◆ラテン旦那と大和撫子妻◆

うわ~!大胆!

今では何でもないごく当たり前の事で、

私もやっている事なんだけど、

当時の私には、カルチャーショックだった事です。



私がアメリカに移住して間もない頃、旦那のアメリカ人の友人夫婦が,

私達の家に息子二人を連れて遊びに来てくれました。



子供達は、コナー(3歳)と、ライアン(9ヶ月)。


彼等はお土産に、小さくて持ち運びが楽な、

“ハンディー バキューム クリーナー”を持って来てくれた。



「やっぱり子供が居ると、これは大活躍するのよね!」
って、奥さんのキャシーがウインクをしながら私に手渡してくれました。
本当にこれは後々重宝しました。


その後、

なんだかんだと会話が弾んでいた所に、
奥さんのキャシーが、次男のライアンに食事を与える時間になりました。



彼女はマザーズ・バッグの中から、持参して来たベビーフードのジャー(瓶)を三つ取り出しました。


瓶の中身は、サイコロ状にカットしてある人参、チキン、そしてサヤインゲン。


赤ちゃんが手掴みで食べやすいようにと、工夫がされている。



ライアンを、これまた彼等がわざわざ持参して来たハイチェアーに座らせると、



キャシーはおもむろに瓶の中身を、

まるで鳩に餌でもやるかのように、
“ザザーッ”っていう感じで、
ハイチェアーのテーブルに撒き散らしました。



それを見た私は目が点!  

(ちょ、ちょっとー。。。
小皿に盛るとかしないわけー? それに、そのまんまテーブルになんて、不衛生なんじゃないの?
しかも冷たいままよー!)


するとライアンは、待ってましたとばかりに、


テーブルに撒かれた餌!? 

人参をガッシと握って、かぶり付いている。



「た、逞しい........。」

私は思わず感心してしまった。




食事が済んで一息ついていたら、

今度はおむつ交換の時間。



キャシーはサッサと慣れた手つきでお尻を拭いて、

脇にあったベビーパウダーに手を伸ばしました。



赤ちゃんのお尻を、片手でひょいと持ち上げ、ベビーパウダーを

これも又まるで、塩コショウをするって感じで、

お尻にそのままパンパンと振りかけ、手でサササッと撫でて終わり。


*アメリカのベビーパウダーは、
日本のように缶に入っていてパフではたくのではなくて、
上から振りかけるように、コショウの瓶のように穴が開いている。*



脇で見ていた私、粉が宙を舞っていて気管支の弱い私は、

思わず咳き込みそうになる。


「随分やる事が大胆なのねぇ~。。。。。。」

その日は、2度も感心してしまった。




その後私は、当時次女二コール(2ヶ月)の夜鳴きにホトホト悩まされていたので、

何気にキャシーに相談してみた。



するとキャシーはとんでもない事を言い出したんです。




「あら、それはベイビー・シリアルのフレークを、
ミルクに混ぜてあげると解消するわよ。  

赤ちゃんは大抵お腹が空いて泣くでしょう?

ベイビー・シリアルをミルクに混ぜてあげると、
腹持ちがいいからお母さんは朝までゆっくり眠れるわよ!」




これには目が点!を通り越して、飛び出してしまった。


(*ここで言う、ベイビー・シリアルのフレークと言うのは、
オブラートの様に薄っぺらくて、液体に溶け易い物です。*)



「だって未だ2ヶ月よー。 いくら溶けるシリアルって言っても、
お腹こわしちゃうんじゃないの?」って言ってみた。



「大丈夫よ。 新生児のうちから、皆結構やってるトリックなのよ。」
って、太鼓判を押すキャシー。



何だか信じられなかった。

試しに後で色々な人に聞いてみたけど、皆ちょっと分が悪そうな顔をしながらも、



「でもこれやっちゃうと止められないのよね 」って言う。



結局夜の授乳の手間が省けるからだ。



これってでも、自分がゆっくり夜寝たいからって言う、親のエゴじゃないのぉ~?



私は幾らなんでも、新生児の赤ちゃんの身体に良いとは思えなかった。

だから試すつもりも毛頭無かったんです。



ところがですよ! ところが!!!



3ヶ月検診の為に、二コールを連れてドクターのオフィスへ行った時に、

先生から渡された一枚の紙には、




「そろそろシリアルのフレークをミルクに混ぜてあげても良いです。」って

書いてあるじゃないですか!!!




「え~!!!信じられない~!
でも、郷に入っては郷に従えよねー。」


なーんて簡単に考えが変わっちゃう私。



スーパーマーケットに行って早速購入。




その夜、恐る恐るちょっとだけ入れて試してみた。




結果は◎!  ぴたっと夜鳴きが止んで、ゆっくり寝られたんです!




その後は病み付きになってしまった私でした。




でもこれ、必ずしもそうとは限らないので念の為に!




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