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根津美術館の『KORIN展』に行ってきました。
お昼頃に着いたのですが、入り口に十人ほど並んでいたので、数分待って入りました。最終日だったので、人は少し多かったですが、大混雑というほどではなかったです。
尾形光琳の特集ですが、目玉は、燕子花が描かれた、根津美術館所蔵の尾形光琳『燕子花図屏風』とメトロポリタン美術館所蔵の尾形光琳『八橋図屏風』。この二つの燕子花の屏風を並べるという企画は昨年開催される予定でしたが、震災でメトロポリタンの屏風が来るのは延期され、一年経ってようやく二つの屏風の共演です。どちらも六曲一双の金屏風に燕子花が描かれた作品で、この二つの屏風が並べてあるのを観るというのは贅沢の極みです。しかし、正直なところ、やはり色の剥落があったり、金地にあまり光沢が無いので、この二つの作品に強く惹かれるということは無かったです。ですが、18世紀の当時、あの大きさであのような装飾芸術は世界で恐らく日本だけだったと思うので、尾形光琳や琳派の画家たちが描いていたものは当時の最先端を行ってたという感慨が湧いてきて、観ていて誇らしく思いました。どちらかというと、今回の展示では、以前も他の美術館でも観た、尾形光琳の『白楽天図屏風』の方が、惹かれるというか、表現の仕方が凄いと思います。何本もの線が引かれた波に、45度くらい傾いている船、そしてそれに凛と乗っている人。これらが組み合わさって独特の雰囲気になっていると思います。好みの絵ではないのですが、個性的で奇異な作品で、印象に強く残ります。
そして、最も素晴らしいと思った作品は、酒井抱一の『青楓朱楓図屏風』。金地で、右隻には青々とした葉の楓が描かれ、左隻には朱色の葉の楓が描かれ、その後ろには川なのか水の流れが描かれています。左右に一本ずつ楓が描かれているので、光琳の『紅白梅図屏風』を彷彿とさせ、葉の色によって右隻が春、左隻が秋とわかるのですが、後ろに川が流れているので、一双の屏風の中での季節の流れを連想させます。また、葉の葉脈も金で描かれているのですが、それが模様のようにも感じられ、そういった細かい部分まで惹かれました。光琳よりも時代がやや新しいせいか剥落や色褪せがほとんど無く、鮮やかな色彩と、光沢のある金が実に綺麗でした。色彩も構成も実に見事だと思います。パネルには“個人蔵”と書いてあったので、こういう機会にしか観られないのが些か残念です。個人的には最高傑作と言っても良いくらいではないかと思ったのですが、重要文化財にも重要美術品にもなっていません。光琳の『紅白梅図屏風』を上手く昇華させているので、重要美術品くらいにはしてもよいのではないかと思いました。次はいつ観られるかわかりませんが、その時を楽しみにしています。
一階の光琳の展示室の後は上階の展示室を観ました。特に惹かれたのは『鼠志野茶碗 銘 山の端』。傾いて歪んでいる茶碗ですが、なぜか悪いとは思えない、それで合っているような気がしてしまう茶碗です。グレーと赤茶色、それに白の六角形の文様が不思議と惹かれます。陶芸にはまだそれほど詳しくはないのですが、この作品が重要文化財に指定されているのがわかるような気がしました。それから、棗のことは全く詳しくないのですが、盛阿弥『黒漆大棗』を観て、まるでコンピュータで制御された機械で作ったように滑らかな形と表面の艶で、実に見事なものだと感心してしまいました。茶碗は歪み、棗は精緻。茶の湯とは実に面白い世界です。
庭園で燕子花も見たのですが、既に花は萎れていました。確か前回来た時も少し見頃を過ぎていて、次はもっと早く来ようと思ったのですが、また来るのが遅かったです。五月の一週目が見頃でしょうか。来年こそはベストの時期に行こうと思いました。

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