「河原の石一つにも宇宙の全過程が刻印されている」という言葉で始まる奥泉光 著の 「石の来歴」 。
散歩の途然に何気なく手にとる一個の石は、およそ五十億年前、後に太陽系と呼ばれるようになった場所で、虚空に浮遊するガスが凝固してこの惑星が生まれたときからはじまったドラマの一断面であり、物質の運動を刹那の形態に閉じ込めた、いわば宇宙の歴史の凝縮物なのだ。
石に心魅かれるわけが分かった。石には宇宙のロマンが凝縮されているのだ。
一般に岩石はでき方の違いにより、火成岩、堆積岩、変成岩に大別される。
●火成岩 マグマからかたまってできる。
1) 岩石の組成と組織を基準にした分類
マグマの種類と冷え方で変わってくる
2) 岩石の成因を基準にした分類
安山岩溶岩、玄武岩岩脈
●堆積岩 ふりつもったものがかたまってできる。
起源を持つ粒子で、ふつうの堆積岩は
粒子のサイズで分類される
生物起源の堆積岩は個別の分類がある
* 礫岩 礫を主体とする岩石
* 砂岩 砂を主体とする岩石
* シルト岩 シルトを主体とする岩石
* 泥岩 シルトや粘土を主体とする岩石など
生物起源の堆積岩の例
* 石灰岩 石灰質の殻をもつ生物 (サンゴ・有孔虫など)
* チャート 珪質の殻をもつ微生物 (放散虫・珪藻など)
●変成岩 強い熱や圧力をうけてできる
既にある石が新たに高い温度・圧力を
受けること(変成作用)によってつくられる
*熱変成岩(または接触変成岩) 主に強い熱をうけてできたもの
*広域変成岩 熱と圧力を同時に受けてできたもの
*動力変成岩 断層活動に伴ってその周辺の岩石が
変形・破砕されてできたもの マグマの熱により変成したもの
# ホルンフェルス 主に泥岩が熱を受けて緻密になった岩石
# 結晶質石灰岩(大理石) 石灰岩が再結晶して粗粒になった岩石
地下深部の熱と圧力により変成したもの
# 千枚岩 主に泥岩が熱と圧力により剥離性を持つようになった岩石
# 結晶片岩 熱と高い圧力を受けて縞状の組織を持つようになった岩石
# 片麻岩 高い熱と圧力を受けて縞状の組織を持つようになった岩石
# 蛇紋岩 かんらん岩が熱と圧力を受けた岩石
(かんらん石・輝石が蛇紋石化してできる)
岩石は天然の生成物なので分類基準の規格に必ずあてはまるわけではなく、中間的な種類や例外が多数存在する。
成分や構成のしかたで様々なバリエーションが生まれ、色の違う種々の美しい宝石が誕生することにもなる。
♪ 来し方を肌に刻みてもの言わず原始を知りし石と語らむ
河原で拾う石ころはどんなによそよそしく疎遠にみえようとも、君と無縁ではありえない。君自身を一部に含む地球の歴史の総体を君は眺めているのであり、いわば君は君の未来の姿をそこに発見するのである。同書
この文書を読んでいて、自分が石に梵字を書きたくなった訳がよく理解できた。
宇宙の歴史そのものである石と、古代の仏教を起源として存在している梵字とは密接なつながりがあるように感じたからだ。
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