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2007年07月09日
第92回 インドのITアウトソーシング業界の近況
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カテゴリ未分類
今日のまとめ
1. 最近のルピー高でインドのIT各社の株は冴えない
2. アナリストのコンセンサス予想はまだ下がる余地を残している
3. ルピー高でもインドのIT企業の国際競争力は余り落ちない
4. ADRのプレミアムはかなり縮小した
■間近に迫った決算発表
このところ中国の産業セクターについて書いてきましたが、今日は暫くぶりにインドのITアウトソーシングのセクターを取り上げたいと思います。その理由は今週から同セクターが決算シーズンに突入するからです。インドのITアウトソーシングのセクターに対しては最近、悲観論が増えています。その理由はインド・ルピーがこのところ強含んでおり、これが各社の業績の足を引っ張ると考えられているからです。
上のチャートは2月以降のインド・ルピーの対ドル・レートです。数字が小さくなればなるほどルピー高であるという風に読みます。
さて、投資家の立場からすればルピー高が各社の決算に与えるインパクトが既にどれだけ株価に織り込み済みか?ということが気になります。このところインド・ルピーはずっと43.5から47のレンジで推移してきました。しかし4月にサポート・ラインである43.5付近を割り込み新しい水準を模索する展開になっています。このルピーを巡る新しい展開は未だ各社の業績のガイダンスには反映させていません。例えばインフォシスの例を示すと前回の決算のカンファレンス・コール(4月11日)で提示されたガイダンスでは為替レート=43.10を用いていました。つまりガイダンスの依拠する為替レートより今のマーケットは6%ほどルピー高になっているわけです。為替が1%動くことによる営業マージンの減少は各社によってばらつきがありますが、大体、20ベーシス・ポイントから50ベーシス・ポイントくらいの悪影響を受けます。それをもとに各社の6月期決算のマージンを試算したのが下のグラフです。
インフォシスの場合、6月決算のEPSに対する為替のインパクトは1から2セント程度であると思われます。いま、『ヤフー・ファイナンス』でインフォシスのコンセンサス予想を見ると6月期のコンセンサスは90日前に比べて1セント下がり40セントに、9月期も同じく1セント下がり44セントとなりました。ですから、ことインフォシスに関する限り為替絡みの悪材料はある程度織り込まれたと考えられます。反面、その他の銘柄はアナリストの予想数字は殆ど下方修正されていません。
ルピー高になってもインドのITアウトソース企業の国際競争力は余り落ちないと思います。なぜなら米国などインド以外を本社とするITアウトソーシング企業も最近はインド企業への対抗上インドにオペレーション拠点を置く企業が増えており、各社のコスト構造は似通ってきているからです。インドではITの人材がだんだん不足してきており人件費の上昇プレッシャーがあると言われています。しかし各社の従業員当たりの粗利益額の推移を見ると意外に安定的に推移しています。このことは各社がコスト増をちゃんと価格に転嫁出来ていることの表れだと思います。従って最近のルピー高によるインドのIT企業のコスト増も同様に顧客に価格転嫁できるに違いないと思われます。
以上を総合するとインドのIT関連株の最近の低迷は過剰反応のような印象を受けます。或いはインドのIT株がこのところ冴えない展開だった理由は、増資やIPOが相次ぎ需給関係が悪化したことも影響しているのかも知れません。以前はADRで取引されているインドのIT企業の株は本国市場の株価に対してかなりプレミアムがついていました。しかし最近ではそのプレミアムが随分縮小して殆ど苦にならない程度の水準となっています。
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最終更新日 2007年07月09日 13時27分10秒
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