inatoraの投資日記

inatoraの投資日記

2005年09月25日
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今回は、ラスベガスが発展した理由についての話題をとりあげたいと思います。これは裏を返せば、「平均的なカジノプレーヤーがなぜ損をするのか?」についての話題です。

ラスベガスといえば言わずと知れた世界一のカジノの街です。一攫千金を夢見て世界中の人々をひきつけています。当然のことながら、一攫千金の夢を実現させることの出来る人はほんのわずかであり、その他大勢の人は負ける仕組みとなっています。

そのラスベガスが発展した理由を考察することで、投資家としての心構えも勉強することが出来るのではないかと思います。

1.大数の法則
「大数の法則」とは確率論の用語で、「ある独立試行について、その試行回数を増やすほど、理論的確率が示唆する結果に限りなく近づく」というものです。


電子百科事典「ウイキペディア」:大数の法則

この大数の法則を「歪みがない1~6までのサイコロ」に適用した場合、1が出る頻度(ここで、「理論的確率」と区別していることに注意)は、サイコロを振る回数を多くすればするほど1/6に近くなるということを意味します。

ラスベガスが用意している全てのギャンブルは、カジノ側に有利な理論的確率に基づいて設計されています。(カジノ側から見た確率論的な有利さを図る尺度が「控除率」です。)

すなわち、カジノとは「1人のプレーヤーが行うギャンブルの試行回数は少ないので、理論的確率を越えて大勝ちする人も少なからず存在する。しかし、多数のプレーヤーが同様の試行を行えば、全体的に見た場合、理論的確率を破って大損をする可能性は少ない。」という考えの下で運営がなされています。

そういう意味で、カジノは保険会社と同じような運営体系となっております。



今回はカジノ側の運営上のリスクではないので、こちらについてはこれ以上は深入りしませんが、平均的なプレーヤーがなぜ損をするかについての話題ですので、その理由の一つが「大数の法則」という、カジノ側の確率論的な有利さにあるということをまず指摘しました。


2.ハウスマネー効果

しかし、カジノ側が儲かっている理由は、上記に示した「確率論上の問題」だけではありません。人間心理面から見た落とし穴も存在します。

もし、人間心理面から見た落とし穴が頑健であれば、たとえ確率論的にカジノ側とプレーヤー側が五分五分であっても、それでもなおカジノ側が勝つことが出来るということが出来ます。

人間心理面での落とし穴は、認知心理学の領域でさまざまな研究がなされていますが、今回はいわゆる「ハウスマネー効果」について取り上げたいと思います。

************

ある新婚夫婦の話。新婚旅行でラスベガスのホテルに泊まっていたところ、新郎がホテル内のタンスから偶然5ドルを見つけた。その近くに17という数字があったので、何かの暗示だと思って、それをもってカジノに向かった。

ルーレット台に座り、「17」の目に5ドルのチップを置いたところそれが当たって、5ドルは36倍の180ドルになった。同じことを4回繰り返しているうちに、最初の5ドルは839万ドルに膨らんだ。

これを見て、カジノのマネージャーが「これ以上賭けると破産するので止めてくれ」という話になったので、渋々別のカジノに行った。そこでも17に賭けた。当たると3億ドル以上だが、無情にも18に止まり全てを失った。

すごすごとホテルに帰る新郎。ホテルで待っている新婦に「どうだった?」と尋ねられたところ、新郎は

「ルーレットで5ドル損しただけだった。」



************

これは、「賢いはずのあなたがなぜお金で失敗するのか?」(日本経済新聞社)の24ページから引用したもので、上記の例は「あぶく銭は本当のお金ではないと多くの人は考えがちである」ことを示唆したものです。

本書では、これを「心の会計」として紹介されています。心の会計では「人間はお金に色を付けがちであり、必ずしも合理的でない形でお金を管理しがちである」ことを主張しています。我々にも思い当たる様々な事例が載っているので、詳細は実際に本を読んでみることをおススメします。

株式投資を「半丁博打」と考えて、さらに、稼いだお金を「あぶく銭」と捕らえているうちは、多くのラスベガスプレーヤーと同様、「株式市場でのカモ」であり続けることは間違いありません。

もしこうした傾向について、自分に思い当たるフシがあるならば、「投資手法の研究」云々よりもまずはそちらを直すことから始めるべきです。



「例えあぶく銭であっても、働いて稼いだお金と考えるようになれば、無駄遣いは大きく減るものである。」

P.S.
私はラスベガスには行ったことがないのですが、一攫千金ではなくアミューズメントとして一度は行ってみたいと考えています。

あと、アメリカのネバダ大学には「カジノ学科」がありまして、そこでは確率論のほかに人間心理の勉強もできるそうです。面白そうー。





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最終更新日  2005年09月26日 12時43分57秒
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