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装丁と題に魅かれて借りた。
シリーズ第2作目だと思う。ってことで1作目を知らずに読んだけど、
私は好きな感じ。
妾腹である浪人・周乃介が主人公。
その生い立ちから無頼の徒となり、一応更生はしているけれど、
実家の屋敷を訪ねることはできていない状態。
人を切ったことのある者にだけ見える、人を切ったことのある者から発する蒼火。
江戸の商人や辻芸人が一太刀で殺害される事件が頻発し、同心の葛岡に頼まれた周乃介が調査に乗り出す。
私は池波正太郎とか、軽めの時代ものなんか好きですが、こういうちょっと重い感じのもいいと思います。
弟を大学に行かせてあげたいがため、
一人暮らしの老女宅へ盗みに入り、
結果、その老女を殺してしまい、懲役15年となる。
「強盗殺人犯」の弟となってしまった直貴。
そのレッテルとどう付き合うか、諦め、怒り、
周囲の人からの対応に対する思い。
「加害者の家族」という立場。
刑務所から届く手紙。
就職や恋愛を阻む家族の存在。
なんかものすごく切ないよなぁ。
ちょっとだけハッピー(というよりも一歩前進)と思わせる最後が
本当に泣ける。
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