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カテゴリ: 政治・経済

アップル裸に…サムスンが法廷で引き出した「真実」
2012/8/27 7:00 日本経済新聞 電子版




米アップルと韓国サムスン電子がスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)などの特許やデザインを巡って争った訴訟で、米カリフォルニア北部地区連邦裁判所の陪審が24日、サムスンがアップルの一部特許を侵害したとの評決を言い渡した。ひとまず軍配はアップル側に上がったが、サムスンが一方的に打撃を受けたと断じるのはまだ早い。斬新な商品で市場を切り開く「パイオニア(開拓者)」アップルと、その影を踏み外すまいと猛追する「フォロワー(追随者)」のサムスン。両社は裁判で一歩も譲らず、ベールに包まれたアップルの裏側もさらけ出された。世界のスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)市場で半分以上のシェアを分け合う「IT(情報技術)2強」は今回の法廷闘争で互いに何を得て、何を失ったのか。

路面電車が走り抜け、近くの空港に降りる飛行機が真上をかすめるカリフォルニア州サンノゼ市、南1番街280番地。街路樹が並ぶ通りに面したロバート・F・ペッカム連邦ビルの5階で、世界が注目する「世紀の特許訴訟」は21日に結審、24日に評決が下った。

7月30日に10人の陪審員(その後1人減って9人に)を選んで始まった裁判の評決ではアップルの損害を10億5000万ドルと認定、サムスンに支払いを命じた。これを踏まえて判事が製品販売の差し止めも含めた最終的な判決を下す。特許を侵害した製品の米国内での販売が差し止められる可能性が高まっている。


■特許訴訟、2つの争点

スマホ市場をけん引してきたアップルが、急成長するサムスンを「iPhone(アイフォーン)をコピーした」と訴えた今回の訴訟の争点は、大きく2つあった。まずアップルが主張する知財権は、果たして本当にアップルのものかというのが第1点。2点目はサムスンが、アップルの製品を本当にコピーしたかどうかだ。

「サムスン側弁護団の処罰と、アップル勝訴を即時認める判決を求める!」

法廷は本格審理に入る前からヒートアップした。公判2日目の7月31日、アップルの弁護団はサムスンが米メディアの一部に開示した「証拠」に激怒した。サムスン側が法廷に提出し、担当するルーシー・H・コー判事が却下したはずの情報が新聞などに載ったからだ。



サムスンはこれをもとに「iPhoneがソニー製品のデザインの影響を受けている」と法廷で主張し、アップル製品が独自性にあふれているとは必ずしも言えないことを論証するつもりだった。

サムスン自身は審理のなかで「iPhoneの成功に刺激されて、スマホを開発した」と打ち明けたうえで、「アップルもソニーの影響を受けていた」と実際に指摘した。他社製品を参考にしたという意味では、アップルもサムスンと大差がないというわけだ。

「サムスン側の対応で、裁判の手続きや公平性が損なわれた」。アップル側はこう主張したが、判事は要求を却下。サムスンが求める正式な証拠としての採用も退けたうえで、ようやく本格的な審理が始まった。

その後の審理でも、両弁護団は一歩も引かず、互いに異議申し立て書を連発した。たまりかねたコー判事は双方を「非常識だ」と批判。「弁護士の話はもう結構。(証拠となる)紙を出しなさい」と一喝する場面もあった。

証人が立つ段階に入ると、法廷内の熱気は一段と高まった。アップル側の証人として大物幹部が次々に登場したからだ。これまで公になることがなかったiPhone開発の舞台裏や、アップルCEO(最高経営責任者)だった故スティーブ・ジョブズ氏の肉声が次々と明かされた。

「第1のおきては『この開発チームのことを決して口外しないこと』。向こう数年間は夜や週末も犠牲になるだろうとメンバーに通告した」。iPhone開発を主導したスコット・フォーストール上級副社長は8月3日、こう証言した。同氏は現在、iPhoneやタブレット(多機能携帯端末)「iPad」を動かす基本ソフト「iOS」の担当部門トップをつとめ、ジョブズ時代から製品発表のステージに立ってきたスター幹部の筆頭格だ。

「携帯電話のソフトを作ってほしい。だが、社外から人を集めるのはダメだ」。2004年、ジョブズ氏は「iOS」の開発をフォーストール氏に委ねる際、こうクギを刺したという。

「プロジェクト・パープル」と名付けられた「iPhone」開発プロジェクトはジョブズ氏の意向を踏まえ、職場に監視カメラを設置。チームのメンバーでさえ入室に5回も6回も機械にカードを通さなければならないほど、セキュリティーを厳しくした。メンバーが夜な夜な殴り合う秘密クラブを描いた人気映画になぞらえて、入り口には「ファイト・クラブ」の表札がかかった。

ジョブズ氏は徹底した秘密主義のもとで携帯端末を開発し、世間を驚かせようとしていたわけだ。iPhoneやiPadにコンセプトや外観が似た商品をサムスンが発売するのを見て、「コピーキャット」と罵った理由を陪審員たちも理解したはずだ。


■「ジョブズ神話」崩す法廷戦術

しかし、サムスン側はすかさず反撃に出る。



「サムスンのタブレットを使ってみて、7型の需要はあると思った。我々(アップル)も7型を作るべきだ。スティーブにも何度も話をして、彼も前向きだった」

画面サイズが7型前後の小型のタブレットはジョブズ氏が「DOA(病院到着時に死亡した状態)だ」と酷評したことになっている。だが、今回発覚したメールによって、現状の9.7型iPadより一回り小さなモデルが近いうちに加わるという噂が、にわかに信ぴょう性を帯びてきた。

アップルは7型投入計画の有無について沈黙を守っている。ただ、法廷内ではそうはいかない。問題のメールを受信した一人、フォーストール氏は証言を求められ、「(送り主の)キュー氏がある時期、サムスンのタブレットを使っていたことは事実だ」と認めざるをえなかった。

アップルはしたたかなサムスン側が掘り出した一通のメールで、故ジョブズ氏がもっとも外部に漏れるのを嫌っていた製品戦略を巡るヒントを引き出された格好だ。

「実は、自動車の生産を検討していました」。何の弾みか、3日に出廷したマーケティング担当のフィル・シラー上級副社長も、アップルの事業戦略に関わる驚くべき証言をした。

続く





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最終更新日  August 29, 2012 09:55:35 AM


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