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「それは知っています。私も変身させられましたから」
 院長に対して、自分も集団変身事件の当事者だということを告白する美根子。
「ああ、そのことなら知っているよ。確か遠子君も変身したと聞いているが……」
 舌なめずりするような表情をしながら、露骨に興味津々の感情をあらわにする院長。
「えッ、遠子ちゃんも変身してたの?」
 軽い驚きを込めて遠子に質問する美根子。院長の目の前だという状況を忘れているかのようだ。
「はい。今回のお嫁さんにも変身しましたけど、前回の危ない女王様風の魔法少女にも変身しました。あの、でもそれが何か?」
 院長と美根子の質問に対して簡単に答える遠子。
「ああ、それも知っている。この中津木総合病院は、今までに2回あった集団変身事件が起こった地域の外縁に立地しているからなのか、関係者の中で変身現象を体験したことがある者は意外と少数派なのだよ。その中でも、2回とも変身した経験を持っているのは、少なくとも私が知っている限りでは、君たち2人だけだったというわけだ」

「先輩も、2回とも変身していたんですか?」
 今までそのことを知らなかったのか、遠子は美根子に問いかける。
「ええ、まさか私と遠子ちゃんの2人だけが病院の中で2回とも変身していただなんて知らなかったけど」
 驚く、美根子。同じ境遇だったのかと、改めて美根子と遠子はお互いに見つめ合った。
「さて、というわけでだ。じつは今度行われる健康診断は、身体の調子を診るものじゃない。重要なのか心のケアだ……。と、市のお偉いさんが言ってきたわけだ」
 院長はそこで言葉を区切ると、机の上に置かれた葉巻入れから葉巻を一本取り出し、それに火をつけた。普段は患者に禁煙を勧める医者が禁煙出来ないとは、医者の不養生とはよく言ったものである。
「市のお偉いさん。……ですか」
 話がどこに向かっているのか分からず、美根子は生返事を返す。となりの遠子も同様にとまどっている様子だ。
「ああ、市のお偉いさんだ。我が病院に取っては大事なお方だ」
 そして葉巻の煙をぷかりと吐き出す。
「そのお偉いさんが困っているんだよ。『早く集団変身現象を何とかしてくれ。市民から苦情がきて困ってる』ってね」

「苦情と言っても、変身の原因は魔法少女♪奈里佳っていう娘ですよ。市は関係ないじゃないですか」
 呆れたように言う遠子。
「変身した人の中には何故だかは知らないが、それまでの性格とはまったく違った行動を取る人が一定割合でいるらしい。本人達に言わせれば『本当の自分を取り戻した』ということなんだが、まわりの人間にしてみたら人が変わってしまったようで不安ということだ。市が苦情を言われる筋合いは何も無いのだが、じゃあそれ以外のどこに苦情を言えばいいのか分からないということで、市に苦情が殺到しているんだよ。『早く何とかしろ』ってね」
 話を区切り、こめかみを指で揉む院長。
「あの、それで、それが今回の話にどう繋がるんでしょう?」

「市民からの苦情がある限り、市としては何らかの対策をしないといけない。しかし集団変身事件なんていう現代の科学を越えた状況に対処出来るわけが無かろう。出来るとしたらちゃんと対策をしているというポーズと、心理面のフォローぐらいだ。というわけでポーズとしての健康診断ということなんだよ。この城南中学校における健康診断は。ま、市のほうもそのへんの所は分かっているようだがね」
 暗い笑みを浮かべる院長。
「しかし身体に対する健康診断がポーズであるからこそ、メンタルケアの面では専門家を出してくれという依頼があったという訳なんだが……。こんなことに専門家がいるわけがない。というわけで津谷君に犬飼君、私が何を言いたいか分かるだろう」
 2人を見つめる院長。空気が重い。美根子と遠子は黙っている。
「我が中津木総合病院において2度の変身現象を経験した君たち2人ほど、この仕事の適任者はいないのだよ。特に津谷くんは患者さんから最も好かれているそうじゃないか。メンタルケアの面でそれは重要な能力だ。得難い力だ。期待しているんだよ。だから私を助けると思ってこの仕事をやってくれないかね?」
 普段、叱られることには慣れていた美根子と遠子だったが、そうであるからこそ誉められることには慣れていない。2人は院長の言葉に踊らされ、院長室を出る頃にはすっかり舞い上がっていた。





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Last updated  Dec 6, 2004 11:58:27 PM
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