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2006.05.19

　いやあ、久しぶりに読み応えのある本でした。上下巻、読み終えるのに、4，5日

大変でした。が、読後感のよい清清しい作品です。

☆☆☆☆

　時は戦国時代、秀吉が天下統一に向けて、朝鮮出兵の傍ら、関東征伐に出た。
倒す相手は、関東の古豪、北条氏。かの地で古くから民を治めてきた北条氏をいかに
制圧するか、ということも秀吉にとっては赤子の手をひねるようなことであった。
家康を先陣とし、仕掛けていく。

　この北条氏を守る忍びの民「風魔」。箱根の山に伝わる風穴を拠点とし、山々を

つまり素手で人を殺めることができる、しかし、義を重んじ、無用な殺しを疎んじる
男、「小太郎」だった。飄々としながらも、北条のため、そして、北条氏が滅んだ後は
鎌倉以来の武家の頂点に立つ関東公方「氏姫」を守るために東奔西走する。

　その風魔の力を欲しがる時の権力者たち。が、風魔の小太郎は、氏姫を守るため、
義を通し、時にいろいろな場面でいろいろな立場の者を助ける。相対するのは、
服部半蔵、柳生、その他さまざまな時の達人。

　時は秀吉から家康へと移っていく。が、小太郎は家康に屈さない。やがて、家康が
最も恐れる男となっていく。そんな風魔を陥れる策略の数々・・・

☆☆☆☆☆

　まあ、下巻になると、止まらないです。男の友情、嫉妬、出てくる人物は、どれも
が生き生きと描かれていて、かっこいいな～。忍びとして生きるものたちの

活躍した。

　伝説に彩られる風魔の小太郎をうまく描いた作品といえます。伝説のグループ
風魔。

　いやあ、よかった、としかいえないけど、久々に読み応えがありました。
この後も、歴史物が控えているので、がんばって読まないと～！！