Dec 19, 2005
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カテゴリ: おしごと!
真っ暗な中、歩いて帰っているとネギの匂いがした。


おおっ!!ネギ!! Oh!!Negi!!

くんくん嗅ぎまわる。

…はっ!!やばいよ。やばい人になってるよ。

我に返りました。

幻臭だったらしい。ん?幻臭とか言葉、ないよ?ないんだよっ!


まじめな顔をしながら颯爽と早歩き。頭ん中はこんなこと、考えてるなんて、誰も想像してないんだよな~。

されても困るけど。

ちょっと、イカれてマス。




オバチャンとanegoは先に上がったのだ。

寒い夜、がらんとしたオフィスに1人は、ちょっと切ない。

戦場が焼け野原になったみたい。

用事があった。と理屈をこねて短縮を押す。

「もしもし」
「あ、お疲れ様です。○○支店のスナイダーズです」
「おお。お疲れ~」

出たのは、狙い通りの「工程の神様」

「まだいるの?」
工程の神様の話し方は「ドラえもん」みたい。ハキハキ。でも、ユックリで愛くるしい。

「はい。ちょっと聞きたいことがあって…」


「それでね、外注先の○○は犬がいつもキャンキャン吠えてて、電話が良く聞き取れないんですよ~」
打ち合わせが済むと、私はつい、話を長引かせてしまった。

「神様」は、物凄く忙しい。

この支店でもいつも取り合い。皆、言いたい放題。

これが全支店、全支社、全工場、そして本社からなのだ。


だから、今まで1度も神様と雑談をしたことがなかった。

神様は凄く優しいし、頭も良く、そして出来た人だ。だから「神様」なんだけど。

そんな神様を私はいつも、1人占めにしたかった。

でも、神様と言えど人間。私なんかのために時間を割いてもらうのは失礼極まりない。

でも。

ちょっとだけなら良いかな?

時計をチラリと見た。20時過ぎ。こんな時間は殆どの社員が退社してる。現に、この会社1番のこの支店が、今は森の中のように静まってるのだ。

「ああ~。あそこはちっこい犬がいるからにゃ~」
「見たこと、あるんですか?」
「うん。お座敷犬がいるよ」
あはは。
凄く楽しかった。

「もうあそこも一杯一杯みたいだねえ。しくじったにゃ~。こっちじゃ賄えないのを全部出したからなあ」

神様なのに、いつもいつも自分を責める。

「あともうちょっとじゃないですか。あと1踏ん張りですよ」
「う~ん。もう限界」

普段の神様は「ドラえもん」。何でもかんでもやってのける。不可能はない。
でも。
今の神様は「のび太君」。だめだよ~。どうにかして~。て泣きつくのび太君だった。

ああ。こういうのが憎めないんだよな…。

ホントに出来た人だ。
私は今まで、これまでの人生でこんな人に出会ったことが無い。

ホントに凄い。絶対に勝てない。

皆が尊敬し、信頼し、頼りにするのが良く分かる。

私もこんな人になりたいなあ。

「んでね、anegoんとこの○○がワガママばっか言うのよ。スナイダーズの力でどうにかなんないかにゃ~?」
神様は、いつのまにか私なんかに要求をしている。

立場、逆転ではないか…。

「あはは。何、言ってるんですか。神様なら、神様らしく、ズバッとお告げを下せば良いじゃないですか」

「神様?何?それ」

「神様みたいだから。私から見た、M課長は」

うふふ。と神様は笑った。笑い方までドラえもんだよ。

「私なんて何も出来ない、ただの中年だよ?スナイダーズさんの方が神様みたいだよ?」

「何、言ってるんですか!?何度私は助けられたことかっ!」

うふふ。神様は嬉しそうに笑った。

「初めてだね。スナイダーズさんとこんな風に話すなんて」

「ええ。すみません。お仕事の邪魔をしてしまって…。もう、切りますね」

「ううん。いつでも話して良いよ。スナイダーズさんはいつも遠慮してるにゃ~。もっとガンガン言って良いよ?」

少し、ドキリとした。

「この会社でそんなんじゃあ、余計な仕事も抱えちゃうっしょ?私も、こうしてスナイダーズさんに愚痴、言ってるんだもん」

電話を切って、ため息をついた。


家族の声よりも、何倍も聞いている神様の声。

優しくて穏やかで、聞きやすくて、そして話しやすい声。

物凄く頼りになるのに、神様はホントは物凄いワガママで、フツーの人で…。

不思議な人。

でも。
これが自然体な人。私が憧れる人だ。

神様を過去に2回、目撃したことがある。工場見学のとき。そして本社に用事があったとき。

神様は相変わらず電話にずっと縛り付けられてて、全然挨拶すら出来なかった。

見た目は…ただの中年オッサン…。

でも。
頭は真っ白で、今まで苦労をしてきたのが一目で分かる。だってまだまだ「年寄り」じゃないのよ!?

しかし、その眼はとても優しくて、イメージ通りの人だった。

何も知らないのに。

話し方や、対応とか…いわば言葉だけでも声だけでも、どんな人なのかって分かるんだなあ。

そして。
それは表情や外見にも表れるんだなあ。

私もあなたみたいな風になれてるかなあ…。ねえ、神様。

『うふふ。神様なんかじゃないにゃ~』


明日も、私の切羽詰ったカナキリ声を聞かせてしまうかも知れないけど、宜しくお願いしますねっ!










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Last updated  Dec 20, 2005 12:05:05 AM
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