昆虫倶楽部リターンズ 岡山矢掛編

昆虫倶楽部リターンズ 岡山矢掛編

2020/10/06
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今年の8月に
関西で撮影中にいきなり制止がかかり
撮影の中断を余儀なくされ
そのことを現場から遥か遠く離れた関東の人間が
その場に居合わせてもいない人間が
あたかもはじめからなにが起きるかを予見していたかのようにSNSで迅速にそのことをあげつらった

ただし予兆はその一ヶ月前の7月に関東であった
通常ならあり得ない撮影スタイルに関する規制が一方的にかけられた
撮影の根幹にかかわることにもかかわず撮影者に相談はなく何度問いかけても決まったことだと繰り返すのみだった

主催がカメラマンに求めるのは明るくクリアな写真を撮影すること
暗い不鮮明な写真を撮影したら文句を言われるのが、普通
この特異なケースは初めてのことで戸惑った
当然ながらその要求は呑めないと拒絶した
呑めない理由を幾つか投げかけたがこれに対して一切の返答はなかった
それから約一ヶ月後の関西の現場で
東京の興行主催に言われたのとまったく同じクレームを一期一句同じセリフで撮影中に振りかざされ撮影中断を余儀なくされた
なぜ、関東の興行の主催側とのメッセンジャーでのやりとりを知らないはずの人間が、同じ台詞を投げたのか
あまりにもわかりやすいタイミングの一致に戦慄が走った
それを気づかない振りをするのに精神をすり減らした

満足な写真は一枚も撮れなかった


疑うことを知らない私が悪かったのか

確かに私はプロレスの撮影を初めてまだ8年目の初心者に過ぎない
されど7年の歳月は私なりに血を吐く思いで培った7年だった

憤懣やるかたない思いが頭から離れず

ショックで涙が止まらず眠れなくなり仕事もミスを重ね疲れがピークに到達したときのこと


私は私を消してしまいたかった
近鉄特急がホームに入ってこようとしたとき1歩前に足を踏み出そうとした矢先スマホのライトが点滅をした
岡山の社会人団体の代表からたまたまLINEが入っていた

誰もいない深夜の駅のホームのベンチに座り込んで泣いた

軽いうつの症状に陥っていたかもしれない

先週末10/3岡山駅東口でプロレスを撮影することになり
怖かった
本当に怖かった
現場に行けるか
土壇場で断られたりするのではないか
撮影中にトラブルが発生したらどうしようか

常になんらかの不測の事態につきまとわれていたがゆえに疑心暗鬼に陥っていた

きっとまた、うまくいかないに違いない


けれども

現場に着いたらいつものように代表がにこやかに近づいてきてくださって、主宰者に顔を出すにも同行してくださった



大会が始まる直前
見知った岡山の漢たちが遠く近くリングを取り巻く
頼もしい顔また、顔を盗み見ていたら気持ちが落ち着いた

ここでは、なにも起きない
ただ、プロレスを撮るだけで、良い

ただそれだけ

それが、私の生きがいだったと、岡山の撮影現場が思い出させてくれた

後楽園ホールで観たハヤブサを彷彿する飛翔を岡山駅東口で映す未来を確信出来るほど夢想家でも自信家でもない私がこの画を捉えてどんなに嬉しかったか想像して欲しい
誰もこの先どんな未来が待っているかを知る術がない
だがいまがどんなに死にたい位辛くてもとりあえずは生きなくては

理不尽に負けても良い
諦めても良い
泣きたければ泣けば良い
逃げ出しても構わない

けれど死ぬな

自分で自分の命の寿命を切るな

人生を投げるな

成功しなくてもたいそうな幸せを掴めなくても
それでもささやかな喜びはもたらされる

神様は気まぐれ

少なくとも生きていれば
生きてさえいれば
誰の人生にもささやかながらに思いがけないサプライズが用意されている

それだけは、確かだから





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Last updated  2020/10/11 06:09:29 AM


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