みんみんのざる碁日記

みんみんのざる碁日記

2008.07.24
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カテゴリ: 囲碁・検討
先崎学氏の本を読んで、その読みやすさに感嘆しました。


囲碁に関しては、盤面の画像ファイルを貼って見やすくすることは容易です。経理や法律に関する話を不特定多数の読者にわかりやすく説明するweb上の手筋はないのか、と考えさせられました。

役所のweb上のpdfファイルにリンクを貼るのではなくて、その中から自分の話に必要な部分だけを転載し、私が補足説明したテキストファイルを作る。それを碁盤の画像と同様にFTPサーバーに転送してリンクを貼る。さすれば本文が冗長にならずにテクニカルな部分にまで関心のある方だけがそれを読む事ができると気が付きました。

将棋・囲碁と法律関係の情報はweb上にただで転がっています。
将棋・囲碁の棋譜は読み手に棋力がなければ理解不能ですし、法律の条文もその読み方や関連法規を知らない人が見ても理解不能です。
つまり一般人には理解不能な一次情報が転がっているという点で両者は共通しています。

その難読な一次情報をどう読むのか、という事ですが棋力や関連法規の知識よりも大切な事があります。それは当事者意識を持って、条文や局面を見るという事です。

読み違えた例として 本因坊戦第7局(2日目午前)
チラッっと見ただけで下の局面、高尾十段の打った白1の意味がわからずに「白74は捨て石か?」などと書いてしまっていました。
第1図


実戦は下図の進行になりました(74~84手)。白1を見た時点で、この展開を私は予想できませんでした。白3のノビを見たなら30秒以内で後を読めたはずです。黒2のハネに対して白3とノビる手に気がつきませんでした。
白黒2・4は「ケイマの突き出し」という形で、白1・3は裂かれ形という悪形です。白は先に自らを切らしてから白5・7と切って行きました。まさに肉を斬らせて骨を断ちに行った乾坤一擲の勝負手だったわけです。
第2図


1図の時点で地合の悪い白は中央の戦いによって自らの厚みを活かすしかない状況にありました。「何とかせねば」と考えて絞り出したのがこの勝負手だった。これに本因坊位を賭けたのでした。
一観戦者である私は、当事者意識つまり対局者のつもりになって局面を見たら気が付いたかも知れません。というのは手のヨミ自体は難しいのではなくて、筋の悪い手をトッププロは打たないだろうという先入観が私の目を曇らせていたからです。

戦いは右辺に移り、黒が深く侵入し白に取られそうになりました。そこで黒3~5のコウを仕掛けたのが勝着でした。この手を読んでいたからこそ黒は右辺への侵略を決行したのでしょう。
これは到底われらが読んで打てる手ではありません。検討していたプロの皆さんも感嘆した事でしょう。まさに本因坊位をもぎ取ったKOパンチでした。
第3図


やっぱプロは凄いわ・・と思います。

同様に法律の条文も、条文を書いた官僚の気持ちになって、何を意図して書かれたのだろうか・・と「気」を入れて読まないと、その意味する所が見えてこないのは同じだ、と思うのです。





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最終更新日  2008.07.24 20:19:05
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