◆ラテン旦那と大和撫子妻◆

子連れ旅行の知恵(アメリカ)



あれは長女Jenniferが1歳になったばかりの事。

私達は初孫をプエルトリコのジ~ジ&バ~バにお披露目をする為に

プエルトリコへ行く事になりました。


行くのは嬉しいし,楽しみなんだけど、

問題は、

1歳になったばかりのJENを連れての

JFKまでの14時間。


大人だって飽きちゃう飛行時間。


どよ~~~~~~~ん。




旦那が一緒だからまだ良いものの、

1才そこそこじゃ、そんなに聞き分けなんて良い分けないですよね。


考えただけでも疲れちゃう。



いざ、飛行機に乗ったのは良いんだけど


良かったのは初めの30分くらいで


案の定、歩きたくってぐずり始めるJEN。


旦那と私で両脇から挟むようにして


足で通せんぼ。



そこから出たがって、キーキー騒ぎ出しちゃって


人目を気にしつつ、冷や汗かいて格闘していると、


斜め前のアメリカ人カップルが、やっぱりJenと同じ年頃の

男の子と格闘中だったんです。



彼等の名はStacyとJim。

Jimは息子のBrandonに向かって


「ほらほら、あそこにも君と同じようなBabyが居るよ~。」

って言いながら、こちらを指差して笑いかけて来ました。


私達も、Jenに遊び相手が出来る事と


人目を気にする同士!?が出来た事で


喜んで席を、

子連れでない私達の隣の席のカップルに替わってもらって

Jim達と同席することにしました。



最初は2人共、大人しく遊んでいたんだけど


段々とBrandonがぐずり出して来て


目はうつろで、トロロ~~~ン。


仕舞いにJenにのしかかって来たり


頭をしきりに床につけて

ゴロゴロし出したりしたんです。



JimはそんなBrandonを抱っこしながら



「彼は頭が痛いんだよ。」


と言ってBrandonの頭を撫でました。


私は、

“へえ~。  

流石お父さんね~。

話がろくに出来ない息子の状態が

なんとなく解かっちゃうんだ~。”


って、感心しちゃったんです。



でもちょっと、こじつけの様な気がしないでも無かったですけどね。



BrandonはJimに抱かれたまま、5分もしないうちに眠ってしまいました。



何て手のかからない子供なんでしょう!!!!



私達はその後も、Jenと格闘して

へとへとに疲れてしまったって言うのに!



StacyもJimもBrandonと一緒にスヤスヤお寝んね。




それを横目で見ながら、羨ましいな~と思いつつ、


やっとJenが疲れてウトウトし始めた時に


Brandonが目を覚ましたんです。



するとまだ眠かったであろうJimは、

不機嫌そうに目を開けると


Stacyに耳打ちしてマザーズ・バッグの中から


Tylenol(解熱・鎮痛薬)を取り出し、

Brandonに飲ませました。


その様子を見ていて、慣れた手つきで作業を済ますカップルに

その連係プレーのスムーズさに、

私再び感心してしまいました。



飛行機がやっとJFKに着く頃、


ゆっくり睡眠をとったJim達と


寝不足で疲れ切った私達の



2つの対照的なカップルが


出来上がっていたのでした。





ところが、この飛行中の出来事が


私がアメリカに引っ越して来て間もなく


フロリダで出来たアメリカ人のお友達Debbieから聞いた話で


全てが納得!っていう事になったんです。



と言うのは、


たまたま旅行の話をしていて、Debbieが子連れ旅行のテクニックとして

私に伝授!?してくれた方法と言うのが、


彼等(アメリカ人)は、飛行機旅行などの長時間の旅行の際に


Tylenolなどの解熱・鎮痛剤を子供に飲ませて


旅行をする人が多いよ。

って言う事。


Debbieは更に、

「そうすれば親はゆっくり休めるでしょう?」と言いながら

私にWINKします。




そうなんです。



薬を子供に飲ませると、副作用で眠くなるでしょう?



それを利用しているって言うんです。



ちょっと、目からウロコって感じで、

びっくりしたんだけど


考えてみればあの時Jimが


「この子は頭が痛いんだよ」って言った言葉が不自然なんですよね。



よく考えれば、言葉が話せないのに何で


“頭が痛い”って、はっきり解かるんでしょうね?


そしてあの後にも直ぐに

“Tylenol"を飲ませていたし。


Brandonに初めて会った時には、既に



目がちょっとうつろだった。



それから他の人達と話をした時に、


それと無しに“Tylenolテク”なる物を聞いてみたけど


結構皆さん、ちょっとばつが悪そうにするけど


認めてましたね(笑)




その後、

小児科の先生が、私に長時間の飛行時間なら

Tylenol などの鎮痛剤をちょっと飲ませてみるのも

手ですよ。


って言った時には



心の中のわだかまりは、すっかり消えていました。



「よし、今度は私もそうやって見よう!!!」





そう心に決めて


翌年妹の結婚式に出席する為に、

日本へ里帰りをする事になって



しっかりTylenolを持参して


意気揚々と飛行機に乗った私達。



早速薬を飲ませ、Jenが眠くなるのを待ちました。






待てど暮らせど、一向に眠くなる気配が無いんです。


逆に段々興奮して来ちゃって、



手に負えない状態!




“ど~~して?  ど~~~~して????


何がいけなかったの?



薬の量を間違えちゃったかな!?



やっぱり、子供に良くなかったのかな?”





焦る気持ちを抑えて、

ぐったりした私達は成田に到着。






帰りの飛行機でも、恐る恐る試したけれど


やっぱりJenは興奮してしまって寝てくれませんでした。


飛行機の中でスッチー達を訪問して歩いて


私も旦那もヘトヘトです。







アメリカに帰って来て、小児科の先生にその事を聞いてみたら、



「あ~、   それは子供によって眠くなる子と、


逆にハイパーになる子が居るんですよ。」








が~~~ん!



先生~!  


何で先にそれを言ってくれなかったの~!?








家路に着く道すがら


やっぱり心のどこかで


子供に良くない事をしているって言う


自責の念が邪魔をしたというか、


罰が当たったのかもね。って思いながら、


カーシートでスヤスヤ眠るJenの姿を


バックミラー越しに見つめながら


「マミーが自分勝手な事をしちゃってごめんね。」


って、今更ながら誤ったのでした。(笑)



* くれぐれも皆さんに誤解の無いように

言っておきますが、

これは私が経験した話なので、

アメリカ人全員がやっていると言うことではないので、

そこの所を、御了承下さいね。

たまたま私の周りで多かったのではないかと思います。*


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