私の問題解決の考え方 第13章2



今、2013年8月の時点で、栃木県さくら市氏家の、新しいわが家は完成し、私は、これまで住んでいた家のある埼玉県狭山市と氏家間を往復していて、氏家にいる期間が少しずつ長くなっています。

私はこの家が気に入っていて、こちら氏家での知り合いも増えていますし、こちらのことも分かってきました。

まずまずの住み心地の家ができたと思います。

これは、Y社(元S社)のお蔭ですが、完成するまでに、冷や冷やする場面がいくつかあり、私が本気になり、手や口を出して、おかしな方向へ行かないように、チェックし、その都度、修正してもらう必要がありました(主に設計の段階で)。

本来なら、お金を沢山払っているわけですから、このようなことで私が介入する必要はないはずなのですが、最後まで、油断ができませんでした。

幸い、かなり経験のある会社なので、実際に工事をする人達はきちんとした仕事をしてくれ、私の希望の家ができました。

問題は、お客と工事担当者の間に入る人達です。営業と設計の担当者には、これまで説明してきた通り、お客の希望に沿うように努力する気持が不足していました。社員の間の連絡ミスだの、指示ミスなどがかなりあり、図面や契約書や提出書類のミスもありました。会社の仕事のさせ方に問題があると思われるところもありました。

「営業のTさんを見ていると、とても沢山の仕事を抱えて忙しく、私のことに十分集中できていませんでした。その結果、仕事がいい加減になってしまったのです。

これは、契約後のことで、契約前は、もう一人の営業の人とともに、私が感動するほど熱心に私の家の建築についての疑問や希望に答え(応え)てくれました。」

後になってから考えると、これ(「」内)が一番大きな問題です。


簡単に言えば、家は、機械が自動的にできるものではありません。基本的には、お客と住宅会社の人達が一緒になり、お客の希望の家を作り上げるものなのです。そのためには、「人間と人間のつきあい」がうまく行くかどうかがカギになるのです。


お互いに正直に気持を伝え合え、お互いに信じ合えるかどうかが重要です。

私の家の場合、なにも芸術品を作ってくれと言っているのではないので、Y社のような経験のある会社が真面目な仕事をしてくれれば特に問題はないはずなのです。

そして、仕事の目的が「良い家を建てる」であることを忘れなければ。これは当たり前のこと。

工事に携る人達は、良い家を建てるために、真面目に働いてくれていました。しかし、その他の部門の人達には改善の余地が多いと感じました。


以下、問題点を整理し、説明しましょう。



13.4.1  契約獲得が至上命令?

Tさんは、異常なまでに、Y社の期末までに私の契約を取ろうと頑張りました。もう一人の営業社員(太陽電池に詳しい)と一緒になり、足しげく説明に来てくれました。

そして、2012年8月末に契約し、翌年3月に完成させれば、太陽電池の補助金や値引き等有利なことがあると言い、とても熱心に契約を勧めました。

私のいろいろな疑問に対し、真面目に答えてくれたり、調査してくれたりし、いい印象を受けていたのですが、設計の方がまだ煮詰まっていませんでした。そこで、契約前にそれをやりたいと言うと、契約後でも、設計の再検討をして、変更する余裕が1ヶ月あまりもあると言うのです。

最後に、私が8月下旬から東北へ行ってしまうことを知ると、31日に私がいるところまで契約のために来るというのです。

結局、31日に、宮城県の古川で契約しました。その条件として、二つのことを約束してもらいました。その一つが、契約後も、良い家を建てることを目的として、前同様に頑張ってくれることでした。(もう一つは建築用地の草刈り)


私としては、Y社が契約に力を入れてもらってもいいのです。良い家が建てば。即ち、契約後も契約前同様しっかり仕事をして、良い家を建ててくれれば、なにも文句はありません。

今回の場合、Tさんのやる気が契約前と比べ、著しく低下したのを見て、一度言ってもすぐ状況が改善しなかったので、このまま彼に任せていたら私の良い家は建たないと判断しました。

私がまず変わって、設計の作業に強く介入して、設計を完成させなければいけないと考えました。

それを私が実行し、なんとか良い家ができたのですが、この会社には、なにがなんでも契約を取れ、という社是(至上命令)があり、契約を取ってしまえば、その後は、それほど頑張らなくても許すという空気が感じられました。(この会社は業績がよくなく、少し前に、家電量販のY会社の元で再生を図ることになっていたのでした。)

この会社は良い家を建てる技術は持っているので、とても残念です。



13.4.2 チェック機能がなっていない

1)契約書のチェック漏れ

契約書は2通作り、甲はお客の分で、乙はY社の分です。

今回、その甲と乙の契約書で、請求金額が違っていたのです。私も両方の書類をよく見ないで署名してしまいました。

たまたま、お金を払うときに気づいた私の指摘で、それが発覚したのです。契約書にある支払金額が、別にもらった説明書類の金額(この金額は会社が持っている契約書のもの)より高くなっていたからです。

まさかそういうことにはならないと思いますが、私が契約書通りの金額を払っていたら、そのままになっていたかもしれません。

故意ではないと思いますが、呆れてしまいました。そして、会社も信用を落としています。

なぜなら、話し好きの私がそこいら中でいろいろな人にしゃべりまくっているからです。このことがもうかなり広まっているのではないかと思います。

これは、書類を作った総務や、きちんとチェックしなかった営業のTさんが悪いのですが、彼の上司やK支店長もハンコを押しているので、彼等の責任問題でもあります。


2)お役所への提出図面の間違い

ある提出書類のコピーをもらったときにさっと目を通したら、私には、その間違いがすぐ見つかったのです。設計で、私の一番苦労したところだったからです。

Tさんも一緒に苦労してくれたはずなのに、設計の段階でも一度も出てこなかったような間違った図面に彼は気づかなかったのです。いや、なにも見ていなかったというか、チェックさえしようとしなかったのでしょう。 残念ですが、多分こういうやり方(契約を取る以外のことで手を抜くこと)の方が会社からいい評価がもらえるのでしょう。

彼は、能力は持っているのです。しかし、それを、良い家を建てるために、発揮させなかったのです。契約を取ることに使ってしまったのです。

だから、やむを得ず、私がいろいろと口を出し、彼にちゃんと働くよう強要することになってしまったのです。

その結果として、なんとか良い家を建てることができました。

こんなものなのです。Y社では、契約を取ってしまえば、後は、そこそこにやっていても、それが許されていたのです。


「チェック機能」というのは、私の問題解決の考え方で、とても大事なところです。

上の二つの例は、どちらもY社が会社として機能していくために大事なところです。基本です。ですから、私は、株主(株主にもなっていたのですが)として、かなり心配しています。

また、特に第二のミスにTさんが気づかなかったのは、彼が私の家を建てることに意識があまり行っていなかった証拠です。つまり、彼は、契約を取ることばかりに意識を集中させていたのです。だからこそ、私の強い促しがないと、私のことも考えてくれないような状態だったのです。でも、それもいやいやながらで。だから、大事なところ(私にとって)を簡単に忘れてしまったのです。

ちょっと情けなくなりました。

さらに、契約時の口約束も守りませんでした。その一つが「契約後も契約前同様、良い家を建てるために頑張ること」でした(もう一つは建築用地の草刈)。(そのお蔭で、彼が私のシゴキに耐えて、なんとかわが家を完成させてくれたのかもしれませんが。)


ここまで来たら、もう一つ書きましょう。


3)引き渡しのときに来ない営業のTさん

Tさんは、引き渡しのときに、他に用事ができたと言い、来なかったのです。これは、良い家ができたかどうか、ということをチェックしたいと思っていなかったからです。私としては、そのとき、彼に、私とともに、家の出来栄えを見て、話し合って(喜び合って)もらいたかったです。(でも、現場監督とカーテン担当の人が来て、一緒に喜び合ってくれました。)

お客の意見を一番理解できるのは営業の人で、彼が引き渡しに立ち会うことは、後から、家についてのアンケートの依頼(後述)を寄越すより、ずっとずっと大事なことです。

このことで、彼の点数はまた下がってしまいました。


Y社には、CS推進室というのがあり(CSとは多分お客の満足という意味(Customer Satisfaction);アンケートに答えるときに質問しても教えてくれませんでした)、そこからアンケートの依頼が来ました。それに答えたときに、アンケートより営業の人に聞いてもらいたかったと書いたのですが、こちらも答えがありませんでした。

お客にはいろいろなことを答えさせて、お客の言ったことに答えないのはまったく失礼です。

これも、会社がお客の意見を真面目にチェックしようとしてしないことを示しています。


4)建築終了後のアンケートに私が書いたこと

私の目標は「良い家を建てること」で、それができたので、評価は〇。

営業のTさんの契約前の仕事ぶりは、二重〇、契約後は✕。

Y社については、家を建てる技術は〇、その他の点では✕が多い。


私としては、苦労はありましたが、良い家ができ、いろいろ勉強もできたので、他のことはどうでもいいのですが、私は、Y社の株主でもあるし、その親会社のY家電量販店の株主でもあり、この親会社は好きなので、Y社に、悪い点を直させ、もっと頑張ってもらいたいです。(因みに、私は、私が係わり、これから伸びるかなと思う会社の株を買うことにしています。しかし、その後、Y住宅会社の方の株はその後売ってしまいました。売った、数少ない例です。)


13.4.3 お客の言ったことに素直に答えない・・・付き合いたくない人達


言い換えると、人間同士の、正直な付き合いができない、ということになります。

具体的な例を二つ挙げて、説明しましょう。


1)質問には答えないで、言葉だけのお詫び

きっかけは、3週間の予定が3ヶ月余りになった外構工事(家の外周りの工事)について清算書と請求書がY社から送られてきたことでした。まだ正式な引き渡しも終わっていないのに、1週間ぐらい先までにお金を払えというものでした。

私が怒ったのは、外構工事がとても遅れたことに対して何も説明もなかったことに対してでした。

精算書に、契約日は書いてあるが、引き渡し日(3か月後)に触れてもいないことを指摘し、さらに、契約書の中の、正当な理由もなく遅れたときにY社も遅延損害金払う、というところを引用して、「正当な理由もなく工事が遅れたかどうか調べてください」と書いて、もらった手紙(精算と請求書)を送り返しました(支店長、副支店長と総務担当者へ)。

そうしたら、営業のTさんがあわててわが家に飛んできました。総務は工事が遅れたことを知らなかったのです。精算書には引き渡し日は書かないことになっているのだそうです(なぜだか不明)。

遅れた理由をいろいろ聞いて、結局は、Y社から業者への説明が不足していたことと、指示が間違っていたことが主因であると推測されました。

(目隠しの塀を作るのに、隙間のある塀を指定してしまったのです。それを修復するのに、担当した業者はかなり苦労し、きちんとした仕事をしてくれたので、私は満足していました。)

さらに、Y社から正式な引き渡しを受けていないことを指摘し、引き渡し日もその日(彼、Tさんが来た日)にして、Y社の工事の責任者である副支店長から説明の手紙をもらったら払うと、彼に言いました。

数日後、副支店長さんから丁重な手紙が来て、信頼を著しく失墜させてしまったことに対し深くお詫びをしてもらいました。

しかし、「工事の遅れが正当な理由のあるもの」であったかどうかを答えないのです。

そうしておいて、工事の遅れは、営業のTさんが問題を一人で抱え込んだからだとした(本当は本人から担当業者への指示ミス)のです。

ただ、副支店長氏がその状況の把握を怠ったからだと自ら反省してくれました。

工事の遅れに関する質問には、素直に、正当な理由にならない(になるでもいい)、と書いてもらいたかったのですが、私は損害金をもらうつもりはないので、非を認めたことを受けて、これ以上追及しないで代金を払いました。



この手紙で唯一よかったのは、引き渡し日が7月11日(Tさんが来た日で、実際に出来上がった日より1ヶ月後)であると認めたことです。これはよい答でした。(これがなかったら、もう一言二言あったかもしれません。)

それにしても、人間との対話ではないような印象を受けました。こっちがなにか言ったら、素直で正直に反応を示してくれればいいのですが。

また、お詫びすると言われても、私の心になにも入ってこない感じでした。


2)アンケートの答えに対する返事

既に前節で触れたように、家ができてから、アンケート依頼の手紙が来ました。しかし、まだ外構工事が終わっていないので、返事を遅らせていました。

アンケート依頼を寄越すより、引き渡し日に営業の人、Tさんに、立ち会って、私の感想を聞いてもらいたかったというのが私の気持でした。

この、遅れていた工事(浴室の外の坪庭)は、私にとってもっとも大事な部分で、Y社から担当業者への指示に重大な誤りがあり、その部分をほぼ全部やり直してもらいました。その結果、担当業者にとっては大きな手間と費用になりました。


それがうまくできて満足したところで、私はアンケートに答えようかどうかを考えました。

家そのものについては、「良い家を建てる」という目標を達成したので、これ以上言うことはありません。

しかし、1)のK副支店長の返事の内容を思い出したのです。私が書いたことがこの人に伝わっていないよう(答えようとしない?)な気がしたので、私の感想をもっと上の人とか、会社全体にも知ってもらいたいと考え、アンケートに答えることにしました。

今までこういうことは面倒くさいと思っていたのに、急にお節介屋になった私は、できる限り詳細に感想を書くことにしました。

まず、答え始める前に、依頼元のCS推進室とはなにか、このアンケートを担当している人は誰か(なんだか分からない部署名ではなく、また担当している人間にも名乗ってもらいたい)、こんなアンケートより家の引き渡し時に営業に人から聞いてもらいたかったと書きました。

そして、小さい文字で、気づいたことを細かく書いたのです。

しかし、CS推進室からはなにも返事がありません。

そこで、この会社の社長さんにも、私のアンケートの答えを添えて、私の感想の概略を送りました。


そうしたら、数日後、CS推進室長さんから返事が来ました。今回もまた、丁重なお礼とお詫びの手紙です。そして、上記の、私が書いた質問や指摘への答えが全くないのです。あの副支店長さんのときと同じです。他にも、答えや意見を書いてもらったらいい箇所が沢山ありました。

私の書いたことを全部読んで理解したのかと聞きたくなります。事実をごまかそうとしているのかもしれません。

これでは人間と人間との対話になりません。

それなのに、謝ったうえ、驚いたことに、社長からの命令で、私の事例を社内教育で使いたいなどと書いてあるのです。

ということは、私が書いたことが皆事実だと認めたのでしょうか。きちんとした検証が必要なのに。

それならそれで、私の言ったことは全て正しくて、それらはよくないことなので謝るとか、きちんと書いてもらいたいです。

はっきり認めもせず、またなにも反論もせず、ただ謝るだけなのです。

ハッキシ言って、こういう人達とはあまり付き合いたくありません。


しかし、その後の手紙でのやりとりで「この会社」がどんな会社かが分かった時点でこれ以上の追及は止めました。(これ以上言っても、会社はよくならないと判断しました。)

1)私がしつこく追及したら、「全て営業のTさんのやる気不足のせいにして、もっと社内教育をきちんとやる」と答えたのです。

2)それに対して、私は、おかしなことに、Tさんにはやる気があると弁護していました。但し、契約を取るためのです。これは、会社が、本来の目的より、契約を取ることを重要視しているからであると言いました。

それに対し、先方は、なんと、自分達はちゃんと調査し、そのような判断をしたもので、契約のこと以外に手を抜いてもいいなど言ったことはないと言い張りました。

その時点で、私は追及をもう終わりにしたのでした。なお、社長からは何も返事がありませんでした。


13.4.4  付き合っていい人もいた

これまで、悪口を沢山書きましたが、家の出来具合については満足しています。

また、工事関係の人達は概して付き合いやすく感じられました。

(だからといって、その他の部門の人が皆よくないわけではなく、営業のTさんだって、契約前の仕事ぶりは感動もので、この人に私の良い家を建てるのを頼もう、と決心したのでした。Y社の営業の仕事をしていなかったら、付き合いやすい方に入っていた可能性もあります。)

1)良い家を建ててくれた人達

家の建築が進んでいる間、ときどき様子を見にきました。そのときに、いろいろな人達と会い、仕事ぶりを見、話すことができました。話すことがあまり得意でないような人もいましたが、皆、真面目によく働く人達でした。

その中でも、印象に残ったのは、インドから来て長年建築の仕事をしている人で、この人は仕事の内容を丁寧に説明してくれ、差し入れのお菓子にも喜んでくれました。次の日きちんとお礼まで言ってくれました。

2)外構工事の人達

Y社の外構工事担当のA社の人たち(3人に働いてもらいましたが)は皆きちんとした仕事をしてくれました。そして、皆いい人達でした。外構工事が大幅に遅れたのは、A社のせいというより、Y社の指示がいい加減であったからです。

この工事の作業をしたBさんは、浴室の外の庭の塀を作るとき、Y社の指示通りやっていたのですが、普通の取り付け方をしたら、塀の下に隙間ができてしまうので、彼は気をきかせて、下の隙間をなくしてくれていました(外から覗けないように)。


塀ができたときに私が行って、そのことを聞き、彼に感謝したのでした。

しかし、残念ながら、Y社が指定した塀は、塀そのものに隙間のあるもので、目隠しには適していない仕様のものでした。品名は「御簾垣」といい、細い竹(プラスチックでできた)を並べたもので、細い隙間が沢山あるのです。そばで覗くと中が見えるし、少し離れたところから見ると、中にあるものの輪郭が見えるのです(特に中が明るいと)。

こうなったのは、Y社の指示ミスです。目隠しの塀の例として私が「建仁寺垣」(竹を縦に割って隙間のなく並べたように見えるプラスチック製のもの)の名前も出していたのに、Tさんが勝手に透かして見える塀を指示してしまったのです。

A社をまとめているMさんに私の言っていた塀(ある温泉で使われている例の写真)を見せたら、彼がいろいろ考えてくれて、結局、既に作った塀の外側にもう一枚塀(建仁寺垣)を張り合わせたようなものにしてくれました。さらに、Y社の指示通りだとできてしまう、浴室の外壁と塀の端との間の隙間についても、建仁寺垣用の材料を切り、隙間に貼り付けてくれました(実際の作業はBさん)。

このようにして、やっと満足できる塀ができて私が喜んだら、二人とも一緒になって喜んでくれました。このような作業は、とても大変で、多分、塀を二つ作るより大変だったと思います。でも、文句も言わずに一所懸命やってくれました。

後になって考えると、Y社を通さず、私が直接Mさんに説明し、頼んだ方が早く、間違いもなかったでしょう。Y社に説明したことがきちんとA社に伝えられていませんでした。


こういうことがあったので、外構工事が完成してから、庭の防草対策の工事を、Y社を通さず、Mさんに頼みました。そうしたら、簡単な打ち合わせだけで、こちらの希望をきちんと理解してもらえ、仕事がかなり混んでいたのに、合間を見つけ、たった3日間で、きれいな庭が出来上がってしまいました。

こんなに早くできてびっくりした私の感激ぶりに、Mさんと作業したMOさんもとても喜んでくれました。MOさんは帰り際にキュウリなど苗を植えていってくれて、その後、花が咲き、実がなってうれしくなった私がそのことを電話で知らせたら、MOさんはわがことのように喜んでくれました。

こういう人たちなら、気持ちよく付き合うことができます。これからも、外構工事関係でなにかやってもらいたいときには、このA社に相談しようと思います。


3)Y社のメンテナンス担当のSさん

家ができ、引き渡しが終わった後、現場監督のTさんの転勤で、Sさんが後任になりました。

この人はきちんとした人で、ちょっとした不具合でも指摘すると、すぐに見てくれ、それを直す手配をしてくれました。でき上がると、直ったかどうかの確かめもちゃんとしてくれました。

家のことについて、こちらの疑問をよく聞いてくれ、丁寧に答えてくれました。

例えば、契約前に、2階の足音があまり聞こえないと言われたのですが、実際には、かなり聞こえたので、それを質問しました。彼は、聞こえないと言ったのは正しくなかったと正直に認め、謝ってくれ(彼が言ったのではないのに)、二階の床と一階の天井との間の構造を説明してくれました。

家の中にアリが入ってきてしまったとき、庭が草ぼうぼうになったときの対策など、こちらの話をきちんと聞き、いろいろ役に立つ助言をしてくれました。

Sさんとなら、正に、人間同士の対話が成り立つのです。*

上のA社の人達の場合と同じです。互いに心が伝わるという気持ちになれました。


13.5 終わりよければ全てよし


わが家を建ててくれたY住宅会社への不平や不満を沢山書き、実際にかなりの苦労はあったものの、良い家ができたので、私も家族も、全員(13名)満足しています。

本章で取り上げた問題(良い家を建てること)は解決できたということになります(第一の成果)。

この成果が得られるかどうかについては、当初は楽観的に考えていました。

というのは、私の担当になった営業の人の仕事ぶりから能力のある人だと考えられたこと。次に、私が望む家が普通の技術で実現可能と考えられるものであったこと。さらに、契約時に、契約後も前同様な頑張りを見せてもらいたいと念を押しておいたからです。


これでもう安心だと思ってしまったのですが、契約後、彼の仕事ぶりが急変してしまったのです。

やる気がなくなったのです。

頑張ると約束までしたのに、この始末です。驚くとともに、呆れてしまいました。どうも、契約後は力を抜くというのが、この会社のやり方なのです。

これでは良い家を期日通り作ることが危ないと察知した私は、方針を素早く変え、設計の作業に直接介入して、私自身が本気になり、設計作業を早く進めてもらったのです。

詳細は既に述べてあるので省略しますが、やる気のない人を動かすのは大変でしたが、なんとか良い家ができるまで頑張ってもらいました。


考えてみると、これはかなり大変なことです。なかなか成功しないことです。やる気のない人に何かをやらせようとしても、うまく行かない場合が多いのです。それにも拘わらず良い家ができたのは、一つには、彼がやる能力を持っていたこと、次に、私が良い家を建てたいという気持ちが強く、何をやるべきかがかなり分かっていたから。そして、彼も私の強い意志を感じたからでしょう。そして、第三に、契約後頑張ると言ってしまったのに、頑張っていないという(約束を守らなかった)負い目を感じていたからかもしれません。

私は、彼にやる気をもっと出せ、とは言いませんでした。彼が良い家を建てるために、やるべきことをきちんとやるように要求しただけでした。かなり細かいところまで。

結局、最後まで、Tさんのやる気が出てきたとは言えませんが、私の言うことをなんとかやり遂げてくれました。

これは、今回の家作りのもっとも大事な成果(私にとって)かもしれません(第二の成果)。

「やる気がない人に、やる気がないまま、紆余曲折はありましたが、なんとか目標を達成させたのです。」


今回は、まだ成果があります。私が営業の仕事に口を沢山出したお蔭で、「家を建てるときの問題点」について貴重な勉強ができました。その結果、新しく家を建てる人の相談に乗ることができるくらいになりました(自画自賛ですが)。

そして、さらに、家を建てることによって、私自身のやる気が出てきて、元気も取り戻しました。実は、その年(2012年)3月に母を亡くし、その後、心身ともに疲れ、やる気もなくなっていたのですが、今回、いや応なしに、家作りに首を突っ込むハメに陥り、必死になったのがよかったのか、家ができるころには、とても元気になっていました。これも、今回の家作りのお蔭です。

最後に、栃木県にきたことで、ここで大勢のいい人達と知り合いになり、これからよいお付き合いができそうです。こういう環境の中で、私の「良い家」で暮らせるのはとても幸せなことだと思っています。

まとめると、栃木の私の良い家を建てる計画は、実行されて、成功しました。途中、大変なときもありましたが、念願の家が完成しただけでなく、いくつかの、よい副次効果もありました。

結局、めでたし、めでたしです。

10238字 2014.7.17完


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