昆虫倶楽部リターンズ 岡山矢掛編

昆虫倶楽部リターンズ 岡山矢掛編

2012/11/13
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橋下徹には誇りがない。
恥も、知らない。
他者の言葉の揚げ足取りに長け徹底的に攻撃する割には自分の失言や誤った見解に関してはまともな謝罪もせず反省もなく二枚も三枚も舌を持つかのこの人物の放蕩を、日本国民が許す現状こそが、この国が病んでいる証拠だ。
安藤鶴夫という作家がいた。
彼は、子供の頃、父親の職業のせいで、転校した私立帝国小学校のPTAの母親たちから、差別を受けた。
この経験は安藤少年の心を深く苛み、父親の芸名が書かれた表札を、溝に投げ捨てさせた。
父親は、義太夫の大夫であった。
しかし彼はやがて大学生になると、文楽の世界に足を踏み入れ、人形遣いの門下に入る。
そして在学中の仏文科の教授に、大学での文楽講演会を提案した際、教授から、 「国文科ならわかるが、なぜ仏文科がやるのか」

「いや、仏文科の学生も日本人です。日本人が、日本の伝統芸能・文楽の講演に尽力するのは、あたりまえじゃありませんか」
と説得し、予算を出して貰った。
その後文楽の大夫と親交を深め、文楽の世界に心酔していった。
彼が、文楽をこよなく愛した証であるところの宝石のように美しい文章が散りばめられた評論の数々は、いまも多くの文楽ファンに読み継がれ語り継がれている。
いま、補助金を巡り橋下徹は文楽を批判し続け、彼の支持者たちもこれに賛同する。
この国の病巣を見る思いがしてならない。
文楽は、世界的にも評価が高い日本を代表する古典芸能である。
日本が世界に誇るべき伝統文化を、日本人が、潰しにかかり、国も自治体も、それを止めない。
国民すらも何が悪いかわからないから、補助金に頼るなと言い出す輩が出る始末だ。
いまの日本人は、日本人であって、日本人の誇りを忘れかけている。
そうでなければこんなことは起こらない。

参考資料 文楽 芸と人 安藤鶴夫(朝日新聞社刊)





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Last updated  2012/11/13 06:03:48 AM


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