記憶のかけらたち
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少し歩いた先の 丘の下には大きな温室を備えた屋敷があった。彼女は季節が逆行したかのように 葉を茂らせ 花を咲かせる植物達と静かにに暮らしているそうだ。外は冷たい風ばかりが吹く季節、暖かな春の日射しなど 忘れてしまいそうになる。箔年よりこちらこういった設備を植物のために使っているなどこの地域では珍しい。彼女は 最初は驚いていたが親切に温室内を案内してくれた。時折 可愛らしいような 美しいような無垢な笑顔を見せながらこの植物達がどんなに素敵であるか手間をかけてやるとどんなに気持ち良さそうに葉をつけるかなどやさしく語ってくれた。植物を愛でる彼女の姿と 植物の心地よい香り 紅茶の優雅な香りに時間を忘れ私の心も 癒された。屋敷を離れた頃 外は薄暗くなり夕焼けが空の端の方に 見えるだけだった。 不意に吹いた風と一緒に 何気なく振り返ってみると薄暗くなった 木々の間にうっすらと灯る窓の光が見えた。あの光の中に彼女はいるのだな と思った時急に不思議な気分に包まれた。一見癒しの空間であるその場所も 世からはなれるため はなれたいがための場所であるとしたら。またここにも心に大きなものを背負ってしまった人がいるのだろうか。歩みを止めた足元にカサカサと転がる 落ち葉。しかし、私が通った街々の話に彼女が興味を示し色々と聞いてきたことを思えば私の思い過ごしかもしれない。きっとそうだろう。空の端では 雲間から見える夕焼けが 眩しい光の帯を地上へ降ろしていた。明日は天気がよさそうだ。 arush=reminn 『旅の記憶』より---------------------------------こんばんは!!!約2か月ぶりでございます!!久々にイラストを載せます(>
2006.11.05
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