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◆ラテン旦那と大和撫子妻◆
ボート初日のアクシデント
海の脇にあるトレーラーハウスも購入し、不要なスペースなどを改造し、ベッドを増やしたので準備は万端です♪
とりあえず土曜日の午前中は、従兄弟のルイホ(ルイス ホセ)のボートを借りて、カラコレスという名のついた(マングローブの)若い人達の人気スポットへと行ってみました。
着くとそこはレゲトンが、ガンガンと鳴り響き、若い人達で溢れかえっています。
(凄いパワーだわ~!)
私達は暫し呆然として見ていました。
旦那がボートから降りてゆっくりと群れ!?に近ずいて行くと、子連れの私達の方を皆見ています。
楽しそうだから、つい嬉しくなっちゃってニコニコして周りを見渡して居ると、
なんとティファニーを抱っこしている私に向かって、意味有り気にウィンクしたり、手招きする輩が居るんです。
私:「え......何々???」
そこでハッと気が付きました。
常々旦那が私に口うるさく言っていた注意事項というのを!
というのは、
“プエルトリコの男達は情熱的だけれども、だからこそアグレッシブな面も多いんだ。
下手に目を合わせたり微笑んだりしようものなら、自分に気があるんだと思われて、旦那が傍に居ようが彼氏が居ようが、お構いなしにアプローチをして来るんだ。だから気を引き締めて、毅然な態度を取る事が必要なんだ。”
私:「なるほど~。これがそうなのね~」
妙に感心する私。
「へらへらしてたらレイプされちゃうぞ!」
という旦那の言葉が大袈裟じゃなかったことを確認。(笑)
ここはちょっとやばそうなので、いつものスポット、エンリケ(子連れが多く集まる場所)へ移動しました。
その日の収穫。今日は引き潮で色んな物が採れて面白かった! 赤、黒、白、緑のウニも見つけました。
変わった形の貝や、割と大きなコンク貝4つ。
でも中に住人が居たので海に戻しました。
何せ見つかっちゃったら罰金が$500なんですよ。
貝殻だけだったら問題ないんですけどねー。
そんな中、ヘリコプターや、ジェットが騒がしく空を飛びまくっているんですね。
何かあったなーとは思ってはいたけど、後からわかった話。
あの熱気だったカラコレスで、若者がDOD(drug over dose。麻薬を大量に取りすぎて中毒を起こした)で、溺れた為だったらしい。
こわ~~~!
それは良いとしてですよー。
どうなっちゃってんのー?
待てど暮らせど、ボートがパルゲラに到着した知らせが来ない。
子供達はイライラして
「未だなのー? もうとっくに予定の2時を過ぎてるよー」を連発。
私:「ほらみろ~!だから、当てにするなって言ったでしょうー?!
君達、ここはプエルトリコよ~(笑)」←自慢してどうする!?
実は私昨日子供達に、
「“ボートが2時に到着予定”と言うのは、言っておくけど100%変更になるわね。当てにしないように。
夜になるか最悪の場合、ボートは来ないでしょうねー。」
って言ってあったんです。
Jenはそんな私のコメントに「マミーのそういうネガティブな態度って、好きじゃないわ」
って少々お冠だったのね。
でも今は、納得したよう。(笑)
到着予定の2時を過ぎた時点で、念の為にボートやさんにTELを入れると、思った通り、
未だSan Juanのボートやから(プエルトリコの首都で、パルゲラまで2時間ほどかかる)出ていないと言う。
私、プエルトリコ歴早8ヶ月。
既に怒りの気持ちなど、湧いて来ません。
「やっぱりね」ですよ(笑)
まあ、時間通りに来てくれたり、物事が運んだ時には、
まるで奇跡でも起こったかのように、歓喜し、そしてその人に“ありがとう!”と、心から感謝する自分が居ます。
結局ボートが着いたのは、その日の7時頃。
従兄弟のJavier(ハビエル)と共にボートとご対面しに行きました。
やったー!と思いきや、
「あれ? ボートの名前が付いてないじゃん!」
ボートやさん:「手違いで、色をGOLDで注文したのに黒で来ちゃったから、やり直しさせたんですよ」。
ネームの貼り付け業者は、ルキジョ(プエルトリコの東、パルゲラまでは、3~4時間かかると思われる)から遥々ここに向かって今移動中です。」
はあ~。ボートは付いたけど、名無しですかぁ~。
取り合えずボートにガソリンを入れ、(計$420也。ガ~~~ン!)
ボートをマリーンへと移しに移動。
この日のパルゲラは大混雑!
狭い中をボートを車で引っ張って移動をするのは大変な作業。
通行人、反対側の車の人等、総動員で協力して移動。
こういうときのプエルトリカンは、頼まなくても皆協力してくれるの。(笑)
私と子供達はボートに乗ったまま皆の動きを観察。
そこでティファニーがまたもや、ティファニーしちゃったんですよー。
ボートが移動するのを立ち止まって眺めていた若いお兄ちゃん2人組みに向かって、行き成り立ち上がって投げKISSをする娘ティファニー。
先が思いやられる..........。
外はとっくに暗くなっていた為に、旦那はボートを水に入れて走らせることを渋ったんですね。
でも、私達よりもボートの事を楽しみにしていた従兄弟のJavier(ハビエル)が、パルゲラなら大丈夫、任せておけって強く希望するものだから、旦那は私に
「本当は今日ボートに乗るのは危険だし嫌なんだけど、彼を信じて見るよ」と言った。
ボートがめでたく入水し、エンジンをふかして夜の海を走行し始めました。
途中で、ボートのネーミングやさんをデッキで拾って、快適にボートは進んで行きます。
空を見上げると星が一面に輝いています。
気持ちいいね~~!!!!
ついつい舵を握っていたJavier.
スピードを上げて走行します。
するといきなり、
スーーーーーーーーって感じでボートのスピードが落ちて、右に大きく傾いて止まってしまいました。
「え!? どうしたの?
何が起こったの????」
全員一瞬の沈黙!
下を見ると、引き潮がきつかった為に普段大丈夫な所が海底むき出し状態だったんです。
そうなんです。
旦那の嫌な予感が当たってしまったんです。
ボート到着初日、2時間後に
私達は座礁してしまったんです~~~~~!
下を覗き込んで男共は「Holly sh○○!」を連発。
ひょえ~~~!
嘘でしょう!
こんな事があっていいわけぇ~~~~!?(涙、涙、涙)。
男達は素足でボートから降りて押してみるけど、びくともしません。
ボートやさんは直ぐに無線で連絡を取っています。
皆で左右に揺らそうって言ったって、動きもしません。
男4人、女3人、子供4人です。
するとそこに小さなボートが近ずいて来て、
「Do you speak English?」と聞いてきました。
どうやら私達の様子に気が付き、アメリカ人のカップルが寄ってきてくれたんです。
そこへ、違うもう一艘のボートもやって来て、ロープで引っ張ってくれる事になりました。
旦那はJavierに対して怒りが隠せない模様。
「奴を信じてたのに!」を繰り返しています。
Javierは大汗をかいてボートを押しながら、「Oh my god」と何度も呟いています。
冷静になって下を見ると運良く、さんご礁ではなく海底は砂場です。
何となくボートに大打撃が無かった事を直感したけど、
やっぱり調べてみないと解りません。
ロープで引っ張る事数十分。
ボートはびくとも動きません。
無線で連絡を取った違うボートがやって来て、一緒に引っ張るけどこれもだめ。
下で悪戦苦闘をしている男共の足は、ウニを踏んで棘だらけ。
ところで、ウニって踏んだ事ありますか?
あるわけないですよねー。
私はあるんですがトゲ一本でも、もう悲鳴を上げるくらい痛いです。
蜂に刺されたような、ジンジンする痛みなんです。
でも、何十分か経てば自然と痛みも取れて、棘も自然に無くなってしまうんですよ。
子供達が不安におののいているのを察した、若いネーミング業者のお兄ちゃん。
「ホラ見てごらん!真っ赤なスターフィッシュ(ヒトデ)だよ!」と言って、ヒトデを手にとって子供達に見せ始めました。
中々若いのに機転が利くのう~。(感心している場合ではない!)
埒が明かずに、時間だけが経っていきます。
旦那に女、子供はボートから降りて、救助に来てくれたボートに乗り、トレーラーハウスへ帰るように言われて、男達を残して私達は先に帰ってきました。
トレーラーハウスに戻ってから、隣近所の人達に訳を話して、夜の10時をとっくに過ぎていたけど、大きなボートを持っている人に、今から沖に出て行ってボートを引っ張ってくれないか、お願いをして歩きました。
気前良く引き受けてくれたのは、私達の斜め向かいの若いグループ。
子供達にシャワーを浴びさせ寝かしつけて、私達は無事を祈るだけです。
彼らがずぶ濡れの、よれよれになって帰って来たのは1時を過ぎていました。
その後、私達のトレーラーハウスで、皆で酒を交わして話をしました。
今日の出来事は、皆にとって良い教訓になった。という事。
逆に考えれば、ボートを手にした初日にこういう事故に遭い、にも拘らずボートに何の損傷も無かった事は奇跡的で、
誰かが(何かが)取り返しの付かない大きな事故に遭う前に、見せしめとして起こしてくれた事故だったんだって、
前向きに受け止め、
そういう事で皆の意見が一致しました。その後は、
ネーミング業者の若い夫婦は、従兄弟のルイホのトレーラーハウスに泊まらせる事にしました。
ボートやさんは、翌日仕事があるからと言ってよれよれのまま帰って行きました。
Javierは、いつもの元気が失せちゃって意気消沈しています。普段の彼はとっても陽気で、皆を笑わせている楽天家なプエルトリカン。
その彼がしゅんとしちゃっているから、何だか可哀想な感じなんです。
「Javierは、悪気があってしたんじゃないんだから。」と言っては見るけど、旦那は
「いや、やっぱりこれはきっちり話すことは話さないといけない」って硬い表情のままです。
旦那は隅の方で彼を呼んでずっと話をしています。
うな垂れたまま話を聞いているJavier.
私は気になって仕方ありませんでした。
最後には彼の肩をパンパンと叩いて、抱き合っていました。
それを見てほっとした私。
“Guy thing”(男のやる事、筋道、)がどうやら、無事終了したようです。(笑)
後から聞いたのですが、ボートが浅瀬から脱出した後、
旦那はあえて、Javierに舵を握らせてドックまで帰って来たそうな。
やれやれー。とにかく色んなことがあった一日でした。
明日は朝早く起きて、ボートに乗ろう!
次の日晴れてボートに乗った私達。
Javierの家族とネーミング業者のカップルも含めて、ちょっと遠出をしました。
そして生まれて初めて、生のイルカの群れに遭遇!
ボートに合わせて一緒に泳いでいるんですー!
「イルカよ~!かわいい~!」
子供達も私もボートから身を乗り出して、キャーキャー大騒ぎ。
イルカの濡れて輝く背びれが波間から見え隠れしています。
昨日と打って変わっての、思いがけないイルカちゃん達の歓迎!?を受けて、とっても楽しい一日でした。
Javier,昨日の教訓が効いているようで、今日の彼はとっても慎重でキビキビしていましたよ♪
残念ながら今回ボートの写真は撮ってないんです。
トレーラーハウスに忘れて来た大バカ者な私。
次回はちゃんと写真撮ってお見せしますね~。
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