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逃げ場

逃げ場

高校卒業と同時に北海道を出た。

実家を出たくて出たくてしかたがなかった反動が、私を道内に留めることなく関東まで押し出した。

実家を出て、北海道を出て、得るものは非常に多かった。出てよかったと本当に思う。
海外に行って、日本をきちんと見るようになったように、
関東に来て、北海道や地元や実家をきちんと見れるようになったから。

大学時代は、近所の人に帰省すると「卒業したら帰ってくるの?」
なんて言われていたけど、今となっては「すっかり東京の人になっちゃたのね」と言われる。

当然の事ながら、離れる時間が長くなればなるほど、
地元という場所に居場所がなくなるのを感じる。

それを、「寂しい」と感じた瞬間もあったけど、いつの頃からか割りきった。
私にとって、地元は、帰省する場所であって、住む場所ではなくなってしまった気がする。
実家があるから、地元に帰るだけ。

そして、いつの頃からか私は、この実家を「逃げ場」として使うようになっていた。
東京で嫌なこと、辛いこと、そして悩みで、ココロが追い詰められ時、
そんな時と、毎年数回帰省するその時期が重なり
「また、私は実家に逃げ帰ってきたよ。」と思うようになった。

実家に逃げ帰ったとしても、結局何も変わらない。
問題は、そのままに東京に残っているけれど、
堂々と「帰省」という名の元に、その問題から「場所」というものを離すことができることが
私のココロのバランスを取るのに、必要不可欠となったとき、そこは「逃げ場」となった。


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