しあわせのかたち

しあわせのかたち

2006/03/10
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 花粉がひどくて仕事する気力がまったくわかない。


 ストレス解消に買い物でもするべえとAmazonを回って、 こちら を予約。カエラ好き属性ではあるのですが、主な目当てはもちろん白井ヴィンセントだぜ。

 つばカッター&微笑み返しサイコー。

      ※

 この週末は、リスペクトしている物書きののひとり、町山智浩が「見るべし」と推薦している 『ホテル・ルワンダ』 を見に行こうかと思っている。
 粗筋や歴史背景の紹介は こちら
 町山の推薦の言は こちら を参照。

 映画は10年前にルワンダで起こったフツ族とツチ族の虐殺劇を舞台にしており、そこで職業倫理を貫いて1200人を守ったあるホテルマンを主人公にして描かれている。

(上記町山のブログより引用)



 つまり「どんな客も差別しない」ということ。接客業では、店内に入ってきた人を、たとえ客でなくても、どんな服装をしていようと、どんな人種だろうと、基本的にお客様として取り扱うよう教育される。もちろん「他のお客様のご迷惑になる」時は出て行ってもらうこともあるが、「追い出す」のではなく「お帰りいただく」わけだ。

 ルワンダは国家をあげて虐殺を推進し、キリスト教教会でも虐殺が行われた。

 国家や民族や宗教が、隣人への差別と憎悪を押し付ける時(戦争時はたいていそうだ)、

 ポールさんは職業の倫理だけに従うことによって、多数派から独立した判断を貫いた。

(中略)

 ポールさん自身は英語版DVDの付録で『ホテル・ルワンダ』を見た人に求めることとして次のように言っている。

「ルワンダを教訓にして、この悲劇を繰り返さないで欲しい」

 つまり、ルワンダへの寄付ではなくて、あなた自身の生きる場所でルワンダの教訓を活かせ、と言っている。


(引用終了)

 町山は映画館で購入できるパンフレットにも「解説」を寄稿しており(この映画の公開のためにそのほかいろいろ尽力してきたらしい)、その最後の一行に 「日本でも関東大震災の朝鮮人虐殺からまだ百年経っていないのだ」 と書いた。

 そのひと言について「なーんだ、町山って“ウリはいつでも被害者ニダ”の人なんだ」と思ったブロガーがいたようで(町山の父親は韓国籍)、「中等教育は受けたのか?」と町山に反論を喰らっている( こちら )。

 平たく言うと、素人ウヨDQNが宝島出身の元祖サブカル保守論客相手に(準備も覚悟も素養もないまま)ケンカを売り、逆に馬乗りになられて(言論で)ボコボコに殴られた、ということのようだ。

 一部コメント欄で「町山は大人げない」なんちゅう意見があるようだが、まあネットでの批評で大人げないもヘッタクレもないわな。戦闘力の差が圧倒的なのは、別に町山のせいじゃない。



 このホテルマン自身が固執し、1200人の命を救った価値観とは、平たく言えば「誰が使おうと1ドルは1ドルである」という資本主義イデオロギーだ。その根底には人権思想が流れており、そこには旧来の価値観である「人種、民族、宗教」といった人間区分方式ではなく、「客とサービスマン」という区分が採用されている。

 私自身は人権思想に疑いを持つ者ではあるが、民族的虐殺への対抗理念として、いまこの世界が持ちえている「使えそうなイデオロギー」は人権くらいしかないだろう、ということも承知している。

 ここが難しいところであり、かつおそらく町山自身も持っているであろうジレンマとして、「人権だってそうたいしたもんじゃないけどな。でもしゃーないな」という思いがある。

 人類史における虐殺と呼ばれる事件のほとんどは、ある支配的イデオロギーの「正義」により駆動されている。正しいと思うからこそビシバシと人を殺せるわけだ。



 哲学は約2500年間それに悩み続けており、決定的な回答に至ってはいない。「よりマシに」という願いのもとに唱えられた人権思想でさえも、そうした虐殺をイラクやアフガニスタンで見せつけてている。

          ※

 最近私は米国で4年連続エミー賞を獲得した『ホワイトハウス』(米国名『The WEST WING』/スカパーで放映中)にハマっている。米国大統領とそのスタッフの日常を描き出したドラマで、なかなか見ごたえがある。

 そのなかで印象的なシーンがあった。
 大統領と個人的に親交のあった軍医の乗る輸送機が、ヨルダン上空でシリア軍の命令により撃墜される。報復攻撃を検討する参謀本部に対し、激昂して「徹底的にやるべし」と命令をくだす米国大統領。

 興奮する大統領は補佐官に対し、語る。

「二千年前、ローマ市民は世界中どこを歩いても彼を傷つける者はいなかった。なぜならローマ市民を傷つけた者は、必ずそれ以上の報復を受けると世界中に知れ渡っていたからだ」

 ローマ市民が安全に世界中を歩き回るためには、カルタゴを初めとする周辺諸国の虐殺が必須であった。理想に燃える為政者の願いは、より多くの犠牲者の上にしか成り立たない。

「世界中を安心して歩き回れる」などというユートピア思想を捨てないかぎり、虐殺はなくなならない。早大教授の文学者、松原正は「人間が人間であるかぎり、正義のために人間を殺し続けるだろう」と書いている。

     ※

 上記の論戦についていろいろ考えているうちに、「アップするからにはパンフレットの解説くらい見といたほうがいいだろうなあ」と思って、いま買ってきて目の前にある(映画はまだ未見)。


(町田の解説全文を読みたい方は こちら をどーぞ)

 ふーん、なるほど……。
 こりゃ確かに意見が別れるだろう。最後の一文(「日本でも関東大震災の朝鮮人虐殺からまだ百年経っていないのだ」)に違和感を持つ人もいるだろうなあ、とは思う。私は持たなかったけどね。朝鮮人虐殺に抗った鶴見警察署長の 逸話 などが想起されたし。


 私はルワンダ内戦に関して朝鮮人虐殺の例を引いたのは、妥当だと思っている。両事件の内実を知れば知るほど「違い」が気になるという気持ちはわからないでもないが、そもそも比喩や例題や想起というのは、ある程度の飛躍を内包しているもんだ。
 まあこの件は、映画を見終わってからまた何か書くかもしれない。


 私の探しものはまだ見つかっていない。

 本件に関して「どういう感想を持つかは個々人の自由」とか書いちゃってる人がいて微妙に痛いんだけれども、町山が問題視しているのは「(否定的な)感想を持つこと」じゃないよ。準備も覚悟もないままに「感想を表明する」ことにより、他者を傷つけることに対して怒っているのは明白です。そこんとこ間違えないようにね。

 叩くなら叩き返される覚悟くらいは持つべきで、その点については100%賛成。
 叩いている自覚がないのが一番やっかいなんだよね。





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Last updated  2006/03/10 04:12:45 PM


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