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Happy Nail
尿路感染症(2回目)
元旦の夜、みんなで集まることになったので、
我が家は一家揃って義実家へ向かう。
義母と義妹が仕度を進める中、
うちらは義父と歓談?しながらおせち料理とお酒を頂く。
やがて刺身やら鍋の用意が整い、席に着こうか的な流れになる。
息子は義実家の人たちの間を一通り抱っこし回されていて、
ようやく私の元に返された。
ん???
なんか、この子震えてる気がする・・・。
あ、熱い!!!
ウチはあまり裕福ではないため、自宅には発泡酒しかない。
義実家の人々は、揃って酒好きなため、
ここには色んな種類の高いお酒が常備されている。
食前から飛ばし気味に飲んでてすでにいい気分になっている旦那に
慌ててその旨を報告。
息子のデコを触った旦那も熱いと感じたらしく、
すぐさま体温計をかりる。
リビングにつながる座敷では、宴が始まり鍋に火が付けられていた。
体温計がピッと鳴り、表示を確認。
さ、39度超!?
もう一度計る。変わらない。
その時息子は私が抱っこしていたにだが、
息子の震えがだんだん激しくなる。何なんだ。
こ、恐い・・・。
とりあえず、ミルクを作って飲ませたところ、
ガクガク震えながらもゴクゴク飲む。
食欲はあるらしい。機嫌も、悪くはない。
ココに来るまでは、熱もなく、風邪をひいているわけでもなかった。
息子が生まれてすぐかかった尿路感染。
その後経過が順調で問題なかったため、
予防的に飲んでいた抗生剤は先月やめた。
もしや、再発???
まだこんなに震えていると言う事は、
まだまだこれから熱が上がるのだろうか。
それだけが心配だ。
お正月のご馳走に後ろ髪引かれつつも、私達は救急病院に向かった。
さすが元旦。世間の病院は休んでいるからか、
正月早々すごい人だ。
受付を済ませ、しばらく待つ。
義実家を出るまえに、待ち時間の確認のため事前に問い合わせ、
その時、そちらにかかってます、と一言言っといたのが良かったのか
(これは職業看護士の義母のアドバイス)、
思いのほか早く呼ばれた。
息子の熱は40度を超えていた。
前回尿路感染にかかったことを告げ、優先的に尿検査をしてもらう。
そのほかに、季節的に流行っていると言うことで、
インフルエンザの検査もされた。
まだ小さな息子には太すぎるように思える綿棒が、
息子の鼻の穴に突っ込まれる。
息子はもちろん大泣きで激怒している。
しかしこれはどーしようもない。
息子にはおしっこパックが張られ、尿検査に出す尿が溜まるのを待つ。
持参したミルクをしこたま飲ませ、尿を検査室に提出する。
しばらく待ち、再度診察室に呼ばれた。
息子、とりあえずインフルエンザではないらしい。
尿検査の方は、少量ばい菌の数値が出たようだが、
おしっこパックを貼る時に、指で触ってしまったり、
全く無菌の状態ではないと、数値が上がって出ることもあると言う。
そのまま返されそうになったが、私達は引き下がらず、
再度尿検査を申し出た。
今度は、尿管に管を通して膀胱から直接採尿すると言う方法だ。
これは、前回の入院で得た知識でもある。
息子には申し訳ないが、もしまた尿路感染だったら発見は早い方がいい。
そして、またしばらく待ち、再び診察室へ。
息子はカテーテルまでしたと言うのに、
なんと息子の膀胱には尿が溜まっておらず、採尿不可能だったらしい。
また、インフルエンザの方も、鼻くそが付いてきたりしていたらしく、
正確ではないらしい。な、なんじゃそりゃ!?
とりあえず風邪か、もしかしたらインフルエンザかも、
と言う診断を受ける。
今日はタマゴ医師のみの診察だった。
どうやら息子は急を要する状態ではないらしい。
多少の不満もあるが。しかし年末年始、救急はめちゃめちゃ忙しい。
今日もすごい人だった。
尿検査をきちんとやってもらえただけでも(採れなかったが)、
ここはいい病院なのかもしれない。
年始の診察開始を待って、ゆっくり診てもらったほうが良さそうだ。
私達は義実家のご馳走を諦め、おとなしく自宅に帰り、
また、腹ペコだった。
今日は義実家でおよばれの予定だったから、
めぼしい食材はないし、今から作るのも嫌だ。宅配のピザを頼む。
夜中熱を計ったら、42度に到達していた。
私の横で眠る息子はうんうん唸っている。心配で眠れない。
翌日、息子の熱はまだ42度台をキープ。
下がりそうな気配もない。
ミルクもあまり飲まなくなり、吐いたりもしていた。
熱でえらいんだろう、機嫌も悪い。
しょっちゅうグズるので、その度抱っこしてユサユサ。
うちらも睡眠不足である。
正月早々散々だ。
関係ないが、細木数子の占いによると、今年はうちら全員大殺界である。
ちょっと信じてしまいそうになる。
夜になっても下がらず、ついに42度を超えた。
息子はずっと機嫌が悪い。熱のためか、目はうつろで痛々しい。
真っ赤な顔で、全身ホカホカだ。
うちらは再び救急を受診した。
息子の熱は42度超が昨夜から続いていると伝えると、
すぐに上から小児科医が呼ばれて息子は診察され、うちらは説明を受けた。
尿検査はもちろん、熱が高いのと、吐いたりしているので、
髄膜炎の疑いがどうのこーのと言われる。
ち、、、ちょっと待った。
嫌な予感は的中し、
息子は再びあの検査をされることになってしまった。
それを聞いたとたん、私の目からは涙があふれてきた。
今回もレントゲンを撮る。
前回よりは、息子をちゃんと押さえてけることができた。
そして、採血や髄液採取のため、処置室に連れて行かれる息子。
しばしのお別れだ。
うちら親にとっては、ここからが長い時間となる。
前回同様、泣き喚く息子の声が聞こえてくる。
今回は旦那もずっと一緒に居るのでいくらか心強い。
つらい目に遭っている息子を待つのに、慣れる事はなかった。
今回も、つらい。泣いたところでどうにかなる訳ない。
でもでも、涙が止まらないのだ。
待ちながら、私達はずっと途切れる事のない息子の鳴き声を聞いていた。
次第に、旦那がイライラし始めた。
”なんか、長過ぎなくねー?”
”息子ずっと泣いとるがや”
”うちら親なのに立ち入り禁止で、中で何されとるかわからんのって
おかしくねー?”
いやいや、何されとるかそばで見とらなかん方が何倍もつらいだろう。
旦那よ、気持ちはわかるがちょっと落ち着くが良い。
私は、ちょっと外でタバコでも吸ってきたら、と勧める。
しかし、愛する息子が大変な目に遭ってるこんな時に、
のんきにタバコなど吸っとれんらしい。
彼も親っぽくなったもんだ。
2時間位経っただろうか。
うちらは息子のもとに呼ばれ、再開を許された。
息子は前回同様、包帯でグルグル巻きになった手をバンバン打ちつけ、
激怒して泣いている。
息子に駆け寄りすぐさま抱っこしようとする旦那に
看護士のストップがかかる。
泣き喚く息子の脇に、うちらはちょこんと並んで座り、
時が過ぎるのを待つ。
しかし、旦那には待てない。見とれんらしい。
”こんな状態で抱っこもいかん、ミルクもあげれんなんて、つら過ぎる”
”あと何分?”
”もう何分経った?”
そして、その場をウロウロ、ウロウロ・・・。
看護士さんは、何度も呼びつけられてうざかっただろう、
そんな旦那に、水平抱っこの仕方をレクチャーしてくれた。
旦那は慎重且つ冷静に息子を水平に抱っこした。
彼も気が済んだのか、ホッとしたのか、目元がウルウルしていた。
”よく頑張ったな、こんな強い子はパパの誇りだぞ。”
息子にブツブツ話しかけていた。
息子よ、優しいパパでよかったのぅ。
しばらくしたら担当医がやってきた。
息子の病気は何なんだ。緊張が走る。
なんと、今回も尿路感染だった。
逆流してなかったのに、なんで・・・。
しかも抗生剤止めてすぐじゃん。
前回同様、また入院する事になった。
2回目と言うことで、ある程度要領は得ている。
ここに居るだけで精神的には随分楽だ。
治る病気だともうわっかているので、安心感がある。
息子も少し大きくなったので、今回は入院のベッドで私と一緒に寝る。
寝返りはできるようになったが、まだ頻繁に動く事はないので、
少しなら目も離せるし、まだよく眠るので世話もそんなにえらくはない。
同室に2歳位の男の子が入院していたが、
その子は今、ママ一筋時代らしい。
ママがトイレや食事後食器を返しに行くときなど、
ちょっとベッドを離れるたびに、”ママー!ママー!”と
ベッドの柵にへばり付いてぎゃあぎゃあ泣き喚く。
か、かわいい・・・。
しかしこれは人ごとだから言えるだけ。
息子はまだ喋れない。
痛いとかえらいと泣き喚き訴えてくることもない。
同じ状況で、息子が喋れていたら、
すべてがダイレクトに伝わってくるだろう。
今はまだ赤ちゃんだから、大きくなる頃までに
今のことは覚えてもいないだろう。
つらい時期が今で、まだマシだったかもとも思った。
息子には抗生剤が投与され、熱が下がるのを待つ。
ところで、抗生剤というものは、細菌を殺すらしい。
熱を伴う病気になったとき、細菌感染だとわかれば抗生剤は有効だ。
むしろ、使って菌を殺してやらなければならない。
逆に、風邪や下痢などのウイルス感染に抗生剤は効かない。
ウイルスは体から出切った時に病気は治るらしい。
ちなみに乳児の下痢は止めてはいけないらしい。
脱水になったら点滴や入院が必要だが、
体からウイルスが出切ったら下痢は止まるので、
水分補給に努めひたすら待つ。
脱水を心配して下痢止めを飲むと、菌がとどまってしまうため、
低め安定で長引くらしい。したがって薬の必要はない。
解熱剤も、人はウイルスをやっつけるために自分で熱を出す。
自分で出した熱で頭がおかしくなったりすることはないので、
解熱剤も本当は必要ないらしい。
インフルエンザにかかっても、解熱剤は必要ないらしい。
(これは入院中に医師から聞いた話だが、旦那の愛読書マガジンの
くにみつの政って漫画にもこのことについてわかりやすく描いてあった。)
息子も42度とか高熱が数日続いたけれど、
大腸菌のしわざだとわかったため、それに効く抗生剤を投与。
解熱剤は使わなかった。
それでも治った。
色々と恐い副作用の話も聞くので、命に関わらない限りは、
ウチでは子供に解熱剤は使わないようにしようと旦那と話し合う。
今回も、1週間ちょいで退院できた。
息子はまだまだ小さな赤ちゃん。
しかし、病院のあのシングルサイズのベッドでの寝起きはつらかった。
せまい。
息子が寝返りを打つと私の陣地がなくなる。
息子を丁重にもとの位置に戻す。
他のママ達を見ても、皆のびのび眠る子供の隣で、
ママは鉛筆みたいになって寝ている。
ただ、息子は尿路感染を短期間で2回起こした。
前回、先天的な疾患や尿の逆流は認められなかった。
原因はまだ不明のままだ。
原因をつきとめるべく、詳しく検査をする必要がある。
主治医の説明によると、
前回の検査時にタイミングが合わなかっただけで、
実は逆流している。もしくは、今回もたまたま。
でも、こんな短期間で2回もくりかえし、たまたまだった、
って言う例はごくごくごーくわずからしい。
やはり、逆流が疑わしい。
退院から半月後くらいの、何事もなく元気な時に、
腎機能の詳しい検査をするため
1泊2日の検査入院をすることになった。
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