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2009年05月09日
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ケラリーノ・サンドロヴィッチ(長いよ。以下ケラさん)作・演出
ナイロン100℃公演 『神様とその他の変種』 を観てきました。

会場は 例によって 下北沢本多劇場。
電車で1本で行けるし、客席と舞台が近くていいよねココ。
ナイロンには今後もここを常設小屋として欲しいものです。あんまり遠くへ行かないで!

今回のお話は展開の凝り方では今まで私が観て来た中でもベスト1,2の出来ではないだろうかっ?
展開が観客が予想している流れとことごとく食い違っていくの。


(※ネタバレするので詳しくは書きません)
陰惨なシリアルキラー…と見せかけて実は、とか
いじめられっ子の引きこもり少年が実は、とか
ダンナの不倫相手と寝取られ妻と、よりひどいことをしたのはどっち?とか。

伏線の張り方も面白いのよ。
行方不明になった刑事と同じシャツを着ているのは何故?実は、みたいな。

ケラさんお得意のかみ合わない会話と同じで、観客と出演者の思いがかみ合わない居心地の悪さがなんとも快感。

こんなお話を最後はどう収拾をつけるんだろう?とワクワクしながら観て行くと…
最後は投げやりっぽく突然終わってしまうのがちょっと惜しい。
まあナイロンらしいといえばそうなんだけど。少々欲求不満が残る。

しかしラストのびしょ濡れになりながらの熱演に免じて、これでいいことにしておこうか。(えー)


それでも客席に影響ないのは、緞帳のように舞台をすっぽり覆う家の壁のセットのおかげ。
ある一軒の家から場面はまるっきり移動しないんだけど、この壁のセットが家の内外を表したり、映像を映し出すスクリーンになったりと工夫が上手い。

特筆したい演出がもうひとつ。(ここはネタバレあり)

ラスト近く、神様(のようなホームレスのような)が昔懐かしいデカいラジカセを肩に抱えて階段の上から登場。

神様は階段の上にラジカセを置いて下に降りてきて、出演者みんなにボコボコにされるんだけど、

観客はついそちらに注目。
すると「あっ神様が消えた」との叫びに目を戻すと、確かに横たわって暴行を受けていた神様がいなくなっている。
ここの舞台にはセリ穴もないのにどうして?と一瞬驚くけど、なんのことはない、
観客がラジカセに目を奪われている隙にこっそり起き上がって他の出演者に紛れ込んでいただけでしたー。と種明かし。

なーんだバカバカしい。でも一瞬だけど本当にびっくりしたのだった。これも上手い!


出演者の感想。
みのすけ:引きこもり少年役。遠目では完璧に少年のようだった。

(私の好きな)大倉孝二:この人はしゃべるだけでオカシイんだけど、今回はシリアスと無縁の役どころでセリフ回しの可笑しさを堪能できました。

峯村リエ:大柄なところ、顔立ち等なんとなく南海キャンディーズのしずちゃん似な気が。でも滑舌は全然違う。

(私の好きな)犬山イヌコ:この人も相変わらずセリフ回しが達者。鬼気迫る演技がちょっと怖かった。

水野美紀:可愛かったです。(これだけ?)


次回作には大倉孝二と犬山イヌコは出ないのか…うーんどうしようかなー。


最後に文句をひとつ。
今回は結構後ろの方の席だったのだが、私の前にいた男子が座高が高くしかも頭がデカイ上に身を乗り出すようにして観ているので舞台が隠れて非常に観辛かった。
しかもコイツがちょっとのセリフで大笑いして、頭をぶんぶん振るんだな。
オーバーアクション過ぎて面白いセリフでも回りはかえって冷めちゃうよ。サクラだとすれば失格だし、観客としてはマナー悪し。

これを見ていたら反省して欲しいL列9番に座っていたキミ!





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最終更新日  2009年05月13日 13時37分34秒
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