旅人の記録

旅人の記録

2008.06.07
XML
カテゴリ: アート
今回(6/7夜TV東京)の
「美の巨人たち」は、面白かった!

アボリジニ(オーストラリアの先住民族)の天才的抽象画家、
エミリー・カーメ・ウングワレーについてでした。

彼女は、美術学校に通ったこともなく、
美術の本に触れたこともなかったのに、
80歳頃になってキャンバスに絵を描き始め、
それから毎日怒涛のごとく絵を描き続け、
亡くなるまでの8年間に3、4千点に及ぶ


その絵が素晴らしく、
20世紀が生んだ最も偉大な抽象画家の一人
とまで言われているそうです。



8年間でタッチもどんどん変わって行き、
点描から、線の模様、鮮やかな原色の色彩、次第に淡い色へと
近代抽象絵画が辿った変遷を
彼女が一人で8年間で表現してしまったようです。


そして、最後の絵を描いた数日後に、この世を去ったそうです。
その最後の絵が、今回の「今夜の一枚」でした。
最後には、ほとんど白の世界になったんですね。

番組でも、何点か作品が紹介されましたが、

全く面白みを感じない作品など様々でした。
原色の鮮やかな作品では、「芸術は爆発だ」の岡本太郎を思い出しました。

アボリジニには「ドリーミング」と呼ばれる概念があって
彼女はそれに従って絵のイマジネーションを得ていたそうです。
(「アボリジニ」「ドリーミング」のキーワードでググると


彼女の名前の「カーメ」とは、
アボリジニの言葉で「ヤムイモの種」を意味するそうです。
ヤムイモの根をイメージした作品も、何点か描いてます。
自然と一体化した生活、観念の人々のようです。


彼女は絵を描くとき部屋でも屋外の土の上でも、
キャンバスを地面に敷き、その上に座り込んで
手の届く範囲を描いて、徐々に移動しながら全体を
仕上げていったそうです。
だから、絵に上下の概念もなく、
展示する場合にも本人から上下の指定はなかったそうです。

うーん、自由すぎる!

生前のインタビュー映像も見たんですが、
「絵を描くと毎日お金がもらえて、皆に分けられるから嬉しい」
と言ってました。
長老として皆にお金を分け与える事が出来て、
嬉しかったみたいです。
あんまり「私は画家だ」とか「創作意欲に燃えて」とか
「描かなければならない」というような力みがなく、
自然に描いてる感じなんですな。





この番組を見て、この人はいったいどんな人なのか興味を持ったので、
ネットで調べようと検索したら、
なんと今、東京で「エミリー・ウングワレー展」が開催中でした!
エミリー・ウングワレー展



見に行った人のブログを読むと、
作品からエネルギーを感じられてかなり良いらしい・・・

来月までか、行ってみたい・・・

アボリジニの文化にも、興味が出てきたなー。



アボリジニといえば、今年の2月13日に、
オーストラリアのラッド首相が議会で、
先住民アポリジニに対し、
政府、国の代表として、初めて公式に謝罪しましたね。

オーストラリアの先住民族であったアボリジニは、
後から渡って来た白人連中にひどい目にあわされたんですよね。


後から渡って来たイギリス人などに迫害され、
人口の9割以上のアボリジニは死んでしまった。
元はイギリスの罪人の島流し先であったりした事から、
白人の犯罪者によるスポーツハンティングの延長として
アボリジニ狩りがあったり、若い女性を捕らえて強引に
妻にしたりしたんです。

ひどい話だ・・・

そして、オーストラリア政府=白人による同化政策によって、
アボリジニの子供たちは、強制収容所や孤児院などの施設に送られ
隔離されたんですよね。
盗まれた世代=The Stolen Generation と呼ばれてます)

このことについて、ようやく今年、
オーストラリア政府は正式に謝罪したわけです。


このあたりのことを題材にした映画がありますね。


■裸足の1500マイル リミテッド・エディション
 【限定生産2枚組】(DVD) ◆20%OFF!



このような苦難を乗り越えアボリジニが生き残っていたからこそ、
このような素晴らしい芸術に接することができた訳ですね。



今現在もチベット、東トルキスタン等に対し民族弾圧を続ける中国は、
人権はもちろん、古来よりある民族、文化を尊重すべきです。

滅ぼしてしまった文化は、2度と蘇らせることはできません。クール





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008.06.19 13:30:13
コメント(1) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


はじめまして!  
クロカル  さん
ご訪問ありがとうございました。
最後の絵、何ともいえない作品ですね。
こんな面白い番組をやってたとは…見てみたかったです。
(あ、地元にTV東京ありませんでした;)
でもこの記事のお陰で見聞が少し広がりました。ありがとうございます(^^) (2008.06.14 13:35:34)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: