ズージャな親父の徒然ジャズ日記(Jazz Diary)

ズージャな親父の徒然ジャズ日記(Jazz Diary)

振り返る勇気


 私の立場から言えば「道具」から、ある種「美術品」的な扱いに変わってしまったビンテージ物の楽器だ。
 普通、メーカーは消費者のニーズに応えて、消費者の欲する物を供給していくことが責務であるはずだ。しかし、ある時期、メーカーは自社で開発した物を「これで良し」とし、消費者に押しつけようとした。音色、音程、機能等々、改良したことを謳い文句に新製品を発売し、あたかもそれが最高傑作で有るかのように宣伝して売りさばいたのだ。
 ところが何十年経っても、当時作っていた物の人気が落ちることはなく、それどころか「あの製品が一番良かった」とプロ、アマを問わず言うに至ってメーカも「これはどうしたことか?」と考え出した。
 そこで、現代に蘇った復刻版を発売した。
 しかし、はっきりいって中途半端な製品だ。昔の図面は残っているだろうに・・・振り返る勇気を持って当時のままの製品を作ってくれないだろうか?ミュージシャンにとって楽器はレーサーにとっての車であり、パイロットにとっては飛行機なのだ。
 我々は「こだわっている」。妥協は許されない。同じ物を作って欲しい。
 そして反面、ミュージシャンにとって楽器は生活の糧なのだ。理不尽につりあがったビンテージ相場を打破するためにもメーカーが介入をして相場をしずめるべきなのだ。
 振り返れ!そこには栄光の歴史があるのだ。職人魂を思い出せ!我々は名器の復活を待っている。


© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: