◆ラテン旦那と大和撫子妻◆

謎のヘンベルゲル

私が以前に住んでいた場所“ルーズベルト島。”


これはカリブ諸国の中の一つの島ではない。


ニューヨークはマンハッタンの一部なのだ。



位置的には、マンハッタンのミッドイースト(中東部)と、

クイーンズの間を流れるイーストリバーの上に浮いている、

全長3マイルほどの小さな島なんです。



ここはマンハッタンでありながら、安全で自然が一杯。

公園ではいつも子供たちが伸び伸びと遊んでいる。



国連が近いと言う事で、国連関係や各国の駐在員の御家族の人達がこの小さい島の中に、

数多く住んでいるのが特徴でした。



今の国連総長のアナンさんも、以前住人だったんですよ。


そんなこんなで私は幸運にも、


沢山の国の人達と触れ合うチャンスがありました。



******************



彼女の名は Margaret. 


ポーランドからの移民である。


旦那さんもポーランドからの移民で、

当時、グリーンカードを申請中で、かれこれ11年も待っているらしい。



待っている間はアメリカ国外には出れない為に、

「里帰りが出来ないからポーランドの家族に会えないのよ。。。。」

と、彼女に会う度に不満を洩らしていました。



彼女はいつも溺愛している、雪のように白い肌と、ブロンド、ブルーアイズの一人娘、

Bernadett(3歳)を連れて公園に来ていた。


初め見た時は、白髪混じりの彼女だったので、

てっきり孫を連れて来ているのかと思ったほど。(失礼!)



彼女は入れ替わりの激しいルーズベルト島では、かなりの古株で、

正に公園の主で仕切っていた。



いつも彼女の長話しに我慢強く付き合う私を、彼女はとても気に入ってくれ、
いつも話しかけられた。というより、


彼女に捕まったら最後、中々離して貰えなかった!(笑)



Margaretは、老いてから授かった子供だという事もあるのだろうか、

それはそれはBernadettを、目の中に入れても痛くない程に、

猫可愛がりしていた。


公園内ではいつでも近くのベンチに座って監視をし、

ちょっとでも砂が手に付くと、一々拭いてやったり、


他の子供がBernadettからおもちゃを奪おうものなら、

真っ先に出て行ってその子から奪い返したり。(笑)



彼女と仲良くするのは問題無かったんだけど、

一つだけ難問があってね-----、



というのは、


Margaret はポーランド訛りが物凄く強くて、

とても聞き取りずらいんです。


チラッと聞いただけじゃあ、とても英語を話しているとは思えないほど。


だから私はいつも全神経を集中させて聞かないといけないんです。





ある日Margaretは、私にため息を付きながら言いました。


M: 「Bernadettは好き嫌いが激しくて、唯一食べる物といったら、

&^%@$# なのよねぇ~。。。。」



私:「??????」



私「What’s  &^%$# ? 」



何の事だかさっぱり解らない。




Margaret は続けて、



M:「だから、*&^^%$# 」



私:「う~~~~ん。。。。。。  解らない!

ごめん、もう一回言って。」



M:「だから、*&^^%%$#$。」



私:「お願い!ゆっくり言って!」



M:「*&^&^%$#」




私:「全然スピード変わってないんですけどー!」



M:「へーんーべーるーげーるー!」



私:「へんべるげる?  なんじゃそれ??? 聞いたこと無いな~?」




するとMargaretはびっくりした顔で、



M:「貴方“へんべるげる”を知らないのぉ~?」

軽蔑の視線が痛く突き刺さる。



私:「I don’t know へんべるげる...........。I have no idea....」(しゅんとする私。)



Margaretは口角が下がりきって、呆れた顔をして私を見ている。



M:「ほらー、ひき肉を平たくして焼いて、パンに挟んだやつよ。

へんべるげる。 有名じゃないの!」




私:「 えー!? それって、 もしかしてハンバーガーの事!?」




M:「Yes! Yes! Yes! That’s it!

へんべるげる、へんべるげる!」




だめだこりゃ~~!!! 




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