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然しながら、試合後のリング上では勝利を祝うチャンピオンの笑みは影を潜め、持てる力の全てを出し切った挑戦者の清々しい姿とは対照的にどちらが勝者なのか分からないほど会場も重い空気に包まれていた。
試合前半、チャンピオンをロープ際に追い込み、細かいパンチの連打を浴びせる挑戦者は不敵な笑みを浮かべつつ、サウスポーを苦手とする亀田の弱点を知り尽 くしたかのように、挑戦者の繰り出した強烈な左アッパーが亀田の顎を捉え、試合序盤から挑戦者に先手を取られると言うチャンピオンらしからぬ体の動きが試 合の展開に不安を抱かせていた。
顔を赤く腫らし、鼻からは鮮血がほとばしり、その痛々しさに会場に詰めかけたファンも波乱の予感を抱かずには居られなかっただろう。
勝利を確信したかのように、時々笑みを見せるほどに挑戦者は余裕すら見せていた。追い詰められているのはチャレンジャーではなく、確かに亀田興毅自身であった。
結果は僅差での判定勝ちであるが、試合経過を振り返ってみると事実上の亀田敗北と言ってもよいだろう。それはリング上でうなだれる亀田自身の言葉が物語っていた。
多くのファンの前で土下座までして懺悔を乞うチャンピオンの姿は余りにも痛々しく、自分の目指すボクシングが出来なかった事への悔しさと自責の念でマットは重く沈み込んでいた。
ボクシングに限った事ではないが、自分が相対する相手は恋人のような存在である。相手を知り尽くす事によって自分には無いものを発見し、それを自分に置き換えてみるという心理面でも相手を上回る事で試合を有利に進める事が出来る。これは謂わばプロポーズにも似ている。
( ´∀` *) 。夏の思い出(作詞バージョン)。 2013.11.28
夏休み(吉田拓郎カバー)再編集版。 2013.08.14
ホームランに花束を。 2012.12.29 コメント(2)