ぶーたろうと車いす

ぶーたろうと車いす

成田空港

 
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 準備万端と余裕だったが、手抜きが発覚、大変なことに!!

目次
  1. 窓口集合は19:10、時間厳守
  2. ぶうたろうのリュックは? どこ? えっ?
  3. えっっ、NW便は一時間遅れてるって??
  4. おとうは高速をぶっとばす
  5. うっひゃ~、なんか行けるモードになってきた
  6. 手荷物チェックで排泄セットまでチェック
  7. ぶうたろう、いよいよ飛行機初験/a>

 ■ 窓口集合は19:10、時間厳守 戻る

  ぶうたろう初めての「海外」、決行は3月20日。飛行機は割引ありのノースウエストで、出発は21:10。窓口集合は19:10、時間厳守。一分でも遅れる場合は連絡必要。OK、了解。うちからは高速でぶっとせばば一時間ちょい。
 おむつもカテも多めに持った。荷物の半分はおむつ。なにかあったらと排泄セットは分散もさせた。

 空港の駐車場は、第二ターミナルにあって障害者手帳割引で半額になる。半額なら空港駐車場のほうが安いが、正規なら民間の方が安い。民間駐車場に入れて空港まで送迎を頼むのが一番安いようだ。うちはユナイテッドなので第一ターミナルなんだそうな。スタッフが待っててくれて、車を出発ロビーに横付けしたら車を持ってってくれるところに頼んだ。それでも正規の駐車場料金より安い。第一と第二は連絡があるが、ぶうたろうとトランクとおむつリュックを抱えて移動するのは大変なので。

 準備は整った。五時には空港に着いてゆっくり見て回ろう。飛行機見ながらコーヒーでも飲もうぜ。ぶうたろうに卒業祝いをくれたおばさんには、免税で香水を成田で買ってしまえば楽だ、とも考えた、午前中まで。

 なーんていって、いつものようにでるまでもたもた、もたもた。ハンカチだ、鍵だ、ガス栓だ、電池がないとすっかり遅くなって集合時間ぎりぎりになってしまった。 急げ、急げ。夕方のラッシュに巻き込まれた!おとう、運転慎重にね、。

 心配した空港周辺の道順も行けば矢印があって、警備のおまわりさんもわんさかいるから、迷うこととはなかった、検問もあるしね。よかった、集合十分前に着いた。駐車場の係りの人がカートを用意して待っててくれた。さあ、出発だ!

 ■ ぶうたろうのリュックは? どこ? えっ? 戻る

 と、あれ? 大きな荷物二つとおとうとおかあの手荷物でしょ、ぶうたろうのリュックは? どこ? えっ? あの中には洗腸パックが入ってるのに。どこ? 何度車の中を見回してもない!ない!なーい! どこにもなーい! 忘れたんだー。
ぶうたろうのリュックにはおむつとカテと予備のズボン、そして洗腸パックを入れた。おむつとカテはたっぷり持ったからいいけど、洗腸パックはあれ一つだけだ。
 ひざががくがくする。落ち着いて、落ち着いて。もう集合時間だ。19時。今から取りに行って戻って、うまくいって2時間、21時。飛行機って待ってくれるの?

 ぶうたろうにも、自分の荷物は自分で管理しろ、と何度も言ってる。肝心なものを忘れたのはこれが最初じゃない。
 「いつも自分のものは自分で管理しろって言ってるだろ!」 思わず怒鳴った。
 どうする?おとうは「中止だよ」。

 頭の中をどう解決案を探しても洗腸パックの代わりは見つからない。浣腸は液がもれるし合わなくて吐いたことが何度もある。下剤は量と効果の出る時間が計れない。

 ■ えっっ、NW便は一時間遅れてるって?? 戻る

 駐車場の車受け取りスタッフは「すぐ旅行社の人に聞いて!」と言ってくれた。そうだよ、旅行社だ!すぐおとうは家にとって返し、おかあとぶうは荷物をカートに積んでJTB窓口へ。

 「一時間で行けるとことです」と、泣きついたら「ぎりぎり待ってくれるかNWに聞いてみます」と言う。
 ぶうたろうは「ごめんよ、ごめんよ」って何度も謝る。 おとうもおかあも悪いんだよ。
 慌てて舞い上がって、一番肝心なぶうのもの、確認しなかったんだ。

 JTB窓口のお姉さんが言う。
 「現在NW便は一時間遅れています。チェックイン、出発とも一時間遅れです。デッドラインは21時45分。どうですか?」
 えーーーっ!!一時間お・く・れ・て・る? 本当に、本当に、本当に?
 「だ、大丈夫です、十分行って戻ってこられます!」
 「よかったですねぇ。ほかの便はすべて定刻出発ですよ。NWは特に時間に厳しいですからね」
 信じられない。今19時15分二時間以上の余裕がある。あーー、感謝(誰にというわけじゃないけど)。

 おとうにメール。「飛行機は一時間遅れる。十分時間あるから無理しないで。カウンター21時45分まで。ゆっくりで間に合う」。

 おかあもぶうも放心状態。広い広い空港ロビーでしばし立ち尽くす。
 もともと最終便で、集合時間通りに来れば、皆チェックインを済ませてある時間。一通りにぎわった後は、がらんと人もいなくなる。

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 広いなあ・・・。こんな広い空間見たことある? 「空港駅、行ってみようか」よろよろ歩き出すが、動悸はなかなか治まらない。
 リュック忘れた、取りに行く、間に合わない、飛行機遅れてるといろんなことが頭の中、ぐるぐる回ってる。

  空港駅は地下にあった。エレベーターもスロープももちろんある。スロープは、駅からの入り口がキオスクと建物の壁で少しわかりにくいよ。空港駅には、日・韓・中・英いろんな言語のJRの路線図案内パンフがあって、電車好きのぶうのいいお土産第一号だ。
 ショッピングモールにはお店もたくさん和・洋・中のレストラン、ファストフード、日本のお土産、旅行用品等々。みんな新しくて光輝いてまぶしい。
 でも誰もいないんだ・・・。駅にもショッピングモールにも。ピカピカに新しい建物のなか、車いすの子と二人、うろうろさまよってるって…前衛映画の中みたいだ。

 ■ おとうは高速をぶっとばす 戻る

 おとうはというと、夕方ラッシュを泳ぎながら家に着いて見たらあった、あった。テレビの前にぶうの空色のリュックがころがってた。やれやれ再び出発、 と思ったらガソリンがない! 
 そう、出かける時からわかってたことで、往復分はぎりぎりあるから、とそのまま出発したんだ・・・。急ぐ気持ちを抑えつつ、いつものセルフのスタンドへ。 あーーっ、お財布見たらお金がない! 
 そうだ、お金は円だ、ドルだって面倒jだから、おかあにまかせたんだ・・・。高速はETCで現金は必要なかった。また家にもどってお金探して、ぶうたろうにとじいさんからもらった「小学校卒業祝い」を失敬して、やっとガソリン入れて、そして本当に空港に向かった。

歩く人もいなくなった空港ロビーで、21時15分、私たちは再会した。「やっと、会えたね私たち」。
駐車場のおじさんは「もうけんかしないで行ってらっしゃい」って。3月の成田の夜は寒くて厚手のジャケットがちょうどいいところを、車に脱ぎ捨てて、JTBに急ぐ。もちろん開いているカウンターは、一ヵ所しかない。私たちのためだ、申し分けないよ!
「よかったですね。本当に遅れてるのは偶然なんですよ」と、JTBのお姉さんはいやな顔もせず送り出してくれた。感謝じゃあ~。

 ■ うっひゃ~、なんか行けるモードになってきた 戻る

 うっひゃ~、チケットもパスポートもあるぞ。なんか行けるモードになってきた。
セキュリティー検査では、靴も脱いで両手を挙げた。ぶうも靴脱いで同じように検査を受ける。金属探知ゲートも車いすのままくぐった。もちろんビービーなる。出国手続きは、下の階になるのでエスカレーターで降りるシーンをドラマなどで見てたけど、ぶう様ご一行はエレベーターで案内係つきだ。
出国手続き窓口も入り口がかぎ型に曲がってるので、車いすでは無理。やっぱり一番端の特別窓口で手続きだ。「こんな時間になるまで何してたの?」と言われてしまった。「忘れ物を取りに行ってたんです」と言いながら、危うく涙がぽろっだ。

出国手続きさえ終われば、後はNWの出発ゲートを目指すのみ。確かに一歩出国すれば、ブランド店がずら~、香水も化粧品もお酒も品揃え豊富らしい。だけど、そう、もちろん閉まってる。しかも通路は薄ぐら~い。さらに気のせいか私たちの進む背後から照明が落ちて暗くなってくよう。
もうすぐ22時、一ヶ所だけ明るいところがNorth Westのゲートだ。
 いたいた、皆こんなところにいたんだね。
 は~、ここまでにすごい長旅してきた気持ち。ぶうは目の前に見えるでかい飛行機にびっくり!!

 ■ 手荷物チェックで排泄セットまでチェック 戻る

 機内用車いすはいつ乗り換えたいか、今にするか、直前にするか、と聞かれ「直前まで自分の車いすで」と希望。車いすは貨物室に入れて運ぶとのことだった。搭乗は、やっぱり私たちがまず案内されて、再度手荷物チェック。同行家族3人のうち一人でいいというので、おとうはぶうの車いすを押すから「お前行け」という。 考えなしに「へい」と、女性検査官の前に立ったらこれが大変。
 持っているものすべて出された。ぶうの排泄セットはもちろん、化粧道具すべて、口紅はふた取ってひねって出しファンデのケース類も開け、歯磨きセット、ペンケース中身こちゃこちゃすべて、電子手帳、デジカメケースから出す、 携帯電話、お財布、小銭入れなどなど。係員が手荷物から出したポーチやケースを手渡され、「自分で開けてください」と言われる。(爆発するかもしれないから?)開けて見せると中身一つ一つ小さなメモ帳が本当にメモ帳かどうか、ボールペンは本当にボールペンか確認。電子手帳も自分でオープン、デジカメは自分でスイッチオン、そして確認。これを家族、グループごとにやるのは大変なことだ…、時間もかかる。わかってれば、一番荷物の少ないおとうがやればよかった。予備に入れといた下着セットだってチラッと見たもの。(でも、もちろん荷物が間に合わなかったらこんな経験もできなかったんだよね)hawaii2006003

いよいよ搭乗

 飛行機に乗るドアのところでむこうの用意した車いすに乗った。本当に通路の幅の車いすでとっても細い。Xがけに厳重にベルトを締められ「はりつけみたいだね」なんて言いながら機内に入ったら、すぐのところが指定席。またまた苦労してベルトをはずして座らせた。何だ、わざわざ車いす出して苦労して安全ベルトを何重にもしなくても、自分の車いすからおとうがだっこしてもどうということはなかった。とにかくしばしぶうの車いすとはおわかれ。

 ■ ぶうたろう、いよいよ飛行機初体験 戻る

 乗った飛行機の機内は左右2シート、真中5シートでシート間の肘掛は上に上がらず、新幹線より窮屈。エコノミーの中でも狭いタイプだと思う。
 その中で、うちのシートは真中。入り口、トイレに一番近い。眼前は壁。案内モニターも近すぎてよく見えなーい。窓遠ーい。
 とりあえずトイレには一番近い。
「使用中ランプ」も人の動きもよく見えるので、込んでない時を選んで利用できる。リクエストすれば入り口で乗った通路幅の車いすを出すと言ってくれたけど、やっぱり面倒でおとうが抱えてトイレに入った。ホノルルまで7時間(帰りは8時間半)。行きも帰りも2回使った。車いすの人がトイレを利用するときは、hawaii20060012どうもトイレのまわりのパネルをスライドさせて一人立つのがやっとのサイズを広げられるらしいけど、最初に利用する時にクルーが慣れないせいか、何人もでさんざんパネルと格闘して結局半端にしか組み立てられなかった。小6、体重40キロくらいのぶうたろうだったらおとうが抱えて二人でなんとか入れたので、「OK、OK、ダイジョウブネ」って感じでそのまま使ったので、どんな形になるのかは謎のままだった。

 7時間のフライトは真夜中の移動。ぶうたろうは狭いシートの中で悪戦苦闘、もちろんおとうもおかあもつらいつらい。二度の機内食はシンプルだけど味はまあまあ。好き嫌いのあるぶうも、「これが機内食というものか」とよく食べた。
 飛行機の着陸までの風景も初めてのぶうは感激
 行きの席は結構空いていたので、途中から窓側に移って、ブレックファーストは青い空に浮かぶ雲を見ながらになったぞ。飛行機の着陸までの風景も初めてのぶうは、「考えられないくらいすごい!」と大感激だった。

 乗客が全員着席して、窓側が空いてたらクルーに言えば変更しても良いんだって。



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