ハリハリ資料室・第一分室

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2005年01月13日
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 さて,昨日の続き。夜中の12時前,僕は仕事場で,怒りに任せてこの日記を書いていた。隣りには,さっき個別授業を終えたO君。お母さんのお迎えを待つ間,Z会のテキストで英単語をおぼえている。
「先生,これって,レイズ? ライズ?」
だーっ。今に始まったこっちゃないが,高2の終わりにもなって,なんで raise が読めなかったりするかな,コヤツは。君の脳味噌は,火山灰地(水持ちが悪い)か,扇状地(水はけがよい)か? 「rise と raise の関係は,lie と lay と同じ。『上ガる』『横たワる』はア段でライズとライ,『上ゲる』『横たエる』はエ段でレイズとレイ。母音による変化が日本語と対応してるの。でもって,つづりにa(エイ)が入ってる方が,レイとレイズ」という内容を,実際にはこの20倍くらいの語数を費やして説明。「おーーーっ,そうだったの?」って,生まれてはじめて聞いたような反応はしないように。しかも,なんでわかりもしないのに,自分から自動詞とか他動詞とか言い出すかな,この人は。じゃあ,「手を上げる」だと自動詞と他動詞のどっちだ? うんうん,自分が手を上げるんだから,自動詞? ……ちがーーーーう!
「先生,終電,そろそろヤバくない?」って,だったら,日記に集中させてくれ!

 走りましたとも,誤配の荷物かかえて,地下鉄の駅まで。間に合わなかったけど。5秒差で終電のドアを閉められたけど。ううう,もしもこの荷物がなければ,って,そんなことを言ってもしょうがない。でも,もしも頑張って,あと20秒長く全力疾走していれば……電車には間に合っただろうが,間違いなく風邪をひいただろうな。

 腹を立てることの効用はあまたあるが,その最たるものの一つは,長い歩きが苦にならないことだろう。退屈と憤怒ほど遠い感情もない。その上,知らず知らず歩みが速くなる。もう一つの効用は,多少の暑さ寒さは意識にのぼらなくなることだ。赤坂は弁慶橋の交差点にあるサトウ電機の電光掲示板によれば,夜1時の時点で2度だった--風もなかったし,平年のこの時期に比べれば,たぶんずいぶんと暖かい方だろう。
 眼鏡が壊れていることにも,効用はある。周囲がよく見えず,距離感が取れないので,気づかないうちにずいぶん先まで来ていて,何だか得をしたような気になる。皇居外苑で星空を眺めて,あのぼんやりと霞んでいるのはスバルかな,と片眼鏡を取り出してみれば,それはなんと,全天一明るい恒星,シリウスだった。もう一度眼鏡をはずしてみれば,全天の星々が残らずスバル化しているのだった。ありゃりゃ。

 山手線のあっち側から渋谷まで,1時間半ばかりを歩きながら,つらつら状況を考えるに,「もう返送されてました,すみません,じゃあさようなら」という対応は,やっぱりいくら何でもあんまりなんじゃないかという気がしてきた。郵便事故? 限りなくありそうにない話だ。日ごろからいいかげんな僕のことである,荷物を受け取るのを忘れていて,下手な言い訳をしていると思われたとしても不思議はない。せめて証明書でも出してもらえないだろうか? この時間では,担当者も管理職もいないだろうから無理か。ダメと言われたら,この荷物は一旦持ち返っちゃおうかなあ。発想がだんだんゴネ屋になっていく深夜思考。

 さて,僕と同様,金曜日の終電にときどき乗ってしまうほどのうっかりさんならよくわかるだろうが,酔っ払いというのは,実にロクでもない人種である。銀座駅はまだいいが,新橋駅からどっと乗り込んでくるご機嫌な酔客の集団には,本当にうんざりさせられる。銀座線とは何の関係もないのだが,同僚の知人は,酒に酔って貨物電車にラリアートをかました結果,1か月入院したそうだ。

 渋谷郵便局1階で,念のため,携帯電話で証拠写真を撮影。と,1枚撮ったところでいきなり電池切れ。ううう,昨日も充電しなかったしなあ,そう言えば。
 と,いきなり,自転車に乗った男がロビーに入ってくる。折りたたみ式の小さな自転車だが,ちょっとびっくりした。チーマー風の若い男で,ATMで用を済ました後,来たときと同じように,自転車に乗って出て行った。

 渋谷郵便局の2階に上がると,意外なことに,4人もの先客が椅子にかけていた。カウンターでは,担当の職員さんが,何やらたくさんの封書を,大あわてで処理している。ちょっと迷ったが,「1列に並んでお待ちください」というプレートのところに立って待つことにする。
 職員がようやく郵便物の処理を負え,「お待たせしました」と,客の1人,中年の男に声をかける。「控えがたくさんあって,混ざっちゃったかもしれないんで,これ,コピーになるけど」とかごにょごにょ言いながら,書類のやりといをしている。うーん,不器用そうな人だ。簡単に敬語が崩れてタメ語になってしまうのも,小さな局ならいいけれど,こういう大きな所では,何だかだらしない印象を受ける。
 座って待っている残り3人の客のうち,2人はアベックだった。小声で楽しそうに話していて番が回ってきているのに一瞬気づかず,3人目の野球帽の男に促されて,男の方があわてて立つ。この先客は,封書1通で,すぐ用が済んだ。
 さて,3人目。野球帽の男。サングラスもかけてたかな? ジーンズ,スニーカーというストリート・ファッションで,あからさまなチンピラではないけれど,カタギらしくないのは間違いない。凄みをきかすような,ゆうゆうとした動きでカウンターに向かう。ドスの効いた,低い声。20代半ばくらいだろうか。引き取り票を受け取った職員氏,奥に入ったまま,体感時間で5分かそれ以上も出てこない。不器用そうな印象は,はずれていなかったらしい。靴の爪先でトントンと床を叩き始める帽子男。不穏な予感。(続く)





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最終更新日  2005年02月07日 06時21分37秒
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