P-Blog アイデア&インプレッション

2004.01.28
XML
カテゴリ: アート
馬車道
ここの明治時代テイストは、徹底していて、窓はステンドグラス風、客席を囲う濃い色の木で作られた縦の桟の柵、女性店員のユニフォームは「すみれ女史」と言われる袴姿という具合である。
そこで、ランチを頼み、料理が届くまでの間、ふと、店内を見て気が付いた事があった。それは、窓や照明は、明かり取りというより、影を楽しむように作られているという事である。
現在の建築物の多くは、広い窓と明るい照明で、部屋の隅々まで、明かりが届くように作られている。
部屋の隅々まで、明かりが届くと、全てのものが、明瞭に見える。その一方で、立体感が失われ、ベタっとした感じになる。
ところが、馬車道の明治時代風の窓や桟、薄暗い照明は、影をつけることで、明るさを調節し、装飾品の立体感を強調する。
これは、ステンドグラス風の複雑な紋様の窓の桟から出来る、影が作る紋様と共に、影を大切にしている。
影を大切にした窓や部屋の作りは、昭和初期の建築物にも見られる。

そこには、様々な、丸い窓、複雑なグラフィクを描く桟や、柵を見ることができる。
これらは、見た目の形状の面白さだけでなく、影を作り、光の量をコントロールする機能をもっているように感じる。
さて、このように、窓の考え方が変わったのは、蛍光灯の普及があるのではないかと思う。蛍光灯は、太陽光や電球という点から出る光ではなく、直線や円形など、線で出る光だ。そして、蛍光灯を横に並べる事により、面の光源になる。
蛍光灯のない時代は、一点から出る光を拡散させ、影を少なくするために、障子を貼ったり、複雑な桟を取り付けそこで反射させるなど様々な工夫をすることで、明るさを調整していた。そして、蛍光灯という、面での照明が実現した事で、いろんな工夫で光をソフトにする必要がなくなった。これは、いままで、出来なかったことなので画期的なことだったに違いない。そのおかげで、部屋から、影がなくなった。
手に入れたものもあれば、失ったものもある。
それが、部屋における「影」である。


(参考)

甲子園近辺に残る大正-昭和初期の建築物










お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2004.08.15 15:06:46
コメント(5) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

お気に入りブログ

・・ 野山ですごす… りおじーにょさん
ゴーヤ泡盛の野毛日記 ゴーヤ泡盛さん
ヅ+の日記 art-labヅさん
アジアン雑貨屋店主… エナエナさん
しみずきみひとの楽… Shimmy0603さん
小島トモオス 小島トモオスさん
新・さすらいのもの… さすらいのもの書きさん
新川てるえの家族の… 新川てるえさん
繁盛請負人ばんたか… 繁盛請負人ばんたかおさん
ヘンかわおいしいお… artlabova-goodsさん

コメント新着

サイド自由欄

設定されていません。

バックナンバー

・2026.09
・2026.08
・2026.07
・2026.06
・2026.05
・2026.04
・2026.03
・2026.02
・2026.01
・2025.12

© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: