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2010.10.20
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カテゴリ: 健康

脳科学から"やる気"の正体を探る!
トレーニング継続の秘訣をご紹介。

ドーパミン神経とは、末端から神経伝達物質ドーパミンを分泌する神経細胞の総称。
中脳の腹側被蓋野をスタート、線条体を経由して大脳の前頭葉へ向かう。
ドーパミンは強烈な快感物質。新奇の刺激に反応しやすく、前頭葉でドーパミンが分泌されると脳は大喜び。
次もドーパミンが出るような行動を取ろうとする。

一方のセロトニン神経は、末端から神経伝達物質セロトニンを出す神経細胞の総称。
延髄にある縫線核から脳全体にネットワークを広げる。
セロトニンが出ると、慣れ親しんだ環境やルーティンに「ほっ」とするような心地良さを感じる。

ドーパミン神経とセロトニン神経は、アクセルとブレーキのような関係。ドーパミン神経がリスクは承知で刺激を欲するアクセル役で、セロトニン神経は安心&安定を望むブレーキ役だ。


その昔、ヒトが獲物を追って未知の土地へ冒険の旅に出るときは、ドーパミン神経の助けが必要だった。
そして獲物が十二分に手に入り、その場に留まって疲れを休める決断をする際は、セロトニン神経がサポートしてくれたのだろう。

誰の脳もこの2系統を持つが、どちらが優位かには個人差が大きい。ドーパミン優位型とセロトニン優位型ではやる気の出し方もがらりと変わる。

さっそく自分はどちらが優位なタイプかを確認してみよう。

脳は根っからの快楽主義者。
不快を避け、快感を追求する。
ボールペン回しや自転車の運転といった何気ない行為にも、ちゃんと「快楽」のスタンプが押されているのだ。

無意識の運動プログラムは、脳の線条体に書き込まれている。
その線条体にアクセスするのが、ほかならぬドーパミン神経。
線条体はやる気の中枢である側坐核を含み、ボールペンがうまく回せたりするたびに、ドーパミンが側坐核に分泌されて快楽のスタンプを重ね押し。その報酬を手がかりにして、面倒な運動もスムーズに行えるようになる。

適度にカラダを動かすとすっきりして気持ちがいい。

経験者のようにトレーニング=快感という無意識下の公式が一度できれば、誰でも習慣化する。

ただし初めてのことに取り組むには「それってホントに不快じゃないの?」という脳の"監査"をパスするプロセスが不可欠。

監査のクリアに有効なのは自己暗示とイメージトレーニング。

「効く」と思うだけで「効く」クスリのプラセボ効果でわかるように、脳は自己暗示に弱い。

そこで自己暗示と監査機能をだますイメトレをミックス。イメトレで運動しているシーンを思い浮かべ、「あ、脂肪が燃えて気持ちいい、汗をかいて心地良い!」と声に出して自己暗示をかける。イメトレ時の自己暗示は具体的なほど効果が高いので、自分を外から見るだけでなく、やっている本人目線でイメージを膨らませる。筋トレならダンベルを上げて収縮した筋肉、ランならシューズがアスファルトを蹴る音や風景が後ろに流れる場面をリアルに想像。そのシーンにセリフをつけるように「気持ちいい!」という自己暗示で快楽のタグを付ける。

監査をパスしたら、実際カラダを動かして心地良さを実感。

この反復で運動=快感の公式を強化しよう。


こんな実験がある。ランプが点灯したとき、ボタンを押すとエサがもらえる装置を作り、サルを坐らせる。

訓練するとサルはランプが点くと必ずボタンを押すようになる。サルの脳内では、エサという報酬が得られるたびに、ドーパミン神経が興奮してドーパミンが分泌されるのだ。訓練をもっと続けるとランプが点灯しただけで、サルの脳内でドーパミンが出るようになる。このように報酬への期待で何かを学習させるプロセスは強化学習と呼ばれている。

社会的な動物であるヒトにとって身近な報酬は、実は褒められること。

赤の他人より恋人や家族など褒められたい人に褒められると、ドーパミンがどっと出る。

そこで彼らに「今年は運動する!」と宣言する。

「忙しいのにエラいね」などと褒めてもらうとやる気は急上昇。

「何かを習慣化する初期は連続して報酬を与えることが大事」(篠原先生)である。しかし冒頭のサルの例では、毎度必ずエサがもらえると次第にドーパミンは出なくなる。必ず得られる報酬はもはや報酬ではないからだ。

ずっと褒められ続けると嬉しさも中くらいに。

そこで打つべき次の手は「場合によっては報酬が得られるが、理由なしに得られないこともある」というギャンブル条件付け。

これはパーソナルトレーナーのテクニック。

彼らは毎回褒めないし、たまには「今日は筋肉が硬いですね」などと言ったりする。褒められたり、褒められなかったりするから、たまに褒められると嬉しいのだ。

そのテクニックを応用。同僚や友人にも運動中であることを知らせて、あえて辛口のコメントをもらう。「今週ジムに1回しか行けなかったよ」などと水を向け、「体型、全然変わらないじゃない?」「最近サボってない?」といった励ましの声でやる気をかき立てるのだ。

アメとムチでギャンブル条件付けに近い環境を作ると、飽きずに継続できる。強化学習でボタンを押していつもエサがもらえると、ドーパミンは出なくなり学習効果が低下。

50~70%の確率でエサを与えるギャンブル条件付けをするとドーパミンは出続ける。






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最終更新日  2010.10.20 20:15:21
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