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2007年09月25日
第102回 ベトナムの経済 (その1)
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今日のまとめ
1. 高度成長国の多くは一度経済のひどい低迷や破綻を経験している
2. ベトナム経済も長く険しい道のりを歩んできた
3. ドイモイ政策の発表される直前のベトナムのインフレ率は700%
4. ドイモイ政策導入後農業とサービス業が最初に立ち直った
■出遅れ
中国やインドやロシアなど、最近高度成長を遂げている国々には或る共通点が見出せます。それはこれらの国の経済の発展段階のある時期に各国とも経済のひどい停滞や混乱や破綻を一度経験しているということです。そうした経済の低迷はその国の提供する財やサービスの価格を極端に低くリセットする効果があり、それが価格競争力の面で圧倒的な優位に立つことが出来る機会を提供するのです。勿論、ベトナムの場合も例外ではありません。ベトナムの場合、1954年のジュネーブ会議以降、独立国としての道を歩み始めたのですが最初は極めて険しい道のりであったと言えます。下のグラフからもわかる通り、他のアジア諸国に対してベトナムは相対的地位の低下を経験したのです。
このグラフはそれぞれの年のアジア諸国の所得を100とした場合、ベトナムの所得がその何パーセントに相当するかをグラフ化したものです。例えば中国の 1950年の所得に比べるとベトナムは149.9%、つまりベトナムの方が49.9%豊かだったわけです。ところがベトナムはどんどん中国より困窮化し、 1998年までにはベトナム人の一人当たり所得は中国の半分程度になってしまいました。つまりこのグラフは右肩下がりになればなるほどベトナム人の相対的所得水準は低下していることを意味するのです。実際、1990年頃まではアジアの全ての国に対してベトナムはアンダー・パフォームしていることが読み取れます。(唯一の例外はフィリピンで対フィリピンでは1980年頃からベトナムが差を縮め始めています。これはフィリピンの経済の低迷が原因です。)ベトナムの経済が駄目だった原因は言うまでも無く1950年代から1980年頃まで絶え間なく続いた一連の戦争にあります。ベトナムは疲弊し切った経済をテコ入れするために1986年にドイモイ政策という経済改革を打ち出します。その結果、1990年頃を境にベトナムの相対的地位は盛り返し始めます。
■ハイパー・インフレと貿易赤字
1986年当時の同国の経済の疲弊度合いはインフレ率と貿易収支の数字からもうかがい知ることができます。ドイモイ政策が発表される直前のベトナムのインフレ率は年率700%を超えていました。
また、輸入額が輸出額の2.44倍に達し、ソ連など外部からの経済支援が無い限り国家運営の破綻は免れない状況になりました。
■ドイモイ政策
ドイモイ政策は1986年の第6回共産党大会で正式に発表されました。そこでは経済のてこ入れをするために利用できるツールは全て積極的に使ってゆこうということが提唱されました。具体的には財政政策、金融政策、賃金政策、価格政策などの面で新しいことを試すことが提案されたのです。そして政府が国家にとって戦略的に重要だと考えていない分野に関しては徐々に私有財産を認め、市場経済を認めることにしました。とりわけ外国との自由貿易、外資の導入、農業分野のてこ入れ、日用品などの消費財の増産が決められました。
ドイモイ政策導入直後はサービス業と農業が著しく成長しました。この一方で工業セクターが一旦マイナス成長に落ち込んでいるのは重厚長大型の計画経済モデルに依拠した重工業への支援を止める決定を下したことが影響しています。
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最終更新日 2007年10月02日 09時21分01秒
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