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2023.12.07
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カテゴリ: 洋画



 マーベル・コミックのスーパーヒーローを題材としたアメリカ合衆国のスーパーヒーロー映画。
 2019年公開の『キャプテン・マーベル』の続編。
「マーベル・シネマティック・ユニバース」の33作品目となる。
 ブリー・ラーソンが引き続きキャプテン・マーベルを演じる。
 また、マーベル・シネマティック・ユニバースの7番目のテレビシリーズ『ミズ・マーベル』の主人公ミズ・マーベルも登場。演じるのはテレビシリーズと同じくイマン・ヴェラーニ。
 他に、サミュエル・L・ジャクソン、テッサ・トンプソン等、マーベル・シネマティック・ユニバースではお馴染みの俳優陣が登場。
 原題は「The Marvels」。




粗筋

 キャロル・ダンバーズことキャプテン・マーベル(ブリー・ラーソン)は、銀河帝国クリーの母星ハラに戻り、帝国や彼女の記憶を支配していた人工知能スプリーム・インテリジェンスを破壊する。
 これによりクリー帝国の民は解放され、銀河に平和が訪れると信じていたキャロルだったが、タガを失ったクリー帝国は内乱に陥り、惑星ハラは大気、水、そして太陽まで失うまでに至った。
 惑星ハラの民は、キャロルを「アナイアレイター(全てを破壊する者)」と呼んで敵視する様になる。

 惑星ハラを滅亡から救うには古代の遺物であるクォンタムバンドの力に頼るしかない、とクリー帝国の新たな指導者となったダー・ベン(ザウイ・アシュトン)は悟り、宇宙を駆け巡ってクォンタムバンドを探し、漸くその在処を突き止める。
 しかし、対で利用する事で最大の威力を発揮する筈のクォンタムバンドは1つしかなかった。その1つだけでも強大な力を発揮出来るが、惑星ハラを救うにはもう片方も絶対必要だった。
 ダー・ベンは、もう片方のクォンタムバンドを回収すべく、捜索を開始。手始めに、クォンタムバンドを使って宇宙空間にワームホールを生み出す。

 宇宙ステーションの指揮官となっていた元SHIELD司令官ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)は、近くにワームホールが誕生したという報告をモニカ・ランボー(テヨナ・パリス)から受ける。
 モニカがワームホールに近付くと、ひょんなことからダー・ベンがクォンタムバンドを回収した惑星にいたキャロルと入れ替わる。
 また、もう片方のクォンタムバンドを偶然にも入手しその力を利用してミズ・マーベルというスーパーヒーローとなって活動していたカマラ・カーン(イマン・ヴェラーニ)とも入れ替わってしまう。
 キャロルとモニカは、カマラの家に集合。
 どうやらワームホールと接触した事で三人の内二人がスーパーヒーローの力を同じ時間に発揮すると瞬間移動で入れ替わってしまうようになってしまったらしい、という結論に至った。
 キャロル、モニカ、そしてカマラの三人は、少し前までクリー帝国の宿敵とされていたスクラル人が居住する惑星ターナックスに向かう。
 そこでは、スクラル人とクリー帝国との間で和平交渉が行われていたが、キャロルが姿を現した事で事態は一変。スクラル人はアナイアレイターと関わりを持っていた、と憤るダー・ベンは交渉を一方的に中止し、クォンタムバンドを使ってワームホールを誕生させ、惑星の大気を奪った。
 これにより、スクラル人は惑星ターナックスを捨てざるを得なくなり、再び難民となった。
 キャロルらは、スクラル人の惑星脱出を手助けする。
 キャプテン・マーベルに憧れて「ミズ・マーベル」と名乗っていたカマラは、キャロルと共に活動出来て大感激。これからは三人で「ザ・マーベルズ」として活動しようと発言する。

 キャロルは、クォンタムバンドは元々ワームホールのネットワークを作る為の道具だったらしいが、ダー・ベンがワームホールを作り捲った事でネットワークが不安定になってしまい、宇宙そのものが危険にさらされている、と告げる。
 何故ダー・ベンはこんな無謀な事をしているのだ、とモニカが問うと、キャロルは自分がスプリーム・インテリジェンスを破壊した事が原因だと認める。どうやらダー・ベンは惑星ハラが滅亡の危機に陥っているのはキャロルのせいで、惑星ハラを救うにはキャロルが救って来た惑星の大気と水と太陽を奪うしかないと信じている、と。
 ダー・ベンは、惑星ターナックスから大気を奪った。次に奪うのは水だと推測する。
 キャロルが救った惑星の中で水が最も多いのは惑星アラドナだった。
 三人は惑星アラドナに降り立ち、アラドナの王子であるヤンと対面。
 ヤン王子は、妻の帰還を感激する。
 モニカとカマラは、キャロルがプリンセスである事を知り、面食らっていたが、間も無くダー・ベン率いるクリー帝国軍が現れ、水を奪い始める。
 三人はクリー帝国軍と戦うが、その過程でダー・ベンの最終的な目標が太陽系の太陽を奪う事だと知り、地球の側にテレポートする。
 ダー・ベンを阻止する為三人は力を合わせて戦うが、ダー・ベンはカマラが身に着けていたもう片方のクォンタムバンドを奪う事に成功。
 ダー・ベンは、対になったクォンタムバンドを身に着け、別のマルチバースへと続くワームホールを誕生させる。が、その行動により彼女は破滅する。
 ダー・ベン亡き後も、ワームホールは拡大し続けた。塞がないと繋がった二つのマルチバースが崩壊する恐れが出て来た。
 2つのクォンタムバンドを回収したカマラは、キャロルと共にモニカにエネルギーを充填する。
 モニカはそのエネルギーを使ってワームホールの反対側から閉じる事に成功するが、別のマルチバースに封じられてしまった。
 キャロルは、新たに得た力を使い、惑星ハラの太陽を復活させる。
 カマラは、折角結成したチームが早くもメンバーの一人を失ってしまった事に落胆するが、新たなアベンジャーズを結成しようと思い立ち、二代目ホークアイとして活動するケート・ビショップに声を掛ける。

 一方、別のマルチバースに封じ込められてしまったモニカは、ふと目を覚ます。
 そこには、数年前に病で亡くなった母親がいた。
 モニカは、母親と再会出来て大喜びするが、母親である筈の女性はモニカを全く認識しない。
 そこに、ミュータントのビースト(ケルシー・グラマー)が現れ、どうやらこの女性は別のマルチバースからやって来て、そのマルチバースでは君はこの女性の母親らしい、と告げ、退室する。
 モニカは、目の前の母親らしい女性はこのマルチバースでは自分の母親ではない、と悟り、困惑する。



感想

 アベンジャーズ/エンドゲームが公開されるまでは公開する作品全てが大ヒットしていた「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」も流石に弾切れになってしまった、と言われる様になってかなり経つが、弾切れ感は相変わらずで、本作もMCU復活の起爆剤にはなっていない。
 制作元のマーベルスタジオがディズニーに身売りし、ディズニーがペイパービューのMCUテレビシリーズを乱発する様になった事もあり、劇場作はどちらかというとおまけというか、ペイパービューへの呼び水扱いとなってしまっているのが原因と思われる。
 劇場作がヒットしないとペイパービューの視聴者が増えないので、ディズニーも力を入れていない訳ではないのだろうが、ディズニー自身のポリシーを押し付けざるを得ないので、従来の鑑賞者から反発を食らい、ますます手詰まり感が漂う(ディズニーはルーカスフィルムも買収しており、新スターウォーズ・シリーズでもディズニー・ポリシーを押し付け、結果的にスターウォーズを低迷させた張本人扱いされている)。

 ペイパービューの呼び水として制作されたとしても、ストーリーがしっかりしていれば問題は無い。
 ただ、『キャプテン・マーベル』の続編なのに、実は間にもう一作あって、それを観るのを忘れてしまったのか、と思ってしまう様な置いてきぼり感を抱くストーリー運びになっている。

『キャプテン・マーベル』で強大な敵としてキャロルの前に立ちはだかった人工知能スプリーム・インテリジェンスは、本作ではあっさりと破壊されている。
 というか、破壊は回想シーンで描かれているので、ちょっと前の過去の出来事となっていた。
 続編というなら、本来だったらキャロルと人工知能スプリーム・インテリジェンスとの死闘を描き、その続編として本作を制作すべきだったが、肝心のエピソードがすっ飛ばされてしまった感じ。
『キャプテン・マーベル』でキャロルが記憶を取り戻すまで上官だったヨン・ロッグは生きている筈なので、続編に登場してキャロルを再び苦しめる存在になっても良かった筈だが、全く顔を見せない。
 スプリーム・インテリジェンスは、『キャプテン・マーベル』ではキャロルを惑わす為、彼女が敬愛するウェンディ・ローソンの姿で登場していたが、本作の回想シーンでは単なる顔型のコンピューターとして登場するだけで、これといった抵抗もせず破壊されてしまっている。この程度の人工知能が何故クリー帝国を支配し続けられたのか、と疑ってしまう。
 本作では、スプリーム・インテリジェンスに取って代わる敵として、ダー・ベンが登場。ユニバーサル・ウェポンの使い手で、戦闘力はキャロルの手にも余る程だが、スプリーム・インテリジェンスと違って全能的な存在ではなく、圧倒的な破壊力を持つキャロルの敵にしては迫力が無い。

 監督のニア・ダコスタが黒人女性とあってか、本作では登場人物の殆どが黒人俳優を起用。
 MCUは元々黒人俳優の起用が少なくないが、拍車がかかった感じ。
 モニカを演じるのは黒人女優のテヨナ・パリス。
 MCUではレギュラーのフューリーも、原作のコミックでは白人キャラだったが、いつしか黒人キャラとなり、MCUでは黒人俳優のサミュエル・L・ジャクソンが起用された事で完全に黒人キャラになってしまっている。
 ダー・ベンを演じたザウイ・アシュトンも黒人女優だった。
 黒人以外のマイノリティの起用も顕著。
 ミズ・マーベルは、コミックスでイスラム教のキャラとして考案された事もあり、MCUではパキスタン出身の女優イマン・ヴェラーニが演じている。
 ヤン王子は、韓国人俳優のパク・ソジュンが演じている。
 そんな事もあり、主人公であるキャロルを演じる白人女優のブリー・ラーソンが浮いた存在になってしまっている。
 マイノリティの俳優の起用の重要さは理解出来るが、ここまでポリティカル・コレクトネスを追求する必要があったのかと思ってしまう。

 キャロルことキャプテン・マーベルを演じる白人女優のブリー・ラーソンが整った容貌なのに対し、カマラことミズ・マーベルを演じるパキスタン系女優のイマン・ヴェラーニはぽっちゃりしていて、お世辞にも美人とは言い難い。
 コミックスのミズ・マーベルがそういう設定なので、それに見合った女優を起用した、という事なのかも知れないが、そうだとすると何故こういう時に限って原作コミックスに忠実なのか、ポリティカル・コレクトネスとはこの程度なのか、と勘繰ってしまう。

 本作は、『キャプテン・マーベル』の続編と捉えた場合、単独作品として充分楽しめるものに仕上がっている。「MCUの他の劇場作やテレビシリーズを全て観ていないので理解出来ない部分もあるが、それはそれでいいか」と割り切る事が出来れば、だが。
 MCUに関する事前知識が全く無い鑑賞者や、伏線を全て理解出来ないと気が済まない鑑賞者からするとペイパービューへの呼び水だらけで消化不満になる可能性が大。
 割り切れるか割り切れないかで評価は分かれそう。

 エンドクレジット後のシーンで、同じくマーベルコミックスのシリーズ作Xメンのキャラが登場。
 Xメン・シリーズは、劇場版の制作権が20世紀フォックスに売り渡されていた為、マーベルスタジオはXメンをMCUに登場させる事は出来なかったが、20世紀フォックスもマーベルスタジオもディズニーの傘下に入ったので、今回のシーンが実現可能になったらしい。
 アベンジャーズとXメンはそれぞれ別のユニバースで活動していたが、今後は繋がっていく、という展開も有り得る事になっている。
 それが良い事なのか、悪い事なのかは分からない。

 本作は、黒人女性監督作としては歴代最高の興行収入を稼いだが、MCU長編映画としては最低に近い興行収入で、MCUの手詰まり感をますます印象付ける結果となってしまった。







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Last updated  2024.01.20 09:32:17
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