Innerview-インナービュー 内側から見た世界

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魔術師と羊


ここに一つの東洋の物語がある。たいそう金持ちの魔術師が羊をたくさん飼っていた。ところが、この魔術師はひどいけちだったので、羊の番人も雇わなければ、牧草地のまわりに柵をつくりもしなかった。そんなわけで、羊はよく森へ迷い込んだり谷に落ちたりしたが、何より悪いことは、逃げだす羊が後を断たなかったことだ。というのも、羊たちは魔術師が自分たちの肉と皮を欲しがっているのを知っていて、それが嫌だったからだ。

ついに魔術師は解決策を思いついた。羊に催眠術をかけて、まず、おまえたちは不死身だから皮をはがされてもなんともない。いやそれどころか健康によくて気持ちがよいと暗示をかけた。次に、魔術師はよい主人であり羊たちをとても愛しているので、おまえたちのためなら何でもすると暗示をかけた。それから、もし何かが起こるとしても、それはすぐにではない。ともかく今日ではない。だから何も心配することはないと暗示をしたのである。さらに魔術師は羊に、おまえたちは羊ではないと言い、ある羊にはおまえたちはライオンだと言い。別の羊には鷲だとか人間だとか、あるいは魔術師だと暗示をかけた。

それからというもの、魔術師は羊の心配をする必要はなくなった。羊はもう逃げ出すこともなく、魔術師が肉と皮をとりにくる日をおとなしく待つようになったのだった。

奇跡を求めてより グルジェフの話し


にわとり


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