◆ラテン旦那と大和撫子妻◆

GATE(Gifted)プログラム

今まではアメリカの特別プログラム、

特別に助けが必要な場合のプログラムの話をして来ましたが、
(*まだ読んでいない方は、 “Nicoleとの戦い Part 1”  から読んでみて下さいね。*)


今度は、長女Jenniferの時にお世話になった「GATE PROGRAM」、

よく言う「GIFTED PROGRAM」 について、書いていきたいと思います。


GATE PROGRAM とは、(Gifted and Talented Education)の略称です。

アメリカでは、能力は人間が生まれながらにして、与えられたもの。という考えが強く、


能力を持つ子供が特別に設けられたクラスで教育を受ける事が出来ます。


逆に学校では、読み書きや算数等のヘルプが必要な子供の為には、
リソースルーム等も用意されており、一人一人のニーズに合った教育を受けさせてくれます。


ただ一口に GIFTED と言っても、その段階は幾つかあって、IQが145以上になると 「Highly Giftd」と呼ばれます。

所謂日本で言う「天才」と言われる知能指数だそうです。

でもその又上もあって、IQ180以上の子供達の事で、ちょっと名前は忘れてしまいましたが、確かExtended Highly Gifted だった様な....。

今度ちゃんと調べておきます。(ごめんなさい!)


アメリカ国内にはこの、Highly Gifted の子供達だけを集めた学校も有ります。


それからIQテストの時は、一緒に性格判断もされます。

頭がどれ位良いか、だけではなく、精神面の成熟度も見るわけです。



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私達が初めて学校の担任の先生から、Jennifer の能力について話を聞かされたのは、
彼女がまだキンダー(幼稚園)に居る時でした。


Parents-Teacher Conference (親子面談)の時に担任のMrs. Barry から、


「Jennifer はちょっと普通ではないので、彼女が1年生に上がったら、学校のセラピストと児童心理の先生に話をして、IQテストを受けさせてあげて下さい。私の方からも学校側に推薦状を提出して置きます。」

と言われ、初めはちょっとびっくりしましたが、でも心当たりが無いわけではありませんでした。

例えば、、、、



Jenは、1歳6ヶ月の時点で既に600以上の単語(日本語と英語、スペイン語を少し)を話していて、私は日々新しい単語が増える度に、育児日記に記録をしていました。

検診の時に、子供が話せる言葉の数を保健婦さんに聞かれて、



「600以上です。」って答えても、全然信用されませんでした。
「それは、60の間違いではないですか?」と、半信半疑な反応をされてしまいました。


その他にも、一回教えると何でも一発で覚えてしまい、
私はJenに色々と教える事が、楽しくて仕方が無かった事を覚えています。


テレビも退屈しそうな大人の番組を、ずーっと食い入る様に見ていたり、普段実際の年齢よりも2,3歳は上に見られていました。

寝る前にベッドで本を読んであげている最中に、その本の内容について色々と質問をされて、中々ストーリーが前に進まない、というのもありました。


後から「Gifted の子供の特徴と早期の見分け方」。

というプリントを先生から渡されて、私が一番強く、なるほどと思ったのは、


その飲み込みの早さと、言葉の発達。

そして 赤ちゃんの時から、全然お昼寝をしない子だった。と言う事です。


お昼寝は既に生後2ヶ月位から、寝かしつけてから未だ、ほんの10分程度で直ぐに起きてしまい、きゃぁきゃぁと声を発して、
機嫌良くベビーベッドの柵に取り付けていたオモチャで遊び始める。という状態でした。
酷い時は、寝入ったかと思いきや、即効で目を覚まして遊び出しました。
愚図るとかそういう事は無く、機嫌は至って上々なので、本当に、(;´д`)トホホでした。


なので当時全然お昼寝をしてくれず、一息入れる時間が全く無かった為に、周りのお母さん達が、「家の子は2,3時間はたっぷり寝てくれるわよ。」とか、そういう話を聞くと、全然お昼寝をしてくれない我が子を、私に意地悪をしているのか。と、恨めしく思ったものでした。

なので、そう言われてみればって、振り返って考えると思い当たる事は数多くありました。



1年生になると、Mrs.Barryの方から既に、1年生の担任の先生に申し送りが有った様で、一番初めの親子面談の時に、Gifted についての話を細かく教えてもらいました。


先ず初めに、学校に専属で居るサイコロジスト(児童心理学者)と、ガイダンス・カウンセラーの先生と面談をし、簡単なテストを受けます。


その時点で先生方が、この生徒は専門の先生に来てもらってIQテストを受けるべきか否か、と云う事を判断します。


沢山の用紙に色々とサインをさせられ、いつIQテストをするのかという事は、全く教えられませんでした。

1ヶ月が過ぎた頃、学校から分厚い封筒をJenが持って帰ってきました。


その中には、サイコロジストの先生からの手紙と、これから州の専門家が派遣されてIQテストを施す。という通知と、それに伴う数々の書類へのサイン(又!)が必要という事で、
書類のあちこちに鉛筆で薄く丸がしてあり、そこにサインをしてくれという事でした。


それから、事前にIQテストを受けるに当たって、先生と親との面談もありました。


面談で親は、先生方と納得するまでとことんGifted Program について質疑応答が出来ました。


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さて書類を全て提出し、準備万端整いましたが、
テストの日時を報せる連絡を待っていたのに、全く音沙汰がありません。


2ヶ月位経過した頃、

「やっぱり先生方は、きっとテストは止めた方が良いって、考え直したんだね。」

などと旦那と話をし始めた矢先に、

再びJenが、一通の白い封筒を学校から持って帰って来ました。


Jenから封筒を手渡され、見慣れない先生の名前が書いてある封筒の封を開けようとした時に電話が鳴り、受話器をとると、
それはJenのIQテストを施した、専門の先生からでした。


結局私達が知らないうちに、何の予告も無くテストをしたようなんです。


その先生はBerger先生といって、私が電話に出るなり軽く自己紹介をされ、



「もう封筒は開けられましたか?」と聞くので、たった今開けようとした所だと言うと、



「Congratulations!」 



と言ってから、Jen がテストにパスをした事と、テストの内容と結果、
どういう判断基準でIQの数値を出したのか、

性格診断の結果なども、口頭でざっと説明してくれました。

詳しい事は封筒の中の紙に書いてある、と言う事でした。

私は真っ先に、先生にお礼を言いました。



するとMr.Bergerは、

日本人の私からは、考えも及ばない事を言ってくれたんです。



「こちらこそ、Miss.Jenniferと楽しく、そして有意義な時間が持てた事を、大変光栄に思います。 
彼女と過ごした3時間は、私にとってとても貴重な時間となりました。
どうぞJenniferにMr.Berger が、くれぐれも宜しく言っていた、と伝えて下さい。」



何だか、妙でそれでいて温かい言葉に,


アメリカの先生ってこういう事をサラッと言えちゃうんだな。

って感心してしまいました。



その後は、先生、Jen本人、両親との話し合いの結果、

特別学校へ行く道は選びませんでした。



そんなエリート達の集まっている所へ行って、萎縮される事を避けたかったからです。


やっぱり未だ子供です。 

伸び伸びと、普通の学校で教育を受けるべき。との考えが一致し、

学年は1年だけ飛ばしてGifted Programを受けさせました。



GATE Programを受ている子供は何人か居て、

その子供達は一日に何回か、クラスの授業を抜けて別室へ移動をし、(よく言う、つまみ出し)

Gifted Program の専門の先生が、個人のペースに合わせて授業をしてくれました。



色々なエリアからの小学校と合同で、
Gifted の子供達だけの、Field Trip (遠足)というのも一年に何度かあり、
それに掛かる費用は(バスのチャーター代、入園料や様々な雑費)全て州から援助されていました。



ニュージャージー州にある、エジソンのラボラトリー跡を訪れたり、

マンハッタンにある、MOMA(近代美術館)、科学博物館等へも行きました。



Gifted の先生と担任の先生、そして親との個人面談は定期的に開かれて、

親としてはどういう事を先生方に望んでいるのか、

先生から見た子供の長所や弱点など、これからの指導についても事細かく話し合いました。



もう一つ重要なのは、子供だけがGifted での教育を受けるわけでは有りません。

勿論親である私達も、子供の能力を上手に育んであげられる様に、

Giftedの子を持つ親達のサークルや、団体などがあって、親達は殆ど強制的!?に出席させられました。(勿論望んでいましたよ!)



DUKE UNIVERSITY(デューク大学)と、STANFORD UNIVERSITY(スタンフォード大学)で、GiftedのAssociation(組合)がありました。



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こうして私達は偶然にも、アメリカの2つの異なった特別プログラムの恩恵を受けたのです。

私の個人の感想としては、Giftedも勿論素晴らしいシステムで、私も色々と勉強になりましたが、

何よりも、Nicoleの時に経験した、New York州のEarly Interventionは、本当に、私の人生に置いて、かけがえの無い宝物になりました。

Special Educationも含めて、アメリカの個人に沿った柔軟な教育体制に、心から感謝したいと思います。。。



次(Part 2)は、そのGifted の早期の見分け方、
そしてもし自分の子供がGiftedであると解った後の、子供との付き合い方、教育の仕方、お勧めのおもちゃや本等について、書いて行きたいと思います。



PART 2 へ続く NEXT



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