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2008.03.30
カテゴリ： お気に入りのネタ
Ｍｏｂ’ｓ Ｓｔｏｒｙ
マリアの場合：Ｃｈａｐｔｅｒ５
Chapter4はこちら
ついに
マリアはアリオーシェと再び対峙した。
「見つけたわ」
アリオーシェは暫時眼を疑う。
倒したはずの相手が再び己が眼前に現れたのだから。
しかし歴戦を積んできたアリオーシェはすぐに理解した。
「また…
挑発的で冷酷な笑みを浮かべる。
殺されに来たのかしら？」
「今度はそうならないわよ」
ぐっと弓を握る手に力が入る。
「提案があるの」
ふとアリオーシェが切り出した。
「アナタが私を殺せば解呪法は分からなくなるわ」
確かに。
「何が言いたいの？」
「呪いを解く方法は…
アナタの髪をスマグの井戸水に溶かして飲ませなさい」
マリアは不意の言葉に驚いた。
「想い人の頭髪じゃなきゃ駄目なのよ」
「なぜ今それを言うの？」
アリオーシェはクスクスと笑った。
「どうせアナタは今ここで死ぬもの」
今度は真顔でマリアを見る。
「交換条件よ」
「アナタの名前は？」
「・・・マリア」
「いい名前ね」
ふぅ、とアリオーシェは息をついた。
そしてネイルソードを構えた。
「行くわよ…マリア」
マリアも矢を番える。
周りの風景が一瞬にして暗澹とした闇に包まれた。
アリオーシェの全身だけがはっきりと見える。
刹那か永遠か。
時間の感覚が無くなっている。
そして
落ち着け。
マリアは自分に言い聞かせ
アリオーシェの「次」を狙って―――
矢を放つ。
命中した。
次に合わせてもアリオーシェの動きはその上をいっている。
瞬間に半身を捻り致命打を避けた。
アリオーシェは更に距離を詰める。
その顔は正しく悪魔そのものだった。
マリアとて怖気づかない。
直ぐに第二射の矢を番える。
発射より速くアリオーシェの攻撃が届いた。
倒れる音が
鈍く響いた。
倒れたのはアリオーシェだった。
「な・・・んで・・・」
消え入りそうな声でアリオーシェは言うと…
そのまま事切れた。
確かにマリアの矢は弓から放たれなかった。
あの刹那―――
アリオーシェのネイルソードが
マリアの頭に届く瞬間。
マリアは半身を捻った。
攻撃をするつもりだったら間に合っていなかっただろう。
矢を打つ「振り」をしただけだったのだ。
しかし完全には避け切れなかった。
マリアの髪留めが宙へと舞った。
その瞬間。
マリアは矢を握った。
身体を捻り
アリオーシェのがら空きの背中を見る。
そして―――
アリオーシェの死体を上から見下ろす。
生命の止まったそれは
善も悪もなくただ安らかに見えた。
「…さようなら、アリオーシェ」
マリアはそう呟くと
スマグへと向かって静かに歩き出した。
数日後。
村外れの狩場には
勇猛に戦斧を振るうミーロンの姿と
髪が短くなったマリアの姿があった。
おしまい。
ああ・・・
超疲れた。
このＣｈａｐｔｅｒだけで
ゆうに７時間以上かけました。
最後までお付き合い下さいまして
誠に有難う御座いました。
ね…寝ます(ノ∀`*)ﾉｼ
マリアの場合：Ｃｈａｐｔｅｒ５
Chapter4はこちら
ついに
マリアはアリオーシェと再び対峙した。
「見つけたわ」
アリオーシェは暫時眼を疑う。
倒したはずの相手が再び己が眼前に現れたのだから。
しかし歴戦を積んできたアリオーシェはすぐに理解した。
「また…
挑発的で冷酷な笑みを浮かべる。
殺されに来たのかしら？」
「今度はそうならないわよ」
ぐっと弓を握る手に力が入る。
「提案があるの」
ふとアリオーシェが切り出した。
「アナタが私を殺せば解呪法は分からなくなるわ」
確かに。
「何が言いたいの？」
「呪いを解く方法は…
アナタの髪をスマグの井戸水に溶かして飲ませなさい」
マリアは不意の言葉に驚いた。
「想い人の頭髪じゃなきゃ駄目なのよ」
「なぜ今それを言うの？」
アリオーシェはクスクスと笑った。
「どうせアナタは今ここで死ぬもの」
今度は真顔でマリアを見る。
「交換条件よ」
「アナタの名前は？」
「・・・マリア」
「いい名前ね」
ふぅ、とアリオーシェは息をついた。
そしてネイルソードを構えた。
「行くわよ…マリア」
マリアも矢を番える。
周りの風景が一瞬にして暗澹とした闇に包まれた。
アリオーシェの全身だけがはっきりと見える。
刹那か永遠か。
時間の感覚が無くなっている。
そして
落ち着け。
マリアは自分に言い聞かせ
アリオーシェの「次」を狙って―――
矢を放つ。
命中した。
次に合わせてもアリオーシェの動きはその上をいっている。
瞬間に半身を捻り致命打を避けた。
アリオーシェは更に距離を詰める。
その顔は正しく悪魔そのものだった。
マリアとて怖気づかない。
直ぐに第二射の矢を番える。
発射より速くアリオーシェの攻撃が届いた。
倒れる音が
鈍く響いた。
倒れたのはアリオーシェだった。
「な・・・んで・・・」
消え入りそうな声でアリオーシェは言うと…
そのまま事切れた。
確かにマリアの矢は弓から放たれなかった。
あの刹那―――
アリオーシェのネイルソードが
マリアの頭に届く瞬間。
マリアは半身を捻った。
攻撃をするつもりだったら間に合っていなかっただろう。
矢を打つ「振り」をしただけだったのだ。
しかし完全には避け切れなかった。
マリアの髪留めが宙へと舞った。
その瞬間。
マリアは矢を握った。
身体を捻り
アリオーシェのがら空きの背中を見る。
そして―――
アリオーシェの死体を上から見下ろす。
生命の止まったそれは
善も悪もなくただ安らかに見えた。
「…さようなら、アリオーシェ」
マリアはそう呟くと
スマグへと向かって静かに歩き出した。
数日後。
村外れの狩場には
勇猛に戦斧を振るうミーロンの姿と
髪が短くなったマリアの姿があった。
おしまい。
ああ・・・
超疲れた。
このＣｈａｐｔｅｒだけで
ゆうに７時間以上かけました。
最後までお付き合い下さいまして
誠に有難う御座いました。
ね…寝ます(ノ∀`*)ﾉｼ
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