わっ!Yさんも「江戸娘のジーンズ姿」気にいってくれはったみたいですね(^_^)
嬉しいな~(^^♪

あっ!なんか、エジプトを舞台にした里中さんの本を古本屋さんで見ました!
今年になって、はじめて里中さんの『天上の虹』を知ったようなポッっとでの僕だから、そんなん、まだまだ読んだことないです。
きっと普通の女子なら常識なんでしょうけど素人のおっさんなもんで、まだまだこれからです(^^ゞ (2009年06月04日 23時15分27秒)

☆じゃがべぇ~(^_-)-☆

☆じゃがべぇ~(^_-)-☆

2009年06月03日
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春過ぎて夏来るらし白栲(しろたへ)の
     衣ほしたり天の香具山


「春が過ぎて夏がやって来たらしい。白栲の衣が干してある天の香具山に。」

万葉集 巻一 二八 持統天皇


先月聞きに行った里中満智子さんの講演会で、里中さんはこの歌の情景を

”香具山の上に雪が積もってるのを見て詠んだ”っておっしゃったんよね。

寒い冬の雪の日に新しく出来た藤原宮の縁側から、まっ白に雪を被った香具山を見て、たわむれにこんな歌を詠んだんだって!

実は里中さんの漫画『天上の虹』の中に、持統サマがこの歌を読むシーンが出てくるんよ。

16巻44章「香具山」に出てくる

「春がすぎて もう 夏が 来たようね」

「ほら 香具山にみつぎ物の布が干してあるわ まっ白に輝いてきれいだこと」


外は雪がしんしんと降ってるわけで、それを聞いたお付きの女官たちがびっくりするんよね。

持統サマがオカシクなった!って(^。^)

「おもしろいじゃない 雪を白布にみたてて… 」

「夏の日ざしが目にうかぶわ それだけで――  「寒い」と感じてる気持ちを忘れそう」


これを聞いて女官たちは感心するんよね(^_^)


なんかねぇ、この歌をそんな風に歌ったなんて考えもしなかったから、このシーンは印象に残ってるんよ。



里中さんはその時の講演会で、この歌にはいろんな説があるとおっしゃってた。

『天上の虹』の中の画には、実際の雪を被った香具山も、持統サマの想像の夏の陽ざしを浴びて衣がはためいてる香具山も画いてあるし、どっちゃでもいいんだけど、あの”持統サマがオカシクなられた”ってシーン好きだし、僕は里中説に乗っかろうと思う。


でね、日曜日に、せっかく香具山に登ったのに、この上の歌の歌碑を発見できなかったんだ。

香具山の北東側には「万葉の森」というのがあって、森の中にたくさんの歌碑があるんだ。

万葉の森

意地になって山中歩き回ったのに、違う歌ばっかだったんだ。

香具山歌碑1
香具山歌碑2

でね、山頂から裏に少し降りたあたりに、こんな看板があったんだ。

香具山の看板

この看板に書いてあったのはこうなんよ↓


     衣干すてふ 天の香具山


↑これ、一番上の万葉集の持統天皇の歌と少し違うでしょ。

これは『百人一首』に載ってるもので、持統サマの死後500年ほどたった『新古今和歌集』時代に変えられちゃったんだってさ。

そのことを、僕は永井路子さんの 『よみがえる万葉人』 という本で知ったんよ。

「女帝サマはお腹立ち」って小題の文に書いてあったんだけど、その中に目から鱗の面白いたとえで「持統サマのお腹立ち」のことを書いてらっしゃるんよ

持統サマ→ 「第一、あの『百人一首』とやらのかるたの絵は何です。私はあんなもの着てませんよっ」

 ごもっともで。かるたの持統サマは平安朝の、いわゆる十二単衣姿だが、あれはまったくのまちがい。あのころだったら高松塚ふうでなくてはなるまい。あれでは江戸娘がジーンズスタイルで描かれているようなものだ。


百人一首持統天皇

↑これは、うちにあった『百人一首』を引っ張り出してきてスキャンしたんだけど、ほんとだよね~!

持統サマがこんな姿をしてるわけないもんね!

でも、 ”江戸娘がジーンズスタイルってのは言い過ぎとちゃうのん?”って思ったんよ。



持統サマが生まれてから平安遷都までの年数が

794年(平安遷都)-645年(持統サマ誕生)= 149年

江戸時代の終わる明治維新から今日までの年数は

2009年ー1868年(明治維新)= 141年

ねっ、計算してみたら、江戸時代から今日までの方が短いんよね。

それに、十二単衣なんてのは平安文化もかなり熟成してから出てくるような気もするから、もしかしたら江戸娘のシーンズ姿の方がまだましなのかも知れないよ(^。^)

確かに永井さんのたとえの 「江戸娘がジーンズスタイル」ってのは言い得て妙だよ(^。^)

持統サマも、十二単衣なんか着るより、今のガーリーファッションみたいなのを着せられたほうがよっぽど嬉しかったんじゃないだろうか?


でぇ、せっかく香具山に行ったのに香具山の写真がろくなのが無いんよ(>_<)

香具山
唯一、撮ってた香具山の写真。

香具山の南側に降りたいので、道っぽいところを降りて行ったらいつのまにか道がなくなってしまって、この写真の中央あたりから出てきてしまったんだよね(^_^;)

畝傍山や耳成山はきれいな円錐形の独立峰なんだけど香具山は、なんだかダラっとしてて、こんなもんなんだよ。

畝傍山
ちなみに香具山頂上から見た畝傍山がこれ。

畝傍山は何処から見てもかっこいい!

畝傍山の頂上からまっすぐ手前に降りたあたりに有名な「橿原考古学研究所」が見えてるはずなんだけどな…。

で、香具山から、まっすぐ山田寺跡に向ったんだけど、また今度書くね。





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最終更新日  2009年06月04日 03時23分38秒
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Re:春過ぎて夏来るらし白栲(しろたへ)の…。(06/03)  
Supernovae  さん
江戸娘のジーンズスタイル!!
まさにぴったり表現。

里中真知子さんはこのほかに、クレオパトラをモデルにした漫画もたしか描かれていたと記憶していますが、すー☆さんは読まれましたよね?
(2009年06月04日 06時11分14秒)

Re:春過ぎて夏来るらし白栲(しろたへ)の…。(06/03)  
樹音0s504  さん
この句、私、百人一首バージョンの方しか知りませんでした!!
わずかな違いでも、何となく全体のイメージも変わるもんですねぇ。
百人一首バージョンの方がやわらかな雰囲気になってる気がしませんか???
勝手に変えられちゃった持統天皇はご立腹かもしれないですが(笑)、
その改変のお陰で日本語の表現力の豊かさを改めて感じることができちゃいました♪ (2009年06月04日 13時28分32秒)

Supernovaeさんへ  
すー☆  さん

樹音0s504さんへ  
すー☆  さん
そうですよね!百人一首のほうがみんな普通に覚えてますもんね。
百人一首のほうが、なんか現代文ふうのリズムをとれてスムーズに読めるぶんやわらかく感じるかもしれませんね。
平安期には、このほうが素敵だったのだと思います。
でもね、どっちにしたって、現代人が読んでも意味が分かるってのがすごいと思うんです。
1300年前のも、1000年前のも、その土地で書いたものを、今同じ場所で同じ意味で読めるなんて世界中のどこにもそんな国もそんな言語もないと思います。
4000年の歴史の中国でも、征服民族は交代してるし、中国語も細分化されてぐちゃぐちゃで、この「春過ぎて~」なんてのが通じる場所はほとんどないと聞きます。
おっしゃる通り、昔の言葉をベースに日本語は、どんどん豊になっていってるけど、大昔に日本語って、もう充分素敵だったんですよね♪ (2009年06月04日 23時34分48秒)

Re:春過ぎて夏来るらし白栲(しろたへ)の…。(06/03)  
ひゃ!!これは持統天皇もショックですね!!確かに江戸娘のジーンズスタイルですね^^;
持統天皇ってものすごく頭がよくって、切れ者っていうイメージなので、きっとユーモアのセンスもあったんだろうな~って思いますね。それにしても1300年以上前の歌がいまだに大切にされてるってステキですよね!! (2009年06月05日 23時05分50秒)

ぽっけのびすけっとさんへ  
すー☆  さん
ねっ!江戸娘のジーンズスタイルだなんて永井さん、おしゃれなたとえ話をしはるでしょ(^_^)
持統天皇のこの歌を歌った情景、里中さんのユーモア説良いですよね♪
で、その感じを今でも感じれるっていいですね(^^♪
言葉はどんどん変わるだろうけど、変わってもおんなじ日本語として感じれるってことは、里中さんがあの講演会のときにもおっしゃってたけど本当に素敵なことだと思います♪ (2009年06月06日 00時02分19秒)

Re:春過ぎて夏来るらし白栲(しろたへ)の…。(06/03)  
sadao さん
里中さんの雪景色説は正しいと思います。そして持統天皇は「衣干(ころもほ)したり天の香具山」ではなく「衣被(きぬかずき)たり天の香具山」とお読みになったのだと思います。私が住む京都では、初春の候に朝起きてみると、吉田山や大文字山のような低い山にうっすらと雪が積もり、朝日に照らされて真っ白に輝いている光景を目にすることがあります。とても美しいものです。おそらく奈良でも、天の香具山のような低い山に夜中にうっすらと雪が積もり、朝に美しく輝いていることが稀にあるのでしょう。おそらく持統天皇はその景色をご覧になり、感動して「まあ、天の香山が白妙の衣被(きぬかず)きをなさっている。まだ初春のはずなのに、(真夏の装いである)白妙の衣(きぬ)を被(かず)いておいでとは、もう春を通り過ぎて夏になったのかしら」という御製だと思います。「被」は万葉仮名としては「ひ」ですが、「干」も「乾」も同じく「ひ」です。そこで持統天皇の歌の真意を理解できない方が、山が衣(きぬ)を被(かず)くはずがないので「被」を「干」または「乾」に書き替えて、「衣(ころも)干(ほ)したり天の香具山」のような感動のない歌にしてしまったのでしょう。 (2025年03月13日 14時20分38秒)

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