、この回の選別では、数多く残った腹の仔は、全体の質が 高く、秋までに良い当歳魚が数多く出ると思います。したがって、 これ以降の選別ポイントは、前回までと少し変わってきます。質の高い 腹の仔は、厳しくみても、これからの選別ではあまり減りませんので 池数を増やして行きます。逆に、質の高くない腹の仔は、質の高い グループの仔に比べて見劣りしますので、どんどんと池数が減って 行くことになります。これも大きな意味で選別だと思います。限られた 飼育環境の中で、どの腹の仔を主体に残すかという全体の中での 選別を行うわけです。(2) 今回は初期の選別ということで、3回目までの選別について主に 書きました。順調に行けば、4月にはいると、この4回目の選別を 行っていると思いますので、その頃に改めて4回目以降の選別に ついて書く機会が来ると思います。5.留意点(1) 選別というのは、誰にでも簡単に出来ますが、人により判断の基準 が大きく異なります。欠点を素早く指摘できる人が必ずしも良い魚を 作れるとは限りません。欠点を見抜く目と同時に先々を読む眼力が無い と、誤った選別をいてしまうことになりかねません。よく、良いものを捨て、 悪いものを残すと言われますが、見方によっては実際に起こることだと 思っています。又、選別は数多く自分で実践してみて初めて、何かが 見えてくるものだと思っています。兎に角、研究と実践の繰り返しが 大切と考えています。(2) 今回は、各回の選別において残す尾数を%で標準的な値を 述べましたが、実は選別以上に大切なのが、この日齢別飼育数なの です。前にも記述しましたが、らんちうは水(換え)で育て、飼育数を 減らすことにより、立派に育つと実感しています。我が家では、過去の 経験から、日齢別の標準的な飼育数を決めてあり、概ねそれに沿った 数で飼育すると共に、池割を考えるようにしています。何でもかんでも、 数多く飼えば良いものが出来るという世界ではないと思っています。 今回をもって、3月頃までに、我が家で主に行う作業について書き 終えました。読んでいただきありがとうございました。 尚、今回は取り急ぎ、要点のみを書きましたので分かりにくことが 多かったと思います。そのような場合には、ご遠慮なくご質問なり ご意見をいただきたいと思っています。 以上
2010.02.04
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