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◆ラテン旦那と大和撫子妻◆
親はどこまでクールを保てるか
一昨日、次女のNicoleが学校から帰るなり、
“今日学校であった事”
を、一番乗りで機関銃のように喋りだした。
大体子供達が、学校から帰って来て早々というのは、
全員が我先にと、同時に喋り出すので、聞く方も必死。(笑)
でも今回は、いつもは周りに優先権を譲るNicoleが、
よっぽど私に話したかったようで、息せき切って話し出した。
Nicoleの話を要約すると。。。。。
Nicoleのクラスに、二卵性双生児の内の一人である、A君が居る。
A君は学年でも、 Whimp(弱虫)というレッテルが貼られていて、それは周知の事実。
(8年生の長女Jenまで知っていました。)
お昼休みに男の子達が校庭で、
バスケットボールをして遊んでいたんだけど、
人数調節の為に、A君と、他にも2人程、途中で外されたらしい。
そこでA君は、携帯で泣きながら母親に訴えた。
怒った母親は物凄い剣幕で、
しかも、即効で学校へ乗り込んで来たらしい。
全員がクラス・ルームに居る所へ姿を現した母親は、
ドアを開けるなり、担任の先生に興奮気味に話をするや否や、
今度は子供達に向かって、
「貴方達!
特に男の子全員に言いたいんだけど、息子をいじめるのは辞めてちょうだい!」
そう叫んでから、
勢い良くドアを叩き付けて出て行った。
でも、直ぐに又引き返して来て、
「息子のバースデーを台無しにしてくれて、
THANK YOU VERY MUCH!!
」
と、
捨て台詞を残して去って行ったそう。
この日はA君と、その双子の妹のバースデーで、
クラスでカップケーキを食べたばかりだった。
突然の出来事に、唖然とする教師と子供達。
先生は溜息交じりに、
「こんな結果になってしまって残念だわ。
Miss.○○は、かなり興奮していたようだから、
彼女の振る舞いに関しては、気にしないように。。
でも、A君については、皆でじっくり話し合う必要があるわね。」
と言ったそう。
ところが、
A君のお母さんが、
「男の子全員」
と言った事で、
全然関与していなかった男の子の一人が、
トラブルになってしまった。= 両親から怒られる。
と考えてしまい、
「自分は関係無いのに!」
と、泣き出してしまったそうなんです。。。
さて、私はこの話を聞いて、
思いっきり、溜息をついてしまいました。
だって。。。
この母親の気持ちも痛いほど良く解るし、
突然怒鳴り込まれた、子供達のショックも良く解るから。。。
Nicoleの話を聞いた後、
もし私だったらどうしていただろうか。。?と思い、
“もし自分の息子が泣きながらTELをして来たら。。。。”
って、
なるべく現実味を帯びさせるように、状況を具体的に想像してみた。
はぁ。。。。
きっと一瞬の内に、
全身の
血液が沸騰
する事でしょうね。
学校へ乗り込んで行ったかも知れない。
でも、子供達に怒鳴るかどうかは、
実際にその場になってみないと分かりませんが。。。。。多分しないと思うんだけど。。(苦笑)
だからこの事件は、
人の振り見て、我が振り直せ。
の、良い見本だな。って思ったんです。
今回の悲劇は、
息子を守りたいが為にした母親の行動が、
全く裏目に出てしまった事。
そしてその結果、
彼女の愛する息子にとって、
彼女が一番望まない筈の、ネガティブな結果をもたらしてしまった。
A君の母親が捨て台詞をして出て行った後に、B君が泣き出した事で、
益々波紋が広がり、
Nicoleの様に家へ帰って、この事件の話をした子供の親の誰かが、
この母親に対して怒り出し、
下手をしたら学校へ乗り込んで来るかも知れない。
もっと悲惨なのは、
Nicoleも言っていたけど、
クラスの皆が、
「A君はやっぱり 、
“Mama's boy”
(ママっ子)なんだ。」
と、確信を得てしまった事。
男の子にとって,“Mama’s boy” と呼ばれる事ほど
屈辱的な事はない。
“A君に何かあると、直ぐにマミーに告げ口をするから、
アイツに近づくのは止めようぜ。”
と、今までよりも増して、
駄目押しのような、暗黙の了解のようなものが出来てしまった。
彼女は憤慨して、我を見失ったばかりに
このような最悪な結果を導いてしまった事に、気づいているのだろうか。。
“皆が可哀相な結果”になってしまった事が、残念でならない。
これと似た経験を、実は6年ほど前にした事があります。
当時、ペンシルバニアに引っ越したばかりの頃でした。
冬になると学校帰りに、バス停から家までの、
ほんの十数メートルほどの間で近所の子供達と、
雪で遊んでから帰って来る事が良くありました。
ある日、
学校から帰って来て、玄関先で雪だらけのジャケットから、雪を振り払っている所へ、
2軒隔てた所のM君の母親が、物凄い剣幕で家へ怒鳴り込んで来た。
私も子供達も、突然の出来事にびっくり仰天。
玄関先で大興奮するこの母親の、甲高い声に圧倒されながらも、
今起っている状況を把握しようと、
自分を落ち着かせて、よくよく彼女の話を聞くと、
“彼女の息子M君(9歳)が、皆と雪投げ(雪合戦)をしている最中に、
「自分にこれ以上ぶつけないでくれ」と言ったのに、
皆聞かずに、かまわず投げつけて来た。”
と言って、泣いて帰って来た。
と言うんです。
私は脇に居た娘に、
「本当にそうなの?」
と聞くと、目を大きく見開いたまま、黙って首を横に振るばかり。
このお母さんが怖くて、言いたい事も言えない。と言うような感じだったんです。
私はこのお母さんの話だけで、子供を叱りたくはなかったので、
「とにかく、お互いに(彼女も私も)実際にその状況を、この目で見たわけではないし、
今この場で家の子を叱るのは、フェアーじゃないと思うんです。
一方的な息子さんからだけの情報だけではなくて、
他の子供達も含めて、全員から話を聞いてみたらどうでしょうか?」
って、掛け合ったんだけど、
無理でした。
もう興奮状態で、全然聞く耳持ってないんですよね。。。。
娘達には、
「いくら皆でふざけて遊んでいたからといっても、
M君が、「止めて」と言った時点で、止めるべきだったね。
自分では気が付かなかったのかもしれないけど、
本人にしてみれば、本気で嫌だったんだと思うよ。
自分がもしそうされたら、どういう気持ちになると思う?」
とだけ言って、
この母親にではなく、
M君に直接謝らせよう、としたら、
M君は来たくない。と言って、家に残っているそう。。
私はこの時、彼女に対して憤りさえ感じました。
ここまでやるんだったら、息子を連れて来るべきなんじゃないの!って。。。
母親が外で大暴れをして、
息子を家に置いておくなんて、益々息子の立場を悪くするだけじゃないか!
そう思ったんです。
何だか疲れてしまいました。
暫くして落ち着きを、ちょっとだけ取り戻した彼女は、
「息子が家で待っているから。」と言って、帰って行きました。
30分もしない内に、事件に関係していた他の子供の母親3人が
家へ尋ねて来ました。
あの剣幕だったから、勿論隣近所に筒抜けで、
運悪く、家が彼女の家から一番近かった為に、
一番乗りでガァーッと、やられてしまったみたい。
彼女達も、やっぱり彼女の行動にびっくりしてしまったらしい。
聞く所によると、
M君は近所でも、 「Mama's boy」(又!)で、有名なんだそう。
彼女達はお手上げ。と言った感じで
「M君と、家の息子は合わないみたいだから、
これからの付き合いを考えるわ。」と言っていた。
私にはM君の母親が、自ら進んで、
Mama’s boyを作り上げているとしか思えなかった。
何とも後味の悪い結果になってしまいました。
子供の喧嘩に親は口出しするな。
と、昔の人は良く言ったものだけれど、
ごもっとも!って思います。
一々親が血相を変えて出て行くのは、
良い結果をもたらすとは思えません。
恋は盲目というけれど、
愛する我が子の事になると、やはり私達は盲目になってしまいがち。
子育てに関して、人それぞれ考えや方針は違います。
子供同士の揉め事にせよ、
親がある程度関与しなければならない場合も、中にはある。
でもそれは、勿論表立ってではないですが。。。
例えば、
幼い子供は(以前にTVで観た実験によると、ティーンエイジャーでも。だそうです。)、
未だ“相手の立場になって物事を考える。”とか、
こうすればこうなる。。等の、先々の事を考える能力等が、
個人差はあるけれど、まだ未発達で、
だからこそ、
その都度適切な、大人からのガイダンスが必要なのではないか。
って、思います。
唯、その時の親の関与の仕方が問題なんですよね。。。
先にも言ったけれど、
私だって、実際に自分がそういう状況に立った場合に、
我を忘れて後先考えずに、切れてしまうかも知れない。
結果として、皆が可哀相な、悲劇を起こしてしまうかも知れない。
だからこそ、
こういう事件が起ると、身が引き締まる思いがするんです。
こんな時に、
冷静に、クールに対処出来たら、文句無しなんですけどね。。。(苦笑)
子育てって、
“こうすれば100%OK!”
みたいな事なんて有り得ない。
だからこそ、奥が深いし
私達親達も、子供達から学ぶ事が沢山ある。
“SPANGLISH”
という映画を観た人は分かると思うんですが、
アダム・サンドラーが演ずる父親は、とっても子供の気持ちが分かる父親。
こういう事をすると、子供はどう思うか?
良かれと思ってした事が、子供にとってはどう映るのか?
どう傷付くのか?
私は、“親はこうあるべきだ。”って
映画を観ながら思いました。
この映画は、周りの人から結構不評だったんで、
敢えて観ようとは思わなかったんだけど、
ある時ムービーチャンネルでやっていたので、何気に観てみたら、
私はこの、アダム・サンドラーの父親のキャラクターが、
とっても気に入ってしまったんです。
それだけではなくて、
メキシコから移民した母親の、楽をして良い生活を手に入れるのではなく、
己の力で手に入れろ。と言うような、
セルフリスぺクトを、凛とした姿勢で娘に示す姿。
私は観ていて、思わず唸ってしまいました。(笑)
この先、私にとって
子供達と接するのに、とーっても良い勉強になったと思います。
勿論即効でDVDも購入しましたよ。(笑)
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