2017年01月23日
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​​​ 頭(とうの)中将と夕顔の姫君である玉鬘(たまかずら)は、源氏の君に庇護(ひご)され、源氏の君の邸である六条院に住むことになります。
 花散里(はなちるさと)の居る御殿の西の対(たい)に住みます。

 ある秋の日、庭先で篝火(かがりび)が焚(た)かれ煙が空に立ち上っています。篝火(かがりび)のもと、源氏の君は玉鬘(たまかずら)への恋する思いを歌に託して打ち明けます。
「源氏物語」「篝火(かがりび)」の巻で、次のように記しています。下の原文の写真6行目から7行12字目まで。

「かが里)火に たちそふ恋の けふり(煙)こそ 世にはた(絶)へせぬ ほのほ(炎)なりけれ」
They burn, these flares and my heart,and send off smoke. The smoke from my heart refuses to be dispersed.
          (英訳・サイデンスティッカー)

源氏の君の恋心篝火2b

現代語訳は次の通りです。

(源氏の君)「篝火(かがりび)のように一心に立ち上るあなたへの恋の思いは、いつまでも絶えることのない炎と同じですよ」

源氏の君の恋心篝火2b拡大

源氏の君の恋の告白に対し、玉鬘(たまかずら)は自分の気持ちを歌で返します。原文の写真10行目から末尾行まで。

「行(ゆく)方(へ)なき 空にけ(消)ちてよ かが里(篝)火の たよ里(り)にたぐふ けふり(煙)とならば」
If from your heart and the flares the smoke is the same, Then one might expect it to find a place in the heavens.
(英訳・サイデンスティッカー)

現代語訳は次の通りです。

(玉鬘)「あなたの恋の炎は、行方も知らない空へと立ち上る篝火(かがりび)の煙のようにやがては消えてしまうものなのでしょう」

 玉鬘(たまかずら)は、源氏の君の恋の告白を体(てい)よくあしらったのです。

 これを聞いた源氏の君は、「くはや」という言葉を残してその場を去ります。「これは、これは」という意味です。

 源氏の君が、苦笑いしながら退散する様子を想像することができます。​​





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最終更新日  2019年06月17日 01時14分20秒
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