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ソムリエ ラ・パッション
Trois Gros
5月17日、ついに憧れのトロワグロへ!
リヨンまでTGV、そしてそこからTERでロアンヌまでと、片道約3時間半をかけて行った甲斐がありました。
ロアンヌの駅を出て、左に歩く事たったの50メートル、間違い様も無い大きな看板が目印です。
今回はJDSで一緒に働く元ブ○ギニョンのT・Tさんが彼の先輩が5月でトロワグロをあがる為、その前にぜひ食事に行こうという事で、ご同行させて頂きました。
入り口から中に足を踏み入れると、どうやらその日の一番客だったらしく?サービスマンの御偉い方が皆で出迎えてくれ、食事の前にまずカーヴとキッチンを案内してくれました。
カーヴは最近の『3エトワール』というガストロノミーマガジンに掲載されており、実際に見るのがとても楽しみでした。
そして、入ってやっぱりびっくり。総在庫数5万本!そして、そのアイテムのすごさにもうびっくり!!
だって、入ってすぐにアンリジャイエシリーズがずらぁ~~~って、マグナムで並んでいるんだもの!!もうあとのワインが霞んで見えてしまいました・・・・。もちろん、すべてカーヴにとってもきれいに配列されており、非の打ち所のない質と量と管理でした。
そして、お次はキッチン!
これまた本当にここでやってんの?っていうぐらい綺麗でシンプルでここは近代式料理教室か?それともキッチンスタジアムか?と思わせるような『見て絵になる』キッチンでした。そして、キュイジニエ達はもう営業がはじまろうという時間なのにとっても冷静沈着に働いていてこれまたびっくり!もう準備は万全です!!と言わんがごとく・・・ という感じ。
そして、キッチンからダイニングへ。
ダイニングは全体的にシックな色使いで現代的な洗練されたイメージのなかにも重厚な奥ゆかしさを感じさせる、これまた非の打ち所のない感じ。それでいて、とっても居心地がいいのは◎が本当に3つぐらい並んじゃいます。
そして、ここでもシャンパンを片手にじ~~~っくりとメニューとにらめっこ!!
メニューの書き方はタイユヴァンと同じように、メインとなる食材と料理法、そして付け合せだけが書かれたとってもシンプルな内容(本当に5~7単語しかないぐらい)
で、結局二人とも今回はア・ラ・カルトでのオーダーとなりました。
内容は以下の通り。
小さいアミューズの盛り合わせ
かわいい一口サイズのアミューズが蓮華みたいなスプーンに並んでくる。
アミューズ
プロヴァンス産アスペルジュ・ヴェール、メントールソース
オードヴル
アルデンテのクー・デクルヴィスのブロシェット、ナージュ仕立て
柔らかく煮たテット・ド・ヴォーとトマトコンフィのテリーヌ、(ティエド)
(ゼラチン質豊かなテット・ド・ヴィーを口に含んだ時の触感が本当に最高。そして、トマトの酸味がくどさを感じさせない!)
ポワソン
メルランのポワレ、グレープフルーツ添え
ソーモン・ア・ロゼイユ
(メニューには載せていないのですが、シェフ・ミッシェルが特別に提供してくださりました。とってもシンプルなのですが、これ以上なにかを足す必要も無いですし、ここからなにか1つでも欠けてはいけないという、やっぱりある意味完成した料理なんだなぁと感じさせられました。)
ヴィアンド
バジリックのピューレに包まれたロニョン・ダニョー、アンチョビ添え
(ロニョンの質と火入れのテクニックが全て!!という感じの料理。アンチョビの塩気はやっぱり必要。と納得)
ピジョノーとフォワグラ、トリュフのフリット
(これまたシンプルな料理。シンプルがゆえに、高い完成度が要求されるのがわかる)
プティポワ
(なんで、ここでわざわざプティポワ→グリーンピースを書くのかって?写真も載せているし・・・ それは、なんだかここではじめてグリーンピースの真の味を知ることが出来た気がしたから。一粒一粒がはじけるような・・・ というか、はっきりと口の中でプチッ、プチッとはじける食感があり、甘く、そして香り高い。本来、プティポワって、こんなにおいしいんだ!と思わせる出来栄えでした。月日が流れ、今日食べたトロワグロの料理を忘れる事があっても、このプティポワの味だけはきっと生涯忘れないだろう。そう思わせる付け合せでした。でも、これがこのレストランの全てを語っているといってもいいと思う。)
シャリオ・フロマージュ
デセール
タルト・リッシュ、フレーズとソルべ添え
ニ・ダベイユ、マンゴとパッション添え
金柑のスフレ・ショー
タルトレット三種 (ショコラ、グロゼイユ、ヤウー)
青リンゴのソルべ
カフェ、ミニャルディーズ
全体的な料理の感想は、まず『とってもシンプル』、メニューの書き方と同じく、メインとなる食材と調理法、的を絞った付け合せ1種、そしてソース。シンプルがゆえにごまかしのきかない、素材と調理テクニックが問われる料理。高い完成度無しには評価されないスタイル。いうならば、『孤高のシンプルさ』と言いたい。
サービスの印象はとっても良かった。調理スタッフが若かったのに比べ、サービススタッフは落ち着いた年配の方が多く、レストランの威厳を保ちつつも、心地よい安堵感を与えてくれた。
ソムリエも何名かがサービスに当たってくれたのだが、特にお1人、本当にすばらしいと思わせる方がいた。(もちろん他にもきっと沢山いると思いますが。)その方はスタッフの中で一番といって良いほど体格のしっかりとした(縦にも横にも)、遠くから見ても一番目立つ巨躯にもかかわらず、テーブル横にきてサービスをしてくれても、まったく威圧がないのである。もちろんとんでもないほど威厳はあるのですが・・・、それ以上に物腰が落ち着いていて、包み込むような空気があって・・・ うまく表現できないのですが、私個人、お客の立場ならば、『うわぁ、この人ってすごそう!』と周りを萎縮させるサービスマンは大っキライ。(結構、多い・・・ このタイプ。 ←あくまで個人的意見です。それが好きなチャレンジャータイプまたはまさにあなたがチャンピオン!と思わせるおそろしいほどのワイン通、食通のお客様も実際には沢山いらっしゃいます。あ!でもこういうお客様もやっぱりそのサービスマンに心地よさがないと好きじゃないみたいですね。)すごいのはわかるんだけど、それ以上にやっぱりサービスマンなので、お客様に心地よい場所と時間を提供するのが大切だと思う。その点、彼(もちろん、名前も知りません・・・)は本当にすごいと思う。一般日本人がフランスの3星レストラン『トロワグロ』で食事をしているにもかかわらず、緊張することなく、居心地がいいのである。それは本当にすごい事だと思う。そして、肉料理にあわせてハーフボトルの赤ワインを頼みたいけど、なにがお奨めですか?と聞いた時に自分がこれだ!と前もって決めていたワインと意見がぴったりあったのももちろんポイント高かったのですが・・・笑。 (それを抜栓してくれたソムリエはちょっと・・・・ ル・サンクも同じパターンだったな・・・。苦笑)
自分も将来、ワインに詳しいソムリエでは終わらず、こういったソムリエになりたいと心底から思います。
『トロワグロ』・・・・ やはり、ここも真なる巨星だと思う。
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