2025年05月25日
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新吾の自源流と弥次郎の無明流

​じっと立つ新吾 ​​ 。その様子をじっと見つめる六平太が呟きます。やっぱり忘れられんのかな両親のこと、それとも恋人のことかな、いや剣のことを考えているらしい・・・そうだあの白髪のおやじ、それともあの浪人かな、と考えていたとき、 新吾が急に剣を抜き 海に向い構えます。


六平太が新吾に近寄り「先生、 如何なされた 」というと、我に返り、
新吾「だめだ、とても あの老人にはおよばぬ 。・・・ひょっとすると、あの浪人に

日本一の先生が何をいうのですか、と六平太がいうと、
新吾「 昨日の日本一 は、 今日の日本一ではありえん のだ」



そんなことを話していると、六平太の耳が何かを感じとったようです。
新吾「 どうした また何か
六平太が、「この調子では今夜は吉原宿に泊まれないかも知れない、早く参りましょう」といいます。
新吾「どうしてだ」


吉原宿へ着くと、なるほど井伊直惟の行列が本陣に到着のようで、宿場中が大騒ぎになっていました。「これでは 旅籠もいっぱいだな 今夜のところは ・・・」と言う男に新吾が「 難しいか 」と言うと、「旦那方お二人位なら、何とか手前どものほうで」と宿に案内されます。

冨士屋という旅籠に案内され、新吾は女中相手に話しながら 気持ちよさそうに野風呂に入っています 。その新吾を大賀陣蔵が富士の裾野から尾行しています。 六平太はどうしたか女中に聞く と、案内してきた男の人と一緒に出掛けたというのです。
新吾「 なに 、・・・あの男 客引きではなかったのか



その男と六平太は居酒屋にいました。男はお供にしてもらえるように頼んでほしいと六平太にお願いしています。六平太に男は何が出来るといわれ、例えばというと、「あっいけねえ、財布をおっこどした」と六平太にすぐ返すからと、六平太は懐に手を入れると「いかん、俺の財布もない」と慌て出します。新吾から預かった胴巻もないというのです。六平太の困ったところを見て「こいつか」と言い、男は懐から財布と胴巻を出して見せます。

新吾は床に入り寝ていると、隣室から何かに抵抗している女の声がしたと思うと、襖もろとも飛び込んで来たこの旅籠の 女中が助けを求めて来ます


「客人に迷惑をかけてはいかん。こちらへ戻れ」という男に必死に嫌だといい、助けを求めるため、
新吾「 許しておやりなされ 、可哀想に震えております」
と言うと、「なに」と襖を少し開け「貴様」と言う 薄闇に見えた男の顔を新吾は見て
新吾「 箱根のお方か
老人が弥次郎と呼んでいた浪人でした。
弥次郎「とぼけるない、折角役人から金をせしめてやろうと思ったに、つまらんと
    ころでよくも邪魔をしてくれたな」
新吾「貴公は金のために人を斬るのか」
弥次郎「そうよ、金に不自由のないお主らには、この気持ちはわかるまい。貧乏人
    の俺達には金が一番だ。ああ女は許してやる。 その代わり 手合わせして
    もらおうか

新吾「 それは困る
弥次郎「困るのはそちらの勝手だ。お主を倒せば日本一の剣になれると思うと欲が
    出てな。箱根以来 お主を尋ね求めていた ところだ。」
弥次郎に出ろといわれ、新吾は 剣をとって立ち上がり 、弥次郎と庭の方に出て行きます。




先に待つ弥次郎、あとから来た ​新吾は刀を帯に差しなが​ ら、「 立ち合いに先立ち一言お聞きしたい 」と弥次郎にいいます。


新吾「貴公の ​姓名と流儀は​
弥次郎「無明流、白根弥次郎」
新吾「 剣の師は
弥次郎「納富一無斎」
新吾「 納富先生 、・・・箱根で呼びかけられた あのご老人 では」
そのとき弥次郎が「うるさい」と言い 抜打ちに斬りつけてきました



新吾の自源流 弥次郎の無明流 の双方の 剣の闘いは決着がなかなかつきません








そこへ女中が呼んできた井伊家の足軽隊がやって来て、弥次郎は新吾に「日本一は必ず俺がいただくからな」と言い残し、その場を去って行きます。新吾が足軽隊に囲まれたとき、「控えおろう」と井伊家の家老夏目外記が六平太と共にやってきて、新吾に平伏します。 それを見て新吾はびっくり したが、 ニヤニヤしている六平太 を見て、 彼の仕業かと あきれ顔をするのです。

続きます


​新吾二十番勝負』前回までの投稿掲載分は、ページ内リンクできるようにしてみました。下記のそれぞれをクリックしてご購読することができます。

新吾二十番勝負・・・(1)


新吾二十番勝負・・・(2)

新吾二十番勝負・・・(3)

新吾二十番勝負・・・(4)

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最終更新日  2025年05月25日 16時18分10秒
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★★この表情・あの表情・・特集雑誌等からのポートレートなど


★★kanariya好み//表情ポートレート


⑴◆大川橋蔵グラフ◆から (1958年平凡別冊6月号より)


(2)◆映画アルバム・大川橋蔵傑作写真集◆から (1959年映画ファン9月号)


(2)-2◆映画アルバム・大川橋蔵傑作写真集◆から(雑誌映画ファンより)


(3)◆トミイの魅力 大川橋蔵の全映画アルバム (1958年8月)


(4)◆映画アルバム第8号《わたしのトミイ》 (1960年3月発行)


(4)-2◆映画アルバム第8号《わたしのトミイ》 (1960年3月発行)


🤷‍♂️橋蔵に関する記事からの風評やよもやま話等


サイド自由欄

◇◇◇◇◇◇◇◇

★1959年増刊号平凡「あなたの大川橋蔵」から、橋蔵さんのいろんな画像を載せていきます。お楽しみください。

⑯ がくや ①
実演の旅の楽屋はとても忙しい。
地方のことだから楽屋も狭く、一日に三回の上演になると、ファンの訪問の応待やらメーキャップで、息ぬく暇もない。
星美智子さんとのこんどの東海道の旅は、お正月そうそうのいい時期とトミイの爆発的な人気で、楽屋の中も大騒ぎ。
橋蔵さんは新春そうそう嬉しい悲鳴をあげました。















(^^♪)**随時更新していきます**(*^-^*)
📦 (^_-)-☆★
フリーページの方でも橋蔵さんが待っています。
その都度アップしていますので、各項目をクリックして開いてみてネ。
★☆(^_-)

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