いとこが、目覚めない人になってしまった。
かろうじて、人である。
生きている。
間違いなく、生きている。
自分で息をすることも、寝返りを打つこともできない。
だが、生きている。
40度の高熱と戦っている。
痛いとも、苦しいとも声にできない。
身体は苦しんでいるのに、
頭は苦しくも何ともないらしい。
だから、脂汗をかき、苦しんでいるのに、
表情は平静である。
眠っているのである。
ただ、蹴っても、殴っても、起き上がることはない。
いとこと私、
仲がよいわけではない。
むしろ、犬猿の仲。
歳がひとつしか違わないだけに、
ライバル心もあったりする。
ひとつ先を行くいとこ、
偉そうに大人ぶって、叔父さんやら、叔母さんのこと、
○○さん、なんて、名前で呼んで。
私など、いまだに、叔母ちゃん、とか、
○○ねーちゃん、とか、呼んでる。
当然だけど、就職も先。
不器用ながらも、地道に働く。私はというと、へろへろと、病気をしたり、
体調を崩したり、転職も度々。
ものの言い方が偉そうなのはお互い様。
ただ、たかだか、ひとつ違いで、偉そうに言うなよな、ってのが、私の言い分。
つられて、偉そうになるのって、仕方ないでしょ?
あまり、話をすることがなかったってのもあるけど、
私は、あなたのこと、ほとんど知らない。
知らない上に偉そうだから、
嫌いです。
これまた、お互い様でしょ?
そして、ますます嫌いになりました。
あなたのことを支えに生活している叔母ちゃんを置いて行こうなんて、
どうかしてます。
あなたという支えを失くそうとしている叔母ちゃんを
見ているのがどんなにつらいか。
弟たちに、こんな苦しさを与えるとは。
弱っていくのを見守るしかない私たちの苦痛。
あなたは、目覚めることがないかもしれないけれど、
私たちには、明日がある。
あなたのいない明日が来ることの恐怖、
想像するだけで、つらい。
昨年、大切な友人を失くした。
いとこと、まさしく同じ状況。友人のお母さんは
「3ヶ月がんばってくれた。親孝行でしょ?」
いとこと叔母にもお別れするために時間が必要かと思う。その分だけは、がんばって欲しい。
どこかで吐露せねば、
つぶれそうだったので、ここで吐いてみた。