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私の問題解決の考え方 第11章4
私自身がもっと正直で誠実になろうとしています。他の(原発と直接関係ない)人達についても、そうでない例を紹介したり、そうなるよう働きかけたりしています。世の中の一般の人達が皆正直で誠実になれば、国や電力会社も次第にそうならざるを得なくなるでしょう。
つい最近も、有名ホテルやレストランなどが食材の偽表示を平気でやっていたということが発覚しました。見つかるまで、かなりの長い期間(何年も)、堂々と嘘をついてきたのです。隠してきたのです。そして、発覚すると、偽表示でなく誤表示だったとか、担当者間の連絡不足だとか、非をなかなか認めないのです。悪いことをしたという認識もなかったようです。(2013)
JR北海道も、線路などの点検結果の改ざんを長年続けてきましたが、2013年に何回か事故を起こしたことで不正が明らかになってしまいました。その結果、安全責任者は辞めさせられましたが、この件は上層部を知っていたことらしく、元社長が自殺しています。(2014)
これらについて、私のホームページ(http://plaza.rakuten.co.jp/iwata7312)
の中の日記でも論じています。
次に、私が実際に指摘や働きかけを行なった例を2,3紹介しましょう。これまで、私は、このような行動はなるべく避けるようにしてきたのですが、原発事故後は、誠実でないことに接したときには、それを指摘したり、追及したりするようになりました。
以下、私と三つの会社との間で起きた事件(会社はそんなに思っていなかった)の顛末について説明します。そんなに大騒ぎするようなことではなかったのですが、今回、私は敢えて問題にしました。
例1:横浜のTホテルの請求ミス
この件では、法事の食事にこのホテルを利用したときに、私が当日近くなり人数を一人減らすよう宴会係に頼んだのに、それを宴会係から経理に伝えていなかったのです。その結果、一人分多く請求され、それを私達は払ってしまいました。
次の日に領収書を見てミスに気づいた私が宴会担当者に電話すると、すぐにお金を返してくれるとのことでした。しかし、そのまま音沙汰がなくなってしまったのです。
こちらも忘れていたのですが、1ヶ月ぐらい経って電話をすると、担当者の上司が出て、遅れたことを謝り、直ちに返金すると言いました。しかし、そのお金は現金書留の封筒にお札が裸のまま入れられて届き、お詫びの手紙もありませんでした。
少し腹が立ってきた私が再度電話すると、一応はまた謝ったものの、遅れたのは経理担当者が入院し、業務が滞ってしまったためだと言い張ったのです。
(このホテルは、横浜のあるお菓子屋さんが始めたものですが、もう16年以上営業しているとかで、経験が足りないなどいう問題ではありません。)
しかし、ホテルは営業を続けてきたのだから、一人いなくなっただけで、経理業務が止まるはずはないだろう、とちょっと厳しく追及すると、どうも宴会係の担当者が経理に返金を依頼しただけで、後は忘れてしまったようなのです。そして、上司もきちんとチェックしなかったようでした。
そこで、それなら上司と担当者がミス発生の状況を文書に書いて送るように頼みました。しかし、上司だけからの返事の手紙では、また経理の入院のせいにしていました。それどころか、支払いのときに私達がミスの指摘をしなかったことまで一因にしていました。
このように、自分達のミスを他人のせいにしてしまう神経は許せないと考えた私は、それまでのいきさつをこのホテルの社長に知らせ、再度、原因調査を求めました。
それで、やっと二人の宴会係から自分達のミスを認める、謝罪と反省の手紙がきたのでした。
間違えを指摘する電話を受けて、直ちにどちらかの宴会係がお金を送り、謝ってくれれば簡単に済んだことがこんなに面倒なことになってしまいました。
やるべきことを素早くきちんとやらない、仲間同士の意思伝達や連携の不足、嘘をつく、自分の落度を人のせいにしてしまう、正直に自分の非を認めない、相手の気持ちを考えない、お詫びはするが本当に悪いと思わない、などを感じ取った、気持ちの悪いやりとりでした。
この事件そのものは大した問題ではないのですが、考えてみると、結構大事なことも含まれています。こういう小さいことでも、一つひとつ、きちんと注意して行動していくことが肝要であると感じました。
因みに、社長からは何も返事がありませんでした。
例2 話が通じないS住宅会社(後にY社に名前が変わる)
S社は、関西のかなり古い中堅の住宅会社ですが、2011年にY家電量販店の会社に買収され、その傘下に入りました。
その次の年に、わが家のエアコンがたまたま壊れ、この量販店から新しいものを買ったときに、S社のことを知りました。
ちょうどそのとき、私は栃木に家を建てようと考えていたので、S社に連絡を取りました。そうしたら、直ちに来てくれた営業のTさんのやる気と対応の良さに感心してしまいました。そして、彼に担当になってもらい、約6ヶ月で家を建ててもらう契約を交わしたのでした。
値段も、もう一つの会社より、安く、Tさんがそれまでのやる気で担当してくれ、彼にこちらの希望をきちんと伝えれば、後は安心だと思いました。そして、契約後、私は、どういう家にするかの再検討を急いで行ない、契約から約1週間後にこちらの希望をまとめて、Tさんにメールしたのでした。
ところが、「想定外」のことが起きてしまったのです。
彼の、契約前のやる気はどこへやら、対応も、とても鈍くなってしまいました。また、契約時の口約束(建築用地の草を刈る、契約後も前同様良い家を建てるために頑張ると約束した)も守らなかったのです。
実は、Y社の期末は8月で、会社の、あるいは、Tさんの支店の成績を上げるために、彼は契約数を一つでも期末までに増やしたかったのです。一方、私は、8月末から、東北に用事があり、31日には、宮城県大崎市にいました。彼は、設計の人と二人で、私を追いかけてきて、見事、契約に持ち込んだのです。(この頑張り方を見て、私にはちょっと異常だなと感じましたが。)
このことも踏まえて、契約の席で、この契約で家を建てることの「目標(一番大事なこと)は良い家を建てること」なので、これから完成まで、それをいつも頭において、契約前同様頑張ってくれと頼みました。さらに、建築用地に草がかなり生えてしまっているので、それをすぐ刈ってくれと頼みました。
それなのに、契約後、彼のやる気(私の家についての)は急激に低下してしまいました。一般的には、このようなことは、あってもおかしくない(想定内の)ことなのですが、彼の変わりようが「想定外」だったのです。
彼は、家では、毎朝、娘さんを保育園に送ってから会社へ行き、夜遅くまで働く、よいパパでした。契約前は、誠実に私の相談に乗ってくれていました。私の知る限り、正直に対応してくれました。
ところが、契約後、上記のようになってしまったのです。一瞬、信じられませんでした。会社人間になると、こんなになってしまうのでしょうか。
契約のとき、とにかく契約を取りたいという強い気持が私との嘘の約束をさせてしまったのでしょうか。
前だったら、怒り飛ばして、担当者を替えてもらおうとしたかもしれませんが、そうすると、また初めからやることになるので、期日通り家を完成させるのは無理です。また、怒りを彼にぶつけてしまったら、本当に彼のやる気をつぶしてしまったかもしれません。
このとき、不思議なことに、彼の代わりに、私のやる気が出てきたのです。絶対に、期日通り、良い家を建てるのだと。
これは私にとって極めて幸運なことでした。契約するまで家を建てることに本気であったとはいえなかった私なのですが、このとき、絶対に良い家を建てるのだという決心をしました。
そして、彼には良い家を建てる力はあると思っていた私は、彼に、何が何でも、やるべき仕事をやり抜かせようと考えました。
そして、私自身も、設計見直しの段階から、自分の希望通りになるよう、彼のやることに口を出し、やっていないことをやらせるようにしました。
その結果、たった半年で、私の欲しい家を建ててしまった(もらった)のです。
そのために、私はTさんに厳しく接し、いろいろ「いじわる」もしたのですが、彼には感謝しなければなりません。
つまり、誰かにお金を払い、何かをやってもらうとき、お金の分、しっかりと働いてもらうことを期待するのが普通です。でも、相手に全部任せてしまうのではなく、こちらも本気にならないと、本当に良いものができないということを今回学ぶことができました。
(これら一連のことから連想したことは、原発に関し、国も電力会社も安全第一という大事なことを本気で考えていなかったこと、また国民も彼等に騙されたとはいえ、こちらも本気で疑ったり、追及したりすることが不足していたことです。即ち、税金を払っていれば、国が私達に安全で安心な生活ができるようにしてくれると思い込んではいけない、ということです。)
さて、私が本気になってからは、私の家のことを常に考えるようになりました。とにかく、予定通り設計を完成させるために、休みの日も無視して、メールで、電話で、また直接会っての指示により、こちらの希望を実現させるべく、彼に頑張ってもらいました。私がこれ以上は無理と思うところまで徹底的にやりました。
ただ、彼のやる気不足のために、全てのことに手間がかかったのです。私からの強力な促しが必要でした。
その過程の詳細は、私のブログ(2012年9月から2013年6月まで)
http://plaza.rakuten.co.jp/iwata7312
に書いてありますが、ここでは一例を示しましょう。
もっとも苦労した、浴室とその外の坪庭の設計では、浴槽の形状、窓の大きさと位置、外に作る庭の目隠しの塀など、そんなに難しい話ではないのに、大変な手間と時間がかかりました。
Y社の推奨プランの通りなら問題ないのですが、外れたことをやってもらおうとすると、大変なのです。
風呂場の設計では、まず驚いたのは、彼が勧めた、寝て入るような浅い風呂はいやだと言うと、そういう浴槽しかないと彼は答えました。私の家の風呂を見せて、こういうものがあるはずだと言っても、ないと答えました。
そこで、私がちょっと調べると、確か、和洋折衷型とかいうのがそれで、今でも、その型が一番多いとのことです。それを改めて示すと、彼はやっと調べて、そういう浴槽に変えてくれました。
次に、彼の示した案では、窓がとても小さく、上の方にあるのです。私としては、広い窓を開けて、風呂に入りながら、坪庭を眺めたいのです。ところが、大きな窓は付けられないと言うのです。それに納得しない私は3回ぐらい調査をし直してもらい、やっと浴室の端から端まである窓を見つけてもらいました。さらに、窓の下端が浴槽のすぐ上に来るようにすることもなんとか実現させました。
さらに、風呂から眺められる坪庭に目隠しの塀を作る、という私の希望を実現するのに、もっと苦労したのでした。
(まず、設計で作った図面は平面図だけだったのです。だから、そのまま作ってもらうと、浴槽の上面は地面から1メートル上にあるのに、庭は地面にできてしまうのです。これでは、風呂から庭はよく見えず、それどころか、塀を作っても、前の道の反対側にある家の二階から、わが家の浴室が丸見えになってしまいます。
但し、坪庭は家そのものの完成後に作るので、詳細は後で説明します。)
このようなことが何回もあり、私自身もインターネットで調査をしたり、家の図面(立面図も)を書いたりして、自分の希望通りになっているかどうかを徹底的にチェックし、抜けがないようにしました。
当初、私は自分の家を建てることにこんなに夢中になるとは思いませんでしたが、Tさんのお蔭でやる気も出て、家を建てることが少し面白く、楽しくなりました。というより、「彼をいじめることが」と言った方が正確かもしれません。
その結果、若干の遅れはありましたが、なんとか設計書ができ、ほぼ予定通りに、私の希望通りの家を、外構工事(庭など)の部分は除いて、完成させることができたのでした。
このことからも、彼が、やろうと思えば、仕事をきちんとできることが分かりました。但し、この時点では、彼の仕事はまだ終わっていず、後述のように、いくつかの問題がまだ発生しました。
それでも、ここまで来られたのは、Y社の技術部門がきちんとした仕事をしてくれたからです(後になってY社も認めたことですが、私の強力な「いじめ」の効果もあったようです)。それに比べ、事務部門には、かなりいい加減なところが見られました。
家が完成に近くなった頃、それまで期日通りに終わらせると言ってきたのに、下請けの会社の手配がうまくいかないとかで、急に納期を遅らせたいと打診してきたのです。それなのに、経理からは、建築代金を期日通り払ってくれという電話が来たのです。さらに、契約書の、家建築の金額が、S社と私の書類で違っていたり、お役所に提出する設計図面に信じられないような誤りもあったりしたのです。
憤慨した私は、ミスを厳しく追及し、訂正させるとともに、納期を遅らせてはダメだと強く言いました。
その結果、なんとか約束の日にできあがりました。本当はこの日に引き渡してもらう約束だったのですが。結局は、それが次の日の午前になってしまいました。
しかし、どういう考えなのでしょうか、引き渡しに、営業担当のTさんが来なかったのです。最後まで、やる気のなさを露呈してしまいました。それでも、工事担当の人と内装担当の人は来てくれ、良い家ができたことを喜び合うことができたのでした。
Tさんのダメ仕事ぶりは外構工事でも発揮されました。まず、工事担当の会社にこちらの希望をきちんと伝えないどころか、設計もずさんで、何回もやり直してもらわなければなりませんでした。
即ち、最初の設計では, 浴室の外に、庭と目隠しの塀を作るという課題に対し、高さ方向無視の図面を作ってきました。つまり、この図面通りに作ると、向かい側の家の二階から、浴室の中が丸見えになってしまうのでした。素人でも分かることです。浴室の窓の下端は地面から1メートル上のところにあったのです。それを指摘されて、やっと間違いに気づき、窓の前を窓の下端までの高さまでのブロックで囲み、中に土を入れて、ブロックの上に塀を立てるという設計案ができました。そこまではよかったのですが、窓の下端の高さを1.4メートル(他の窓の高さ)にしてしまったのです。浴室の窓の高さが他のものより低くしたのを忘れてしまったのです。(このままでは、窓の下端から40センチ上まで土を入れることに」なってしまいます。)
これを直し、これでやっとできたと思ったら、彼の資材指定ミスから、坪庭の「目隠し塀」が「透けて見える塀」になってしまいました。そして、これを修正するのに手間取り、私が目隠しになる塀の名前を再度教えたりする場面(設計のとき塀の名前、建仁寺(けんにんじ)垣、を教えた)もあり、結局、二枚の塀を重ねる構造にして、わが家の外構工事が完成しました。
このもたもたでかなりの時間がかかってしまい、1ヶ月で終わるはずのものが、3ヶ月もかかってしまいました。そして、外構工事の終了のさせ方は、家の場合よりもっとひどいものでした。
まず、彼は工事終了の確認に来なかったのです。そして、かなり時間が経ってから、こちらから工事終了の処理を頼んでも彼は来なかったのですが、なんと、支店の事務から、すぐ払えという請求書が送られてきました。それには、工事開始日は書いてあったのですが、納期も、終了日(とても遅れた)も書いてないのでした。
終了日が書いてないのは当然で、Y社としての終了確認がされていなかった(彼が来ていない)からです。このような、前と同じような素早い請求(自分の方はやるべきことをしないのに請求だけは早い)で頭にきた私は、彼の上司である支店長に事務処理のやり直しを頼みました。そして、どうしてこうなったかのと、遅れたのがやむを得ない理由(遅延金を払わなくてもよい)かどうかの調査も頼みました。
そうすると、彼Tさんがすぐに来て、工事終了の確認をし、その日を終了日にするとして、その2,3日後、彼の監督者である、副支店長から謝罪の手紙が来ました。私の指摘に対するお礼、それから、今回の不始末のお詫びと、Tさんが仕事を自分だけで抱え込んでしまったことが原因であるとし、自分の監督の不行き届きを認めるものでした。しかし、遅れた理由がやむを得ないものであったかには触れませんでした。(こちらの質問にきちんと答えないのです。また、契約最優先の仕事のさせ方に対しての反省もありませんでした。)
私も、自分の希望の家ができた(目標達成)ということで満足していて、さらに賠償金を要求しようとまでは思っていなかったので、この時点で代金を払いました。(Y社も、結果として、二枚重ねの塀と、塀と壁との間の隙間(私が見落としていた)にも目隠しを、追加料金なしで、作ってくれたのでした。)
しかし、本件にはまだ先がありました。Y社の本社からアンケート調査の依頼が来ていたのです。
私は、そのアンケートに素直に答えて、今回やってもらった仕事についての感想を書きました。いろいろな指摘だけでなく、質問もしたのでした。
そうすると、アンケートの依頼主である、「CS(Customer Satisfaction;お客の満足という意味)推進室」のM室長さんから返事が来たのですが、アンケートのお礼と迷惑をかけた謝罪があるだけで、私の指摘や質問に対する具体的な答えが何もなかったのです。
相当むっときた私は、このCS推進室とやらだけでなく、Y社の社長にも事情を書いた手紙を出しました。
そうすると、Mさんから来たのは、まだ具体性のない、お礼とお詫びの手紙でしたが、社長の命令で私の件を社内の教育に使わせていただくということだけが書き添えられていました。
この答えに満足しない、こちらからの再度の催促で来た返事では、営業のTさんの仕事ぶりを本人のやる気のなさのせいにしたのです。そして、ずさんな事務部門の対応を教育の不足のせいにしたのです。
一方、私は、そうではないのを知っています。
つまり、私は、彼が出そうと思えば、やる気を出せることを知っているし、Y社が、契約を取ることを異常に重要視していることも知っているのです。だから、契約後、私の家の仕事を手抜きしていたのです。そして、契約後果たすと約束したこともやらなかったのです(契約を取ることの方が約束より大事だったのです)。(契約後、彼が、主として私の家の仕事以外のこと(多分、新しい契約を取ること)で、毎日のように夜遅くまで働いていたこと、即ち、忙しかったことも、私は知っていました。)
ですから、忙しさと私の仕事の重要度の低さ(Y社内での)により、私の家に関する事務の連絡を彼がきちんとすることを怠ってしまったのでしょう。さらに、問題となった、契約書の数字も、お役所に渡す、事務部門が作った書類も、彼はきちんとチェックしていなかったのです。同じ理由で(これらのチェック不足は彼も私に認めました。)。
結局、Y社は、私の指摘や質問に対し、丁重なお礼やお詫びの言葉はありましたが、真面目に答えてはくれないし、答えても、真実をはぐらかしていました。また、一般的な話でごまかしていました。そして、最後まで、約束を破ったことには触れませんでした。
これまでのやりとりで、私は、こちらからの言い分は多分理解されたと思いましたが、相手に非を認め、反省させるには、私にさらに沢山の無駄な労力を強いることになるので、これで追及は終わりにすることにしました。なにより、私の欲しい家は完成したからです。
最後に、M氏にも、社長にも、問題は、彼のやる気のなさではなく(彼はやる気をちゃんと出せる)、原因は、むしろ、Y社の契約最優先の仕事のさせ方にあるに違いないと書いて終わりにしました。(M氏はそういうことはないと強く否定しましたが。)この場合も、社長からは返事は来ませんでした。
私の希望の「良い家」は手に入れたわけですから、これ以上嫌な思いをするのは止めて、新しい家を楽しみたかったのです。それに、最後の段階でお世話になった外構工事の担当者のMさんも、実際に工事をしてくれた人達も、さらに、わが家のメンテナンス担当になったSさんも、人間同士のお付き合いができ、きちんとした仕事をやってくれる人達だったので、とてもうれしく、感謝しています。
Sさんは、ときどき家に様子を見に来てくれて、ゆっくりと話をしていってくれるので、今は友達に近くなっています。
私は、Y社のお蔭で、母の死後、すっかりやる気を取り戻すことができました。また、家を建てることの「専門家」になったような気分です。これもY社のおかげです。
また、この問題は、これまで研究してきた、「私の問題解決の考え方」の実証の一つにもなりました。
☆正しい目的をもつこと
☆まんずやってみれ!
とにかく、解決に着手すること、それから考えるのです。
☆チェック機能
目的に照らし合わせて、やっていることの良し悪しを判断できるようにすることです。
そのためには、失敗から学ぶことが必要です。
☆失敗から学ぶこと
何回も、倦まず怠らずに検討を繰り返すことにより、問題の本質を知り、チェック機能を持てるようにして、解決に近づいていくのです。
☆正直で誠実になること
嘘、ごまかし、隠ぺいは禁。相手を思いやる心を持つ。
☆なるべく楽しく、面白く、問題を解決に当たりましょう。
☆転禍為福
大変なときは進歩のチャンスです。私達が変わらなければならないときがあるのです。
☆油断大敵
今回、私は、自分の希望をTさんに知らせたところで、もういい家ができると思い込んでしまいました。しかし、これが大きな思い込みでした。でも、すぐ気がつき、必死に盛り返したお蔭で、なんとか、ぎりぎりのところで目標を達成しました。危ないところでした。
などを頭において、判断、行動すれば、多くの問題は解決できると確信しました。
本件の目標は、「良い家を建てる」ことですが、
問題は、技術的なことではなく、「人間が真面目に自分の仕事をするかどうか」にあったのです。
その線で、今回は、私がTさんを「助ける(いじめる)」ことにより、目標を達成したのです。
本章で検討している原発の問題でも、このような人間の要因が強く関わっています。原発導入当時の国の指導者達が国民の安全と安心を第一に考えていれば、原発を始めることはできなかったと思います。原発を始めてしまってからでも、正直で誠実であったならば、あのような大きな事故にはならなかったでしょう。
以上、私が経験した、好ましくない事例を二つ紹介しましたが、どちらも後になって考えると大したことではないのです。相手が、指摘されたときに非を正直に認め、改めてくれれば、それで終わりになるようなことです。質問に素直に答えてくれるだけでよかったのです。
でも、そうでなかったので、かなり面倒になってしまったのです。そして、私がそれらを問題にしたことで、私の狙っていた効果(周りの人達をより正直で誠実になるようにする)が、あったかどうか定かではありません。確かなのは、私にとってもかなり大変で、後味も悪かったのです。
といっても、上の二例で私の関わった人達は、いずれも、個人の付き合いだったら、多分、皆良い人の分類に入ると思います。
しかし、会社の中の人間としての評価を気にしたり、会社の利益や名誉のために、人間同士の付き合いとしては良くないこと(会社の中では悪くない)をやっていました。小さいことですが、嘘、ごまかしや隠ぺいがあったのです。約束を破るような、不誠実なこともありました。即ち、原発事故を起こした国や電力会社と基本的には同じようなことをしていたのです。
だからこそ、私も。敢えて、ある程度しつこく、彼等を追及したのでした。
最後の例は、上記の二つの例よりもっと些細なことでしたが、とにかく私の言うことが相手に通じ、前より良い状態に変わったと思えました。
例3:Sホテルでの鍵紛失事件
このホテルは、秋田の由利本荘市の駅前にあります。
去年(2013年)に私がここに泊まったとき、外出から帰ったら、フロントで私の部屋の鍵がないと言われたのです。そして、「こちらにお渡しいただきましたか」と聞かれたのです。
私は普通フロントに鍵をおいて出かけるので、おいていった、と言ったのですが、実際に手渡したという、はっきりとした記憶がなかったのです。不安になった私は、ポケットの中を調べるとともに、持っていた手提げの中のものを全部出して探しました。
フロントの人も、周りを探したり、防犯カメラを確かめたりしました。その結果、私がフロントに鍵をおいたことが確認され、私は無実であることが証明されました。
しかし、鍵は直ぐには見つからず、その後、 もう一人のフロントの係が出てきて、さらに探した結果、鍵箱の上で発見されました。
私は、鍵を持っていないかと聞かれたことで、大変なショックで、私の無実が分かるまでとても大きなストレスになったのだよ、とフロント係にはっきりと言ったのでした。
彼は、まず、きちんと謝ってから、原因を調べ、これから起きないようにすると言いました。
そして、数時間後、彼は、フロントの引き継ぎのときに、前のフロント担当が鍵を私の入れ場所に入れずに箱の上においてしまったと説明してくれました。そして、これからは、鍵を受け取ったときに、きちんと所定の場所に入れることを確認すると約束してくれました。また、鍵をきちんと所定の場所におかなかったフロント係もちゃんと謝ってくれました。
その後は、フロント係全員が毎回鍵をきちんと所定の場所に入れていました。
これで問題は解決(私の経験した、鍵を戻さなかったかもしれないという、怖い記憶は消えませんでしたが)ということになりました。
この問題では、私は、自分の気持をはっきりフロント係に言い、相手もそれを理解し、誠実に対応してくれたのでよかったと思いました。
それ以来、この事件のお蔭で、私はこのホテルで、いつもとても親切にしてもらっています。
このように、他にも、間違っていると思うことに対し、質問したり、指摘したりしてきました。しかし、多くの場合、このような行動は私自身にかなりの負担になるのです。そして、その効果も期待のようにはなっていない場合が多いと感じています。
所詮、他の人を変えてやろうなんて思うことそのものが傲慢な考え方なのかもしれません。むしろ、次項のように、自分自身が周りの人々と心が通い合う努力をする方が先だと思っています。気も楽です。
いいこと探し、いい人探し、楽しいこと探し、面白いこと探しに心がけましょう。悪いことを止めさせる行動は長い目で見ましょう。指摘や意見はその都度きちんと行なうとしても。
4)人間同士で心が通う付き合いができるように努力している
たまたま、去年(2013年)の春から氏家(栃木県さくら市)にも家を持つことになりました。
ここは、昔の奥州街道(道中)の宿場の一つで、古くから米作りも盛んであったし、近隣の生産物を江戸へ(途中まで)運ぶ港(川の)もあったので、かなり栄えていたようです。
私のもう一つの家がある狭山(埼玉)から比べると、若干ゆったりしているように感じられました。たまたま出会った人達と結構仲良くお話ができるのです。
最初に行った、駅前のさくら情報館(案内所)のKさんは親切な人で、この町と周りのことをいろいろと教えてくれました。美味しいものが食べられるところとか、必要品を買うお店なども教わりました。
駅の近所には、コンビニも大型スーパーもありません。私の行った、いくつかのお店では、地元の個人のお店だからか、お店の人達ものんびりしていて、話しやすいのです。こういうところでは、人間同士の対話が成り立ち、ちょっとほっとしました。私もうれしくなり、行くと必ずひとっきりおしゃべりをするようになってきました。
転入の届けに行った市役所でも、係の人(1人ではなく2人がかりでした)がとても親切で、素早く手続きが済みました。図書館へ行っても、すぐにカードを作ってくれ、私の欲しい本を探し出してくれました。コピーもやってくれます。
私の方からも、積極的に、できる限り近所のお店を利用し、お店の人と知り合いになるように心がけています。
その結果、ちょっとの間に、地元の今宮神社の神主さんと助手(権禰宜(ごんねぎ))、K酒屋さん夫婦、S床屋さん夫婦と息子、N肉屋さん夫婦、U魚屋さん親子、N蕎麦屋さん親子、Kお菓子屋さん夫婦、A果物屋さん奥さん、Kうどん屋さん夫婦(最近ご主人亡くなる)、Sホテルレストランの奥さん、Cイタリヤレストラン親子、近所の家の親子(子供)達などとも少しずつ親しくなっています。勿論、さくら情報館の職員さん全員と知り合いになり、大変お世話になっています。また、土曜日の朝市のお惣菜屋のYさんと八百屋さんのSさん、塩谷町のふれあいの里野菜販売所の人達、氏家のホームセンターKの店員さん達とも仲良しになっています。
さくら市の市役所の職員さん達にもとても親切にしてもらっています。
皆さん(子供達を含めて)、割ときちんと挨拶してくれるし、人間の会話が成り立つような人達ばかりです。
最近では、隣町まで出かけるようになり、N町のTトンカツ屋さん夫婦はもう友達と言えるでしょう。最初にこのお店へ行ったときに、驚くようなことが起きました。
私はバスでここのトンカツを食べに行ったのですが、美味しく食べた後、なんとTさんが私を家まで送ってくれました。30分あまりもかけて。自動車の中で話しているうちに、すっかり気が合ってしまいました。
次に家族を連れ、Tさんのお店へ行ったときに、彼の娘さんが埼玉のわが家のそばに住んでいたことが分かりました。この「偶然」でますます仲良しになり、それからは、行くと、いつも楽しく話し合えるようになりました。
Tさんも、奥さんも、とてもいい人達で、いろいろ話をするだけで勉強になります。Tさん夫婦は、毎日、店の前を通る小学生に声かけをしているそうです。初めは挨拶しなかった子も毎日の声かけで皆親しく挨拶するようになったとのことです。
それに対し、私は、狭山(埼玉)で、知らない人とすれ違うときとか、一度は挨拶しますが、挨拶しなければ、その後はこちらから挨拶していませんでした。
Tさんの話を聞き、私ももう少し挨拶をする努力をしようかと思いました。
まだTさんのようにはなれませんが、この一年、狭山(埼玉)と氏家(栃木)の間を行ったり来たりしているうちに、かなり沢山のさくら市と周辺の人達と心が通じる人間同士のお付き合いができてきたと言えそうです。そして、互いに話が通じるのです。(2013-2014)
一方、原発推進派の人達とは、いくら話しても話が通じないでしょう。メールを出しても、一方通行です。前項の二つの例に出てきた、TホテルやY住宅会社で私と接触があった人達にも話が通じません。いや、先方は理解はしているのだけれど非を認めたくないか、本当に悪いと思っていないのかもしれません。
これらの場合、こちらの質問や指摘に対して素直な答えが返ってこないのです。これでは対話になりません。人間同士の付き合いどころではありません。
このような嫌な思いをさせられるのは、多くは、相手がなんらかの組織の一員としての言動に私が接したときです。原子力ムラでも、大会社でも、権威のある大学でも、それぞれの組織には、各々特有の決まりというか、常識があって、世間では正しくないことが正しかったりするのです。
こういうことを念頭において、少しでも、世の中の私の周りから、人間同士の付き合いの輪を広げたいと考えました。嘘、ごまかしや、隠ぺいがより少ない環境の中でこれから暮らしていきたいと思っています。
私がまず心がけているのは、正直、素直で率直になることです。誠実でもありたいです。
その心がけで、なるべく多くの人と知り合い、仲良しになっていこうとしています。そして、人間同士の、心が通ってつき合う関係を築き、それが続くようにしていきます。 こういう人間同士の輪を広げていけば、嘘、ごまかしと隠ぺいを常用し、原発と経済(金儲け)を第一とするような人達は、次第に居心地が悪くなっていくと思います。
藤原正彦さんが「とんでもない奴」、新潮社(2014)に書いています。「沖縄の人達は、家族は勿論友人間も強い絆で結ばれている。・・・人間関係が密だから、人を騙したり、不正を働いたりすると、あっという間に伝わってしまうらしい。・・・失業率日本一、一人当たり所得ビリから二番目、でも出生率全国一位。温かい人間関係がお金より大きな安心感や幸福感を人々に与えているからだろう。」
とにかく、私としては、正直、素直と率直を心がけることで、多くの人々と心が通うお付き合いができるようにしていこうと思ってはいますが、そうも行かないこともあります。
氏家のコーヒー店K館のマスターはコーヒーに関してはプロだそうで、自分でコーヒー豆を炒り、それを挽いて、店で出したり、販売したりしています。コーヒーについていろいろ話をしてくれ、これからいろいろな味を経験させてあげると言ってくれました。そして、ジャズの話などもすることができました。
しかし、なんとなく話がすんなりと通じないと感じることもありました。何回目かにコーヒーを飲みに立ち寄ったとき、注文したら、今は忙しくて出せないよ、と言われてしまったのです。店は開いているのになぜだろうと思いながら、あっそう、と言って出てきました。ちょっと変わった店だなと思いながら。
コーヒーが飲みたくて、開いている店に入ってきたお客さんに、なんの説明もなくこういうことを言うのは変な人だなと思いました。そして、ここでコーヒーを飲みたい気が失せてしまったのでした。それから、店の前を通るときに会えば挨拶はしますが、コーヒーは飲んでいません。コーヒー豆を買いに行くかもしれませんが。
これまでこの人と話をしたときの印象では、悪い人のようには見えませんが、馬が合わないのかもしれません。これからどうなるのか分かりませんが、状況によりお付き合いできるようになる可能性はまだあります。
前項で登場したTホテルの宴会係も、Y住宅会社の副支店長もCS推進室長も、これまでのやりとりから、言動に、嘘、ごまかしや隠ぺいがあると感じました。私の質問や指摘に素直の答えないのです。「お詫び」はしてくれるのですが、心がこもっていないのです。(それから、両社の社長に手紙を出したのに、返事は全くありません。)
彼等とは、今後も多分、心が通うお付き合いはできないでしょう。
しかし、彼等に思いやりを持って推測すると、私が見たのは、個人としての彼等ではなく、会社人間としての彼等ではないかと思いました。会社の利益を増やすことを、正直や誠実になることより、大事なことと考えているのではないでしょうか。
でも、家に帰ると、自分の子供達に、聞かれたことは真面目に答えろ、嘘やごまかしはいけない、隠すのは止めろとか、お説教しているかもしれません。そして、奥さんに頼まれたことを約束通り実行しようと努力しているかもしれません。
本項の内容は、問題解決一般でも、とても大事なことです。
どんな場合でも、正直、素直で、率直でありたいです。自分に対してもです。
これらさえ守れば、どんな問題解決もかなり楽になります。
一人でだけで孤立してしまうのは止めましょう。自らまず動きましょう。そうしたら、周りだって動いてくれます。人と人とが正直に付き合っていけるような社会を作っていきましょう。
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