百画遼乱 漫画語り

百画遼乱 漫画語り

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2023.08.30
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カテゴリ: 漫画



日露戦争とは1904年に日本と当時のロシア帝国との間で起こった戦争です。日本史では1894年日清戦争、1904年日露戦争、1914年第一次世界大戦とセットで出てきますね。

明治時代はそんなに昔の話ではないような気もしますが、当時は白人国家が世界中を植民地にしており、弱小国である日本はいつ植民地になってもおかしくない状況でした。アジアのほとんどの国は既に欧米の領土(割譲含む)でした。

物語は後に日露戦争で海軍参謀として日本海海戦で活躍した秋山真之の幼少時代から始まります。(ちなみに私はこの時代の知識がそんなにありませんので間違ってるところがあれば申し訳ないです)




この漫画を読んだ事のある人は共感してもらえるかもしれないですが、この作品の1巻はちょっとしんどいです。秋山の少年時代が興味を引き付けにくいです。同じような題材で「お~い竜馬」があり、こちらも少年時代から始まります。しかし坂本竜馬に比べて秋山真之は知る人ぞ知るという程度の知名度ですし、人気の幕末と違って明治は地味です。

ですので、この少年時代だけを読んで1巻で脱落してしまった人がいると思います。私もかつてリタイアしました。秋山が軍人になるまでが長いんです・・

しかし兵学校に入ってからは飛躍的に話が進みます。防衛大学を題材とした「あおざくら」を彷彿とさせる海軍兵学校時代から物語は一気に面白くなります。4巻の終盤くらいからです。



(上官は後の総理大臣でもある山本権兵衛。海軍は特に薩摩出身が多く方言がきつい為に英語で会話しています)

歴史漫画で幼少期をしっかり描くのは大作家でないとできないかもしれません。作者は週間ジャンプでも連載していた実績のある江川先生です。幼少時代ののコミカルなシーンは好き嫌いもあるかもしれませんが、一人の人物の人生をしっかり描くということでその後の秋山の物語に厚みがでると思います。全ては後半の為でしょう。

そして、この物語のもう一つ面白い点は幕末に活躍した有名人が政府の重鎮として登場したりします。青年時代に海援隊員だった陸奥宗光が坂本龍馬を回想するシーンなどは胸熱でした。陸奥は農水大臣、外務大臣になる人物です。



こちらは陸奥が視察に向かう途中に足尾銅山から流れ出る鉱毒で苦しむ村民たちから罵倒されるシーンです。

資源のない日本にとって銅は外貨を稼げる数少ない輸出品。日本中の人間が貧しく苦しい思いをしても、日本が植民地にされ奴隷にならないために子孫の為に耐えてほしいと思うシーンです。重い税金の大半を軍備にあてている時代でした。アジア人の大半は奴隷か召使かといった時代です。

明治時代を扱う作品は少ないです。高校の授業でも近代史は駆け足で終わりますが、歴史を良く知る漫画として面白い作品です。また、秋山の出身の松山(愛媛県)つながりで正岡子規も少年時代から登場します。本編からそれますが多くの文豪も登場しますので、10代の方も勉強がてら読んでみるのもいいかもしれません。

私はまだ途中までしか読んでないので、バルチック艦隊と戦う日本海海戦がどんな描かれ方をするのか楽しみです。ちなみに私のこれまで最高の海戦は「ナポレオン覇道進撃」のトラファルガー海戦です。日本海海戦を指揮した東郷平八郎と同じく世界三大提督のネルソンが考案したネルソンタッチ(海戦陣形)からのフランス艦隊殲滅は見所大でした。








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最終更新日  2023.08.30 22:31:15
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