◆ラテン旦那と大和撫子妻◆

物乞いについて思う事





プエルトリコに来たら必ず目にする


信号待ちの間に行われる、“物乞い”や、“物売り”について

話したいと思います。



運転していて信号待ちをする度に,

新聞や花,トロピカル・フルーツ、冷えたボトルの水、バナナ・チップス、

ココナッツ・クッキー、椰子の葉で作った飾りetc.....

を瞬時に売りに来る人達が居ます。



中には、様々な寄付のお願いの為に子供や青年達まで

献金の為の缶を持って、車の合間を縫って歩いているのである。


私は子供が車の合間を縫って。。。

などというリスクを背負ってまで、

献金活動をする姿を見る度に、とてもナーバスになります。



いつも目にする、やせ細ってよれよれの服を着、

真っ黒に日焼けをしたお爺さんが

どこで仕入れたか定かではない、

1房のバナナを片手に高く持ち上げて、

車の合間をゆっくりと歩いてくる姿を見るのは、

とても忍びないものです。

もしかしてお爺さんは、家族の為に暑い中何時間も

こんな事をしているのかな。。。?



つい

「バナナはいらないから、どうぞ」と、

少ないけど$20札を差し出す。



このように明らかに仕方なく生活の為にやっているとわかる物には

協力もしたくなるものだけど、



この物乞いには、

もう一種類あるんです。




それはドラッグにおぼれ、

Stone状態(らりった状態)で

よろよろとマクドナルドのジュースのコップなどを持って

物乞いするのです。


もう完全に目が、どっかの惑星辺りまで行っちゃってるから


一目瞭然です。



コップを持って車の窓まで来て中に居る私達を伺っているけれど、


周りの人達は、こういうジャンキー達にお金を上げても

又麻薬を買う事に使ってしまうのだから、

お金を上げる必要は無い。 と言っています。


確かに皆目を合わせないように無視しているし、

お金を上げているシーンは未だお目にかかった事が無いです。




私もそれに習って無視をするのだけど、

窓越しに私の顔を伺っている姿がわずかに視界に入るんですね。

何とも胸が締め付けられるような、嫌な空気。。。。


早く立ち去ってくれる事を必死に心の中で願ってしまうのです。



こんな事でいいのかな?


どんな理由があろうと、平等に接してあげるべきじゃないのかな?


こういう場面に接する度に、

幾度となく自問自答の葛藤があります。



でも、未だに答えは出せず仕舞いなままです。




私の住んでいる家のコンパウンドの出入口の信号付近に


最近異様な雰囲気の女性が、午後になると必ず立っている。


彼女を初めて見た時に、

余りの異様さに思わず目を背けてしまいました。


ガリガリにやせ細り、骨がごつごつ見える身体に

タンクトップにスカート。


髪の毛は殆どが抜け落ちた状態で、ハゲタカの様。

目ばかりが大きくギョロギョロと動いている。


明らかにエイズに犯されていると推測される出で立ちです。



サルがグルーミングをする時のように、身体をいつも掻いていて、

忙しそうに掻いたその手を口に運んで、何かを食べているんです。


うっと、思わず目を背けてしまう光景です。


でも、これが現実なんですよね。


プエルトリコでは貧困層の間でのエイズ感染が多くて、

町のあちこちにはコンドームやさんを良く見かける。



島内での貧困の差も割りと激しい。


こんな、四国の半分ほどの小さな島に、

金持ちが沢山居れば、貧困層も多い。



私の見たところのプエルトリカンは、

お気楽でフレンドリー、パーティー大好き人間達の層と、


インテリで、しっとりと落ち着いた層と、

真っ二つに分かれると言う感じ。


私の子供達の通う学校は私立(アメリカンスクール)です。


家は別に金持ちだから子供を私立に入れられたわけじゃない。


はっきり言って、会社のバックアップがあるからこそ入れられる、

所謂


“偽金持ち” なんです。(笑)



私達のような事情の家庭はごく一部を除いて無いでしょう。

実際学校に通っているクラスメートの殆どは、


資産家の御令嬢、御子息達である。



その証拠に、ここの学校の父兄達のSnobな事!

鼻持ちなら無いほどですよ!


ブランド物に身を包み、よく言う


「おほほほほ~~~!」の世界。


クラスメートの誕生日パーティーに招かれる度に、


その豪邸の数々に息を呑んでしまうほど。。。




家族がHILTON HOTELなどの

メンバー・シップを持っているのでしょう。

HOTELのプライベートビーチで豪勢にバースデー・パティーです。


そうかと思えば、長女が招待された中で、

ウォーターフロントの豪邸、そしてその脇に停泊している

うん億円はするであろう、自慢の大きなクルーザーで沖に出て

その船内でのディナーを食べながらの

バースデーパーティー、なんて言うのもあった。


こんな世界に居ると、プエルトリコのエイズや貧困の問題など

どこかへ行ってしまう感じになってしまう。



話がちょっと外れてしまったんだけど、



実は、さっきの異様な出で立ちの彼女に、


お金を上げている人達を何度か目撃した。




私?


私は未だ彼女にお金を上げたことが無いんです。



気持が決まって無いというか、


彼女を直視する勇気が無いのか。。。。。。




でも今日彼女の事を思い切って書いてみて、



面と向かって彼女の顔を見て接する事が出来るような気になって来ました。



ジャンキーにやる金など無い!


と言うのにも一理あるとは思います。



でも、彼女の場合どう見ても仕事が出来るような状態ではないです。


あんなに骸骨のようにやせ細って、

後は死を待つばかりといった感じです。



これには色々考え方の違いはあると思います。


皆さんの意見が聞けたら嬉しいです。


こういう場合、貴方ならどうしますか?



今一揺れ動いている私なのです。




~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*


追記です。


もう1つ書き忘れている事がありました。



ピンポーンと、各家を訪問して寄付を請うものです。


私の家にも何度かありました。



玄関のドアを開けると必ずと言って良いほど子供が

2,3人立っているのです。



ある時は、3人姉妹がホームメイドのリングケーキを売りに来ました。


子供だけで!?と驚いて外をよく見ると、

ちゃんと親らしき人が、ミニバンに乗って待っていました。


値段を聞くと$30と言われ、ちょっと驚きましたが


買いました。


このリングケーキ、見た目はただのスポンジケーキに

パウダーシュガーが軽くかかっている問というシンプルなもので、

全然期待をしないでいたのですが、食べてびっくり!



海外でこんなに美味しいリングケーキを食べたのは初めてでした。


甘味がとても上品に押さえられていて、生地もしっとり!

パウダーシュガーのほんのりとした甘味とミックスして

食べ出したらもう止まらない、止まらない!


こんなに美味しいんだったら、

もっと買っておくべきだったって後悔しました(笑)





昨晩9時ごろドアベルが鳴って、ドアを開けると

可愛い2人の男の子が立っていました。


缶を私の目の前に差し出してスペイン語で話し出したのは、

弟と思われる、6,7才位の男の子。


スペイン語が解らなかったから、ちょっと離れて立っていた


ティーンエイジャーのお兄ちゃんに英語が出来るか?って聞いたら

頷いて前に出てきて説明してくれました。



筋ジストロフィーにかかっている子供達の為の基金だそう。



筋ジストロフィー云々と赤い文字で書かれた、
ただの透明なプラスチックの缶に、

お札が何枚か入っていました。



怪しいなぁ~~~。。。。とも思いましたが、


少しですが寄付しました。



男の子2人でこんな時間に危ないなぁ~と思ったので、


「もう遅いから、気をつけてね」

と言うと、にこっと笑って去って行きました。



Nicoleが一部始終を見ていて、



「Mommy! You made a big difference tonight!」(笑)




何だかなぁ~~~???と、眉唾な感じだったけど、


断る理由もないと思って寄付しました。





こういう事もあるんですよね~~~~。







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